戦場の紅蓮姫

かつて壊滅し、封印された「第三部隊」。
その名に再び火を灯したのは、名もなき少女だった。

戦火に揺れるアルテシア王国。
リリアナは囚われた村人を救うため、自ら志願して戦場に立つ。
その手に握るのは、剣と、炎の魔法と――命を守る覚悟。

王命により、彼女の隊に「第三部隊」の名が与えられると、貴族たちは激しく反発。
だがリリアナは、子どもの姿で戦う異才の部隊や、傷だらけの仲間たちと共に前線を駆け抜ける。

命令に背けば処刑する、卑劣な敵指揮官。
民は連れ去られ、仲間は命を賭して戦う。
そんな中でも、彼女は「見捨てない」ことを選ぶ。

やがて人々は、彼女をこう呼ぶようになる。
――“紅蓮姫”。

だがそれは、まだ物語の始まりに過ぎない。
貴族の策謀、敵国の猛将、揺らぐ正義と仲間の信念。
少女が選ぶのは、国家の英雄か、それとも――。

炎が導く戦場で、命の価値を問う壮大な戦記が、今、動き始める。