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終焉の星と八つの厄災  作者: 或真怜央-ARUMA LEO-
第三章:無限の夜の下で
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光と闇の激突

闇の巨影が再び襲いかかるその瞬間、セリアは心の中で光を信じ、決意を固めた。彼女はカイの隣に立ち、彼と共にこの無限の闇に立ち向かう覚悟を抱いていた。


「カイ、準備はいいわ」

セリアはその言葉とともに、両手を前に掲げ、内なる力を引き出すように集中した。彼女の胸の中で小さな光が静かに輝き始め、まるで闇に対抗するために応えるかのように力が広がっていった。


カイは軽く頷き、「行くぞ、セリア。今度は俺たちの光を合わせて、奴に最後の一撃を食らわせるんだ」


闇の巨影が巨大な腕を再び振り下ろそうとするその瞬間、カイとセリアの体から光が爆発的に放たれた。その光は暗闇を裂き、周囲を一瞬で照らし出した。カイの放つ力は、まるで彼の命そのものを削り出すかのように強大で、セリアの光と共鳴しながら闇の巨影を押し返していく。


「ラスト・ジャッジメント!」

カイの叫びが響き渡り、彼の体から放たれた力が闇の巨影の中心に突き刺さった。闇が一瞬崩れ、巨影の動きが鈍くなる。その隙を逃さず、セリアは自分の光をさらに強めた。


「カイ、今よ!私たちの光で、この闇を消し去るわ!」

セリアは声を張り上げ、両手から放たれる光をさらに強くした。


「その意気だ!」

カイも力を込めて答えた。二人の放つ光が重なり、まるで嵐のように闇を飲み込んでいく。闇はその光に抗いながらも、次第に形を失い、再生することができなくなっていった。


闇の巨影が再び咆哮を上げ、その体が揺れ始めた。まるでその存在が崩れ落ちていくかのように、黒い霧が周囲に散り、影が消えていく。その力が弱まると同時に、暗黒の空が少しずつ明るくなり始めた。


「やった…!闇が消えていく…!」

セリアは信じられない思いでその光景を見つめた。永遠に続くかと思われた無限の夜が、少しずつ明け始めている。彼女の胸には確かな希望が灯り、再び世界に光が戻ってくる感覚を味わっていた。


しかし、彼女がその希望に浸る間もなく、カイが膝をついて倒れ込んだ。


「カイ…!」

セリアは慌てて彼に駆け寄り、その体を支えた。彼の顔は疲れ切っており、目を閉じたまま息を荒げていた。


「大丈夫だ…セリア。俺はまだ…やれる」

カイは弱々しく笑みを浮かべたが、その声にはいつもの飄々とした余裕はなかった。「これで…残りはあと3回だ」


「そんな…カイ…!」

セリアは涙を浮かべながら彼を見つめた。「どうして…どうして無理をするの?あなたの命が削られているのに…」


「無理はしてないさ。お前が無事なら、それでいい」

カイは軽く肩をすくめ、力を振り絞って立ち上がろうとした。「俺はまだ…残ってるんだ。次の厄災に備えないとな」


セリアは彼の言葉に心を締め付けられながらも、何も言えなかった。カイの決意は彼女以上に固く、彼がこの世界を救うために全てを懸けていることを理解していた。しかし、彼の命が次第に削られていく現実が、彼女の心に重くのしかかっていた。


「でも、次の厄災が来たら…」

セリアは小さな声で呟いた。


カイは疲れた表情を見せながらも、再び飄々とした笑みを浮かべた。「心配すんな。俺はまだ死なないさ。厄災を全部倒すまではな」


その言葉に、セリアは何とか微笑もうとしたが、涙がこぼれ落ちた。彼がどれだけ強がっていても、彼の命が限られていることは彼女には痛いほど理解できた。


「カイ…あなたがいなくなったら…」

セリアは泣きながら呟いたが、カイはそっと彼女の肩を抱き寄せた。


「俺がいなくなったって、世界は続くさ。お前がいれば、きっと大丈夫だ」

カイは静かに言った。「俺のことは気にするな。お前が信じる光を守り続けろ。それが、お前にできることだ」


セリアは涙をぬぐい、彼の言葉に頷いた。彼がどれだけ自分を支えてくれているか、そしてどれだけ自分の未来を託してくれているかがわかっていた。だからこそ、彼女は絶対に負けるわけにはいかなかった。


「わかったわ、カイ」

セリアは強い決意を持って言った。「私が、あなたの分もこの世界を守る…!」


カイは笑みを浮かべ、再び立ち上がった。「よし、そろそろ次の厄災に向けて動き出そうか」


無限の夜が明けた空には、再び星々の光が戻り始めていた。しかし、その光はかつてのような強さではなく、まだ頼りない。次の厄災がすぐそこに迫っていることを二人は知っていた。


これからの戦いが、より一層困難であることを。


二人は再び歩き出した。光と闇の激突

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