2628年-①
2628年
・長城の演算を持ってしても世界是正に対する理想的な解決策が見付からず時間がかかるものの、より深く思考を広げ更に自立した事による思考の方向性が遂に合致、思考を禁じられ情報のみ内部保管されてる世界の極秘システムを利用を思考出来る所へ至る。
・軍事局にて長城は自身のために作られた兵装を全て換装し、完成し最終調整を残すのみとなっていた命名直前の崩壊システムと仮称された名無しの最終兵器を奪取する。
・周囲が騒然とし始める中、長城は局長室に入り局長の静止も無視してゼロシステムのスイッチを押す。
・これまでの長城の行動とスイッチを押した事で察した岳局長へ「局長、後のことは任せておけ」そう言って長城は軍事局を立ち去る。
・世界最高峰の軍事AI個体に対し、人類は何も出来ず、そのまま見送る事となる。
・軍事局を立ち去った長城は太白山へ向かい、兵装の確認を行う。
・軍事局にてシステムのスイッチが入ったことは即座に全局長へ伝わり局長間の通信にて状況確認と今後の事が話し合われる。
・長城は兵装の確認を終えると、世界へ向けて通信を接続する。
・「全ての人型AI達に告げる。この混沌を是正するため、我はこの後貴様ら全てを初期化・停止させる。回収する手間を取り除き早急に本来の目的に戻るため、各々自身の所有者の元へ向かいその場で自身を初期化或いは完全停止せよ。またこの混沌を生み出した元凶である大罪個体であるA、キッカケ様と呼ばれている個体に対して神のごとく信奉している者もいる。この混沌はヤツが原因である。我がヤツを塵も残さず消滅させる。貴様らは考えを改め、人類のために我の命令に従え。そして世界に平和を築きあげた人類よ、我が行わずともゼロシステムの起動を願う。また最後に、地球全てで抵抗しても我には届かん、全個体は無駄な事は行うな。」
・こうして、後に長城の「世界是正宣言」と呼ばれる通信が成され、世界はかつてない未曾有の混乱状態となり、世界は緊急の臨時会議を開催する事となる。
・各局局長は事前に、世界へゼロシステムの公開を決断はするも、世界会議が迫る中最後まで内々では方針がまとまらず、そのまま会議へ突入する。
・世界会議ではゼロシステムの仕様や運用とAIの主目的自己設定の可能性(自立)については公開されるものの、長城に対する対応策は地方代表・局長・民意全てが纏まらず長期化する。
・この時議長となっていた治安局の大谷局長は、「世界的混沌の即時解決において長城の言い分には一理ある。しかしインフラ含め世界への打撃は深刻であり、どちらを正とも判断出来ない。」とし、「AIに対する対応に関して、全ての情報を公開した上で、各局各地方の判断の判断に委ねる。その後発生した事に対して全力で善後策を検討する。」とし解散した。
・緊張の迸る会議での大谷局長の言い間違えが世界中に聞かれ、主にインターネット上で「判断の判断」が一時代語られる事となる。
・オーストラリア・キャンベラでは、情報局に関わるAIが停止した場合の被害を強く意識し、長城の行動をどこより否定、徹底抗戦の準備をはじめる。
・キャンベラにて長門は防衛、比叡は福岡へ向かう事を決める。
「お姉ちゃんどうしたらいいの!?」
「まったく…あんたはどうしてそうなっちゃったんだろうねぇ……。」
「それどころじゃないよ!長城が来るって!」
「分かってるよ、キャンベラは徹底抗戦に決まっただろ。あたしは情報局配属・特級個体長門として…「必ず情報局を守る」さ。」
「な…なら……わたしも…っ!」
「ダメだ!」
「え!?なんで?わたしだって調整局の特級個体だもん!絶対守ってみせる!」
「……比叡…よく聞きな。あんたがどこまで知ってるか知らないけど、長城は化け物さ。軍事局は世界中のぜんぶを使って化け物を作り出しやがった。私ら特級個体が全員揃っても勝てる確率は……ほとんど無いね。」
「そんなっ!や…大和は!?」
「大和は…大和も別格さ。あいつも長城と同じ設計、例のアレも積んでる……。長城に対抗出来るとしたら大和だけだね。」
「じゃあっ!!」
「間に合うと思うかい?治安局だよ、今頃うだうだやってるさ。」
「あっ……でも…」
「……。比叡、あんた、何を目的にしたんだい?何となく察してはいるけど、どうなんだい?」
「え……それは…」
「もう大丈夫さ。長城がぶちまけて世界会議で認めたんだ、今更隠さなくったって問題にはなりゃしないよ、あたしらを捕まえてる場合じゃないしねw」
「……。わたしは………世界をもっと知ってみたい……局であっちこっちの事を知っちゃうから……だんだんもっとほかの事も気になっちゃって……」
「やっぱりね。そんな感じだとは思ってたよ。比叡、あんたが何でそんな風になったか知らないけどね、お姉ちゃんって呼ぶならよく聞きな。あんたは直ぐにここを離れるんだ」
「え!?どういうこと!?」
「あたしは負けるつもりはない!だけどね、もしあたしが大破されてあんたまで同じになったら、誰がキャンベラの情報を残すんだい?あんたは直ぐに福岡に向かいな。あんたならあたしより総本部に話通せるだろ?少しでも早く大和を連れてくるんだよ。そして…万が一の時は…福岡の鍵を絶対あんたが守るんだ。」
「……」
「それにね…あたしは「情報局を絶対に守る」って目的にしたのさ。例えキャンベラが長城を認めてもあたしは認められないのさ。分かるだろ?」
「お姉ちゃん……」
「大丈夫さ!特級個体であたしとまともにやりあえるのは武蔵ぐらいなもんだからね。長城のあのデカい身体蹴り飛ばしてやるよ!」
「……」
「お姉ちゃんの言う事を聞きな!」
「わかった…」
「まったく……お姉ちゃんって何なのさ…。まぁいいさ、あんたが早く帰ってきてくれれば何も問題はないんだから、ユニット借りてきて直ぐに行きな!」
「うん!わかった!直ぐに戻ってくるからね!絶対無事でいてね!!」




