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星々に響く光の物語

虚無の叫びが消え去った後、世界は再び静けさを取り戻していた。セリアは、空に広がる星々を見上げていた。輝きを失っていた星々が、まるで再生したかのように光を取り戻している。その光は、どこか懐かしく、彼女の心を温めるものであった。


「カイ…」


彼の名前を口にするたび、胸の中が締め付けられる。それでもセリアは、カイとの約束を思い出しながら、もう一度強く心を奮い立たせた。彼の犠牲によって、この世界は救われた。カイの光が、命を賭けて守ってくれた未来がここにある。


セリアは手を胸に当て、穏やかな風を感じながら、彼との数々の戦いを思い出していた。厄災を一つ一つ乗り越え、彼と共に歩んできた道。その全てが彼女の中に刻み込まれている。そして今、その道を彼女一人で歩まなければならない。


「でも、あなたはここにいる…私の中で、ずっと」


セリアは空を見上げたまま、微笑んだ。星々の一つ一つに、カイの光が映し出されているように感じた。彼がいたこと、その存在が永遠にこの世界に刻まれたことが、星々の輝きに反映されていた。


「あなたが私に教えてくれた光、それを私は決して失わない。あなたが守ってくれたこの世界を、私が守り続ける」


セリアは力強く前を向き、歩き始めた。厳しい戦いを乗り越えた今、彼女には新たな使命があった。それは、カイが命を懸けて残した光を未来に伝えること。彼女が光を持ち続ける限り、この世界は闇に飲み込まれることはない。


世界はまだ完全に平和を取り戻してはいない。厄災が去った後にも、傷ついた大地や人々が残っている。それでも、セリアはその光を導く者として歩みを止めない。彼女は、カイが最後に託した「未来」を背負い、その希望を守り続ける決意を固めていた。


遠く、星が瞬き、夜空は静かに広がっていく。カイの光がどこかで微笑んでいるかのような、温かい光だった。


そして、時間が経ち、セリアは王国を巡りながら、カイの名を知らぬ者がいない世界を築き上げた。彼の英雄譚は星々と共に語り継がれ、未来永劫、輝き続ける。彼がいなくなったことは決して忘れることはできない。しかし、彼の光がこの世界を照らし続ける限り、セリアは一人ではない。


カイが遺したもの。それは、闇に打ち勝った希望の光。その光を胸に抱きながら、セリアはこれからも歩み続けていく。


彼の光が照らす未来へ――。

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