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八章 神軍組織員用墓地へ

同年、四月十二日。午前八時。

私はソラの付き添いで神護国中央にある神軍(しんぐん)組織員用墓地に行った。

ここにはソラの九世祖母、アリス・ド・マーカムの墓がある。

「こんな小さな四角い石ころがお墓か」

アイリアは横十五センチ、縦二十センチの四角い石が刺さった質素な墓群を見てそう言った。

「アリス様の要望だったみたいですよ。骨は捨てて構わないから私をこの国に留めさせてくれって」

バケツに水を入れるソラは笑みながらそう言った。

「へぇー」

「アリス様は私が七陽の勇者になったこと、喜びますかね?」

ソラは水を止めてそう言った。

「きっと喜ぶよ。やるなら死ぬまでやれって言われるだろうけど」

アイリアはソラを見て笑みながらそう言った。

「・・・」

ソラはアイリアを見て笑んだ。

アリスの墓は毎日手入れされているのかとても綺麗だ。

「綺麗だね。毎日手入れされてるみたい」

アイリアはアリスの墓を見てそう言った。

「四世祖母のマリス様から母、叔母様たちまで毎日墓参りに行っているみたいですからね。五世祖母のリリス様も足が悪くなるまでは行っていたみたいですし」

柄杓で墓に水をかけたソラは手で墓石を撫でるように軽く洗いながらそう言った。

「お前、なんだかんだ幸せ者だったな」

しゃがんだアイリアはアリスの墓を見て笑みながらそう言った。

「若い頃は大変だったと聞きますよ」

「月浜で疑似神姫やってた約一年のことでしょ?そりゃ忘れられない経験だろうね」

アイリアはアリスの墓を見て笑みながらそう言った。

「月浜から脱走した後のこいつはリアンロゼスティと並ぶミューテの愛弟子として愛されてて幸せそうだった・・・」

アイリアはそう言うと立ち上がった。

「若い頃はマジで嫉妬したよ。当時は色々と考えてたからさ~・・・」

アイリアは笑みながら懐かしそうに言った。

「七陽の勇者になる前ですか?」

ソラはアイリアを見てそう言った。

「なった後だよ。私の師匠はメチャクチャ厳しい人だったし、さっさと託して死んじゃったからさ・・・」

アイリアはソラを見て笑みながらそう言った。

「家族、姉妹みたいに過ごすあいつらを見てると吐きそうになった」

アイリアはアリスの墓を見て懐かしそうに言った。

「でも、こいつ愛されるために努力して真っすぐ頑張ってたからな・・・」

アイリアはアリスの墓を見て笑みながらそう言った。

「本当に・・・醜い嫉妬だったよ」

アイリアはそう言うとソラの隣に座った。

「みんなが通る道なんですかね」

柄杓で墓に水をかけたソラは手で墓石を軽く洗いながらそう言った。

「私の師匠やミューテ先生が誰かに嫉妬するなんて想像できないけどね」

アイリアはソラを見て笑みながらそう言った。

「アリス様、行って参ります」

ソラはアリスの墓に手を合わせてそう言った。

「必ず倒すよ。魔甘を、魔女を・・・」

アイリアはアリスの墓に手を合わせてそう言った。

北方剣士団は魅惑討伐のためついに国外へ出た

向かう先はレムフィト国が存在した大陸北部だ

次回

九章 リュスカ調査

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