ティラノサウルス症候群
孫が
縁日で買った
恐竜の風船を
引っ張り回して遊んでいる
「たっくん、何してるのかなぁ〜?」
「ティラノサウルスのおさんぽ〜」
孫がニコニコと笑いながら
こちらを見た
キュン
「ばぁばがちっちゃかったとき、
ティラノサウルスいた?」
って、私を何歳だと思ってるんじゃい
「う〜ん、いなかったかなぁ〜」
「そっか〜、おさんぽしたかったね〜」
お散歩?
ティラノサウルスのお散歩か・・・
大変そうだな
公園だと狭いかしら?
もっと広い所・・・海とか?
そろそろ昼時
私はお昼ごはんの支度をしていた
ゆで卵をチューリップの形にしてあげようかな
そういえば・・・
ティラノサウルスって何食べるのかしら?
肉食?草食?
どれぐらい食べるのかしら?
相当食べるわよね
食費が大変そう
お昼ごはんを食べて
孫はお昼寝
可愛らしい寝顔を見ながら
考える
ティラノサウルスってどうやって寝るのかしら?
立ったまま寝るの?
うーん、休んだ気にならないわね
じゃあ横になる?
猫みたいに丸まって寝るのかも・・・
もう、ティラノサウルスのことが
頭の中をグルグル、グルグル
孫がお昼寝から目覚めて
遊び始めた
「ばぁば、たっくん、おいちゃさん、きて、きて〜」
「はいはい、お医者さんねぇ〜」
孫は、おもちゃの聴診器を私の腕に当てて頷いている
そこは、胸とかおなかじゃないの?
「ちっくんしましょう〜」
孫が真剣な顔つきで
私の腕に、おもちゃの注射器をちゅーっとした
「ばぁば、なおった?」
「うん、治ったよ〜、たっくん先生、ありがとう〜」
「よかったぁ!」
孫がニパァっと笑って抱きついてきた
私は孫を抱っこして頬ずりをした
可愛い、可愛い、もう、本当に可愛いんだからっ
もはや、すっかり
ティラノサウルスのことは忘れていた
たっくん先生の注射が効いたかな?




