第12夜 熱闘開始!
「6:30分か・・・まだ大丈夫だな・・・寝よ・・・」ビートが言った。いや、呟いた。
「よし。白、リール。準備できたか?」ビルが小声で囁く。
「あまり気は進まんがな。」リールが言った。
「よし、行くか。」白が言うと、3人は部屋を出て食堂へ向かった。
これはビートが起きる30分前の話である。
「6:55分かそろそろ起きるか。」そう言ってビートは起き上がった。昨日は2段ベットという事を忘れ、2階から床へ落ちてしまったので、今日は慎重に注意しながら降りた。
「さてと朝飯、朝飯。」まだ少し眠たいが食欲には代えられない。
テーブルに朝飯を取りに行くと、テーブルの上には何も置かれていなかった。おかしい。他の3人がもう朝食を終え、食器を食堂に持って行ったとしよう。だが、なぜ俺のまで・・・まさか!?俺のを食べたのか!いや・・・待てよ・・・その時ビートは根本的なことに気付いた。
「あいつらどこ行った!?・・・・・まさか!!!」
1階食堂、7:15分
「早く来て正解だったな・・・ビートが来たらどういうだろうか?」白が呟いた。
「その時はその時だ。」ビルは悪魔で余裕だ。
なぜ今日は朝食を食堂で行うのかというと無論、今日が第3試験当日だからだ。
体調を万全に保って試験に臨むための処置らしい。
そのため、今朝、食堂を使うのは受験生だけとなるのだ。
だがその分、大食いの受験生は大量の食べ物を食すことができるのだ。
しかも今日だけに限り、禁断のおかず「フルコース」が解禁されたため、さらなる混雑が予想されたのである。
つまり、食事をする人数が減ったところでおかずを取りあうための混戦になることに変わりはないのだ。
それを恐れた受験生達は食堂の開館時間6:45分の15分前、つまり、6:30にはほとんどの受験生が起床していたのだ。
「確かに・・・そうだな。」リールも共感したようだ。
だが次のある人物の言葉で彼らは危機感を覚えた。
「見つけたぞ・・・・・・・貴様らァ!!!!!!!」7:30分。
ついにビートがやって来たのだ。ビートは文句よりも先におかずのコーナーに急いだ。ただ焼け野原になってないことを願いながら。だが、時すでに遅し。そこはもう焼け野原だった。4人のそれぞれの献立は、
ビート、白米。
ビル、 魚フルコース、山菜フルコース、肉フルコース、コカコーラ。
リール、中華フルコース、赤飯、サラダ、ソーダ、パフェ。
白、 白米、和食セット、鯛と鮪の刺身、抹茶。
ビートは白米を食べてはおかわりをするローテーションを繰り返していた。その5回目にビートは愚痴を零した。
「クソっ!ハメられた!早く起きるなら言ってくれってんだこん畜生!!!」
「だから俺昨日あれほど言ったろ!早く起きろって!」
そんなことで言い争っている間にダイルが食堂に入ってきた。
「よし!そろそろコロシアムに移動する!準備しろ!」
「どうする?もう準備するか?」リールが聞いた。
「ああ。そろそろ行こう。」白の一声で4人が立ち上がった。
ビートたちがコロシアムに着いたのは8:00丁度の事だった。
全員がコロシアムに着いたのは8:05分だった。リハーサルを行っている者はともかく、何をやるのか全く聞かされていないビートは心に不安を隠せなかった。だが、そんなビートをもっと不安にさせる出来事があった。なぜならリハーサルを受けた受験生でさえ手が震えている者がいるのだから。そんなことを考えているうちにアナウンスが入った。
「それでは、第3試験を始める!第1受験生前へ!」「はい!」
どこからか声が聞こえた。この40人の誰か1人の。と思えば今度は全員コロシアムの観客席に向かった。どうすればいいのか悩んでいると白が肩を叩き耳元で「ついて来い」と囁いた。ついていくとビルとリールが座っている椅子を見つけそこに座った。
コロシアムの中を見るとさっき呼ばれた受験生が1人でコロシアムに立っている。
するとコロシアムの北口から1人の人物が現れた。
それは昨日のエリート部隊の一人、伊崎 巧だ。するとまたアナウンスがはいり、
「第1受験生始め!」と言った。
と思えばアナウンスが終わった瞬間に巧は受験生に突進して行った。受験生は手にしているハンマーで巧を叩いた。が、巧は攻撃をかわし、背後に回って背中に思いきり蹴りを入れた。受験生は吹っ飛び、壁にぶつかり、地面に倒れた。すると、巧はジャンプして受験生の上空から受験生の腹部に蹴りを入れた。すると、またもアナウンスが入った。
「第1受験生失格!第2受験生!前へ!」「はい!」と聞こえた。
「分かったか?これがルールだ。」リールが聞いた。
「ああ。分かりやすくていいじゃねぇか・・・ゾクゾクしてきたぜ!」ビートは言った。
すると変わったアナウンスが入った。
「第10受験生失格!ここで試験官を交代する!伊崎 巧に代わり、第11受験生~第20受験者までは矢鎖 武尊!」
大体ルールは分かったが1つ分からない事が有った。
「なぁ、リール。1つ質問。俺は何番目に闘うんだ?」それだけが分からなかったのだ。
「ああ。渡して無かったな。ホラよビート。」ビルがパスポートの様なものをポケットから取り出した。そこには『R・ビート18番』と書いてあった。
ビートにとっては都合がよかった。昨日の決着を矢鎖 武尊と付ける事ができるからだ。
「大体2人前の奴が終わったら入口に向かえよ。」白が念を押した。
「そんぐらい分かるって。ん?14番目が終わったな。そろそろ行くわ。」そう言ってビートは立ち上がって階段に向かった。
「ビート!!!!」ビルが止めた。そしてこう続けた。
「絶対ぇぇ勝てよ!負けたら許さねぇぞ!!!」投資を沸かせるつもりだった。生半可な返事をしたらぶん殴ってやろうと思った。だが、殴られたのは自分だった。
「人の心配する前に自分の心配しろよ!バ~~カ!」そう言ってビートは階段を降りて行った。
そして運命のアナウンスが鳴った。
「第18受験生!前へ!」「はい!」そう言ってビートはコロシアムに入った。同時に入口の扉が閉じられた。ビートを見ながらビルは呟いた。
「ウッざ。」




