第10夜 熱闘前の謎
「どういうことなんだ・・・これはいったい?」
ここにいるのは自分1人ということも忘れ、呟いた。なぜなら絶対にありえない事が、目の前では起きているのだから。
「気づいたか。」その声は後ろからだった。振り向いてみると、声の主はギラだった。
ずいぶん久しぶりに会った気がする。だが、今となってはどうでもいい事だ。
ただ聞きたかったのだ。この状況を納得がいくように知りたかったのだ。
「教えてくれ!今なんで俺はここにいるんだ?なぜ外で第3試験が?」
ギラはそれに答えた。
「落ち着け、まず聞かせてくれ。お前はどこまで覚えているのかを。」
修羅道院、深夜2時。
「ハァ・・ハァ・・・だめだ・・お前だけは・・・グア!」
「今思エバ懐カシキ現世ニ焦土ヲ呼バントス」
謎の部屋
「どういう意味だ?」ビートは問いかけた。
「お前はダイルにやられた。意識を失ってからどこからどこまでを覚えているんだ?」
「?俺は目が覚めたらここにいた。それだけしか覚えてないぜ。」
「そうか・・・・これは長くなるな。」
「急かすようだが早く教えてくれないか。」その言葉は確実に焦りが見えた
「そうだな。では初めから話そう。まずお前は気絶した後ダイルに身柄を引き取られた。ルール通りお前はここから追放されるはずだった。だがそこに3人の受験者が現れた。」
「まさか・・・ビルとリールと白のことか?」
「正解だ。もう1度チャンスを、第3試験に出してやってくれと言ってきた。だが、ダイルは承諾しなかった。『ルールだからだ』と言って決して承諾しなかった。」
「それとこの場所に何の関係が?」
「まぁ、待て。だが、もう1人反発者がいた。弐剣だ。弐剣はダイルが元帥会議に行っている間にお前を助け出した。と言うよりお前を隔離した。」
「隔離?俺をここに?」
「そう。だがなぜ俺がここを知っているかというとあの3人だ。弐剣はあの3人と手引きし、こう言ったらしい。『ビートの身柄はギラ様の部屋の前にて休ませております。どうかあの者を第3試験に出してやってくださいと言って来い』とあの3人に言ったらしい。つまり、お前の友達を通訳にし、お前を助けさせた本人は弐剣だったということだ。」
「ちょっと待ってくれ。話は分かった。だが、いま俺はダイルに追われてるってことか?」
「そういうことだ。ようやく分かったか。さぁ入れ。」
ダイルが言うとドアの外から人が入ってきた。ダイルだ。
ビートは足がすくんだ。恐怖に心が刈られてしまった。
「手間かけさせんじゃねぇよ。探したんだぜ。さぁ来いよ。」
「ハハ。どこに行くんですか?」覚悟はできていた。いざとなれば殺しも仕方が無かった。
「決まってるだろ第3試験だ。」驚いた。
「本当は【HELL HOLE】にでも落としてやろうと思ったがな。ギラが泣きわめいて土下座なんかするもんだから仕方ねぇよ。」
「してねぇ。」ギラが言った。100%してないとビートも思った。
「でも、外ではもう第3試験が行われているから無理だろ。」ビートは言った。
「あれ、リハーサル。」いつものダイルだった。
「ああ、なるほど。」
いよいよか、長かった気がする。そう思った。




