後日談 白神俗世に起きた異変と枯れた紫陽花
宴会と各地の祭が終わり落ち着いた頃、私は現地で観測を行ってくれた白翔から色々な話を聞いた。
「五月十六日午後四時十八分頃、旧レムフィトで異常が発生した。地面が白く染まると共にこのような文様が浮かび上がるという異変だ」
白翔は簡易的に書いた絵を見せながらそう言った。
「こんな文様は見たことがありませんね」
梨々香は白翔が描いた簡易的な絵を見てそう言った。
「ラーフィアが言っていた暗黒神、封じる者、又は、三真影がこの俗世に来た可能性を考えるべきだ」
「様々な可能性を考えながら行動していきましょう」
梨々香は白翔を見てそう言った。
「あぁ」
白翔は梨々香を見てそう言った。
「あと、これはテルメスから受け取ったハンカチだったものらしい。これを鼻に当てたら神気浸食症が治ったと話していた」
白翔はそう言いながら気気滅却瓶を机の上に乗せた。
「・・・これは驚きましたね・・・」
梨々香は気気滅却瓶を見て笑みながらそう言った。
「え?」
白翔は梨々香を見た。
「この神気の持ち主はどうやらグローニアよりも強い魔神らしい」
梨々香は白翔を見てそう言った。
「は?そんな魔神・・・居るはずがないだろう?」
白翔は梨々香を見て驚きながらそう言った。
その時、部屋の扉を開けて華が入ってきた。
「イクイノックスから資料を回収してきた」
華は梨々香を見てそう言うと、梨々香に資料を渡した。
「・・・やはり」
梨々香は資料を見て笑みながらそう言った。
「本当に白梅よりも強い魔神なんて居るのか??」
白翔が梨々香を見てそう言うと梨々香が白翔に資料を差し出した。
「・・・話していい?」
資料を見て酷く驚く白翔を見た華は梨々香を見てそう言った。
「はい」
梨々香は華を見て笑みながらそう言った。
「あの戦いの最中、俗世の神気が-域に急変した」
「宿幼決戦から死星決戦までの神気観測記録も確認したけれど、ここまでの急変はなかった」
華は過去の資料を見せながらそう言った。
「華、これに見覚えはありませんか?」
梨々香は気気滅却瓶を滑らせるように前に出しながらそう言った。
「・・・これ・・・どこで?」
華は気気滅却瓶の中に入っている枯れた紫陽花を見てそう言った。
「テルメスから受け取ったハンカチだったものらしいです。これを鼻に当てたら神気浸食症が治ったらしいですよ」
「・・・少し前から奴の気配を強く感じるようになった。奴を召喚した術者をこの俗世に呼び寄せるための神具なのかも」
華は梨々香を見てそう言った。
-東月の旧都-
「魅惑がやられたみたいだ・・・」
邪眼、白髪ショートヘア、黒い革製の鎧を着た男性、統制は瞼を開けてそう言った。
「剣王たちの動きが急に鈍ったのも気になる・・・」
統制は外を見てそう言うと振り向いた。
「なぁ、剣神様はどう思うよ」
統制は薄紅色髪ロングヘア、亡国の騎士服を着て黄金の鎧をつけた女性の後姿を見てそう言った。
「鳥肌が止まらない・・・この俗世にあってはならない気配を感じる・・・」
赤眼、薄紅色髪ロングヘア、亡国の騎士服を着て黄金の鎧をつけた女性、モニーク・セントリウス・ソードは鏡面の剣を見ながらそう言った。
END
最後まで読んでいただきありがとうございました
次回は華ノ話 第四話-東月に集いし勇者たち-です
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