二十四章 出現、神ノ雫
振り下ろされた最上大業物日炎は魅惑の頭を縦真っ二つに斬る。
「ヌィイイイアァァァァ!!!!」
その瞬間、魅惑が目を見開いて叫んだ。
「私が!私が負けるはずない!!」
頭から首、首から胴へと切り裂かれる魅惑は蒸発する蜜を見て大声でそう言った。
その時、神気空間の収縮が止まって神気空間が液状闇に変化した。
轟音と共に焼け焦げて融解した瓦礫が浮かび上がる。
魔甘から凄まじい神気が溢れてる。日炎が凄まじい力で押し返される。
「力が・・・力が溢れてくる・・・」
魅惑は笑いながらそう言うと大笑いし始めた。
「・・・」
滑りながら止まったアイリアは魅惑を見てそう言った。
「これか!!これが進化か!!!!」
魅惑が大笑いしながらそう言った瞬間、何かが割れるような音がして魅惑が苦しみ始めた。
「く・・・る・・・し・・・いぃぃぃぃ!!!!」
もがきながらそう叫ぶ魅惑は液状闇に変化して浮かび上がり、闇が夜空のように輝いた。
夜空のように鈍く輝く闇は凍りつくように神気結晶に包まれていく。
「・・・これが臨界・・・神ノ雫か・・・」
最上大業物日炎を握ったアイリアは超巨大な神気結晶、神ノ雫を見てそう言った。
その時、神ノ雫の一部を突き破って縦向きに口があり、目が五つにある八本足の巨大な化け物が現れた。
「醜いな・・・魔甘」
最上大業物日炎を握ったアイリアは神ノ雫を見て憐れむようにそう言うと、最上大業物日炎を下段で構えた。
「ギュュュュペェェェェ」
奇妙な音を発する神ノ雫の首がガクンと下がり、アイリアに向いた縦向きの口が開いた。
「天道!!」
最上大業物日炎を握り込んだアイリアはそう言うと陽力を放ち始めた。
神ノ雫の縦向きの口が光を放ち始める。
「日炎!!」
最上大業物日炎を握り込んだアイリアは目を見開き、力強くそう言った。
接近したアイリアと神ノ雫が睨み合う。
次の瞬間、アイリアが放った剣技と神ノ雫が放った光線が激突した。
宙に浮かんだ瓦礫が吹き飛び、乱れた空間がさらに乱れる。
次の瞬間、大爆発が発生して乱れた空間にある全ての建物が消し飛んだ。
「・・・」
最上大業物日炎を握ったアイリアは着地して滑りながら止まった。
「シネネェ!シネネェンダヨ!!」
神ノ雫はそう言うと、大量の神気弾を生成した。
「すごい神気量だ・・・」
最上大業物日炎を握ったアイリアはそう言うと飛んでくる神気弾に突きを放った。
細い針のような神気弾は日炎の刃をカリカリと削り、鍔を撃ち抜き、肩をかすめて地面に当たった。
かなりの威力があることは覚悟していたが、まさか日炎の一番堅い部分を撃ち抜いてくるなんて・・・
「・・・」
最上大業物日炎の鍔を見て冷や汗をかいたアイリアは神気弾を慎重に回避していく。
「シネ!シネ!!シネェェェェ!!!!」
神ノ雫が再び大量の神気弾を放とうとしたその瞬間、全ての神気弾が消滅して神ノ雫の口から黒い羽毛が飛び散り始めた。
対魅惑戦、決着
次回
二十五章 天現せし烏輪




