三章 烏輪の勇者、世界教皇に会う
万象教北燦雪連エミルトン教会に到着した。
今日はラヴィ様が来ているようだ。
今日も私はラッキーだ!
「ふぁ~・・・」
ソラは書見台を見て幸せそうにため息をついた。
「・・・」
聖書を持ってラヴィ様が出てきた!
ラヴィ様は私の恩神様だ。
失語症を発症した私を救い出してくれた。
「万象教徒の皆様、おはようございます」
緋色眼、白髪ツインテール、世界教皇の正衣を着た乙女のような女性、華千﨑 華は信徒たちを見てそう言った。
「神々しいですね・・・」
北方剣士団の剣士はソラを見て笑みながら小声でそう言った。
「うん!!」
ソラは目を輝かせながら小声でそう言った。
金陽華の留め具がついた金色のマント、両陛下に認められた証である七つの勇印と六つの大権印のメダルがついた銀月華のベルト、どちらもラヴィ様はしかつけられない。
ラヴィ様は今日も美しい!!
祈りが終わると私はラヴィ様の元に駆け寄った。
「ラヴィ様!!」
ソラは華に飛びついた。
「あら、久しぶりね」
ソラを受け止めた華はソラを見て笑みながらそう言った。
「お久しぶりです!!今日は超ラッキーみたいです!」
ソラは華を見て目を輝かせながらそう言った。
「も、申し訳ございません・・・!」
北方剣士団の剣士は急いでソラを華から離しながらそう言った。
「良いのよ。十年来の付き合いだもの」
華は北方剣士団の剣士を見て笑みながらそう言った。
「毎日サボらず頑張ってる?」
華はソラを見て笑みながらそう言った。
「はい!四ヶ月前、初めて闇化生物を倒せたんです!!」
ソラは華を見て目を輝かせながらそう言った。
「そう。強くなったのね」
「超ラッキーだったんです!一匹だけだったし、傷ついた個体だったので!」
「闇化生物の討伐は運だけじゃできない。ちゃんとした実力よ。もっと誇りなさい」
「ありがとうございます!」
ソラは照れながらそう言った。
「ここに居たか」
アイリアはソラたちを見てそう言った。
「見回りはどうしたの?」
アイリアは蔑んだ目でソラを見てそう言った。
「えぇっと・・・教会の方々が困ってると思って!」
冷や汗をかいたソラはアイリアを見て笑みながらそう言った。
「そっか。それで、困ってた?」
「平和でした!」
「町の見回りに戻れ」
「はーい・・・」
ソラは北方剣士団の剣士たちと共に足早に去った。
「自己顕示欲が低すぎる。もっと褒めてあげなさい」
華はアイリアを見てそう言った。
「褒められるところはまだないよ」
アイリアは華を見てそう言った。
「このままだと死ぬわよ。あの子」
「・・・」
アイリアは華を見て少し動揺する。
「運の良し悪しが行動の基準になっているのだから、運が悪いと思ったら気持ちが沈んで実力が出せなくなる」
「・・・アドバイス感謝します」
アイリアは華を見てそう言った。
次回
四章 年に一度の完全休暇




