十章 ヘルベルタ級衛星戦姫の一撃
同年、四月十三日。午前八時七分。
私たち北方剣士団はリュスカの調査を行いながら大陸北部レムフィトエリアに向かって進み始めた。
リュスカ荒野は闇化生物の痕跡だらけ。
しかし、闇化生物の姿は近くにない。
引き続き調査を行っていたその時、私たちは闇化生物の群れを発見した。
数は百五十前後、形状は鳥。
真っ向勝負は確実に避けていきたい。
「どうしますか?」
北方剣士団の剣士2は観測鏡で遥か遠くに居る大量の闇化生物を見てそう言った。
「体力は温存しておきたいね」
アイリアは観測車両を見てそう言った。
「銃座で攻撃しますか?」
ソラは前を見たままそう言った。
「いや、航空支援を待つ」
師匠がそう言ったその時、携帯端末の電源が入った。
「こちらヘルベルタ、航空支援を行えます」
ヘルベルタ級衛星戦姫はエネルギー砲を稼働させる。
「ラッキーですね!」
ソラは笑みながらそう言った。
「総員、イヤーマフを装着して。航空支援を要請する」
アイリアはそう言いながらイヤーマフをつけた。
私たちもイヤーマフをつけた。
「・・・」
アイリアは携帯端末を操作して位置を指定した。
「支援要請を確認。ヘルベルタ級F-Kt.10エネルギー砲の操作を開始します」
G-vanzenaの声と共にヘルベルタ級衛星戦姫のエネルギー砲がレーザーポインターを放った。
「キュブブ・・・」
闇化生物たちは降り注ぐ光を見つめる。
「ファイアー」
G-vanzenaの声と共にヘルベルタ級衛星戦姫のエネルギー砲がエネルギー弾を放った。
エネルギーの曳光が消え、遠ざかるエネルギー弾が煌く星に見える。
その煌く星が消えた瞬間、見る見るうちに広がる衝撃波が見えた。
「やっばぁ~!!」
ソラは空高く昇る土煙を見て笑いながらそう言った。
「これが戦姫の攻撃かよ・・・」
北方剣士団の剣士1は土煙を見てドン引きしながらそう言った。
「闇化生物の一掃を確認」
土煙が消えると、私たちは前に進んだ。
大陸北部に向かって進み続ける北方剣士団
リュスカを抜けようとする北方剣士団を魔塊眷属が阻む
次回
十一章 北方剣士団対魅惑魔塊第七番眷属