第13夜 熱闘!~ビート編~
「第18受験生!始め!」その言葉でビートは構えた。
だが武尊は巧のように向かってこず、話を始めた。
「良い相手だ。決着を付けられる。」その顔には笑みが浮かんでいた。
「俺もそう思っていた所だよ!!!」そう言ってビートは剣を向けて向かって行った。
武尊がビートを見ると剣が浮いているだけだった。
「そこか・・・」その眼は武尊の真上に向けられていた。
「バレちまったモンはしょうがねぇ!いくぜ!!」ビートは左腕で上空から武尊を狙った。
だが武尊の鎌でその攻撃は阻止された。攻撃が阻止された瞬間にビートは地面に落ちている剣を取って武尊の足を斬った。
だが、その攻撃もジャンプされて避けられてしまい、鎌でビートは攻撃された。なんとか剣で鎌を止めたものの、しゃがんだ状態でこの体勢を保つのは困難を極める。鎌を静止した剣を持つ右腕が震える。渾身の力を込めてその鎌を打ち上げた。隙をついてビートは武尊の首に剣を突き付けた。
「少しはやるようだな・・・だが甘い!」次の瞬間、ビートは足元をすくわれた。
足を蹴られたのだ。武尊は素早くジャンプして鎌を取ると、ビートの腹部を斬りつけた。
「ぐっ・・・・」斬られた箇所からは血が流れていた。
ビートは立ち上がって剣を鞘に納めた。そして右腕の手袋を取り始めた。
「やっぱ使わねぇと倒せそうにないな・・・・」そして手袋を取り終えた。
「!ダイル元帥を追い込んだ右腕か・・・まぁ良い。」そして鎌を持って向かってきた。
ビートは右腕を思いきり武尊の方に向けた。すると、どういう事か武尊は金縛りにあったかのように動けなくなった。
「ああ。悪りぃ。ダイル元帥の時は加減した。言っとくけど、右手出した俺は負けねぇぜ!」そう言ってビートから向かっていった。
ビートは武尊の元へ向かうと容赦無く武尊を殴りまくった。だがその攻撃はすべて武尊が阻止する。どうやら金縛りは解けたようだ。
少年はただ殴り続けた。だが、逆にもう1人の少年もそれに応えるように黙々と鎌を振り続ける。武尊が1度バックして鎌を床に刺し、鎌の柄の部分に器用に乗った。すると、ビートにこう言った。
「フフフ・・・こんなに楽しい戦いがあるとはな・・・良いだろう。使うとしようか。」その姿を見て巧が言った。
「まったく・・・あいつが俺らの中で1番戦いを楽しんでやがるぜ。受験生ごときに『刻印 解放』をするとはな。」
武尊は右手を上に挙げ、左手をその真下に持っていった。そして円を描くように上下の手を反転させた。そしてその両手を拳に変え、言った。
「『刻印 解放』!!二天狂王鎌!!」その瞬間、武尊の周りを闇色の光が包み込んだ。
10秒ほど時間が経ってからその光は霧が晴れるように消えて入った。そしてそこには変わり果てた武尊の姿があった。
その姿はここにいるエリート部隊とダイル以外のものをすべて驚愕させた。観客席の白が言った。
「なんだ?・・・・・あれは・・・・悪魔?」その姿は白をも、絶句させるほどだった。
武尊の腕は木の枝のように細くなり黒い髪が腰の辺まで垂れていた。目の色は人間で言う、黒目が緑色に、白目が黒に変色していた。背中から大きな蜘蛛の巣のような物が付着しており、そこには2本の鎌が納められていた。まるで武尊とは別人のような存在だった。
変わり果てた武尊はゆっくり、ビートの方に近づいて行った。ビートは自然に後退していた。体が思うように動かなかった。
武尊が足で踏んだ場所は黒く変色し、腐っていった。ビートが我に返り、武尊に向かっていった。ビートは右腕で武尊の顔を殴った。が、武尊はビクともせずに声を出した。
「クククク・・・・いくぜ・・・死ね!」武尊は鎌を両手で取り、クロスを描くようにビートの腹を切り裂いた。
それは普通の痛みとは違った。まるで心までが切り刻まれるような感触だった。ビートはその場に倒れ込んだ。そこにまたも鎌が降る。左足、右腕を鎌で刺された。
「グアアアアア!」ビートは喚いた。完全に成す術を失くした。ビートはポケットから何かを取り出した。
「これが・・・・・・最後の・・手段か・・一か・・八か」ビートはそのスイッチを押した。
するとそのボールからとてつもなく眩しい光がコロシアムを包んだ。少年の人生最後を賭けたボールの正体は閃光玉だったのだ。「終わった。」そう思った。だが、その光で武尊の容態が急変した。
「ガアアア!!!アア・・・アアア!!!」武尊はその場に座り込んだ。
ビートは全てを察知した。眩い光の中で彼は武尊を攻略したのだ。すべての鍵は『アルカナ・クラウン』だった。
ビートは傷口を押さえて立ち上がり、手を合わせ光の波動を武尊に発動した。武尊は喚き声を上げながら元の姿に戻っていった。座り込んでいた武尊は床に倒れた。ビートは勝利したのだ。
「第18受験生合格!第19受験生前へ!」「はい!」意識が遠のいて行った。
ただ自分が勝ったことは鮮明に覚えている。その傷が勲章のように思えた。あの光の中でビートはアルカナ・クラウンの能力を思い出したのだ。
「悪の根源『闇の七魂』を感知し、それを破らんもの」
ビートはあの武尊は異常だと判断し、『闇の七魂』を感知、その1つ『怨念』を発見し、武尊の心の中の『怨念』を砕いた。しかも、怨念は光に弱い。好都合だった。
ビートは何時の事か、眠りに付いていた。




