Ⅰ【ⅷ】ああああ俺1人で不良についていくんじゃなかった…せめて誰かと…(さめざめ)
お久しぶりです!(?)飽き性。です!久しぶりに4000字キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
テスト1週間前なので、これからの更新が不定期になるかもです(_ _;)
前回のあらすじ( 'ω'o[ ルームメンバーとご対面、直後始まった枕投げ大会!! ]o
それでは〜!いってらっしゃい!✨
「…ぅ、ん…。」
柔らかいベッドの上で、ふと目を覚ました。
窓からカーテン越しに、柔らかい朝日が差し込んできている。
今日はネオノスタルジー学園の初の授業の日。朝寝坊しないか心配だったけど大丈夫そう。
ああえっと、そういえば昨日俺どうしたんだっけ。枕投げで、それで…。
「起きたの?おはよ〜。」
考え込んでいると。
向かいのベッドの下の段で、既に起きていたアイクが声をかけてくれた。
昨日の悪魔のような雰囲気はなく、優しそうな雰囲気を纏わせて。
とてつもなく嫌な予感を感じながら昨晩の記憶を手繰り寄せている俺に、上の方から不意に枕が飛んできた。そのカバーには綺麗な薔薇の花や蔓が巻き付いていて、当たったらもちろん痛いです。
ほとんど一晩中枕投げしてたから流石に動体視力が鍛えられ、飛んできた枕を何とかキャッチすることに成功。
「おっナイスキャッチ〜!!」
飛ばした犯人は、癖っ毛にさらに寝癖がついて髪の毛が大暴れしているリアン。
流石だね、朝からとてつもなく元気でいらっしゃる。目覚めがいい通り越して、徹夜でエナドリ飲み潰したレベルじゃんこれもう。
俺が枕を投げ返すと、頭のすぐ上から小さな声が降ってきた。
「…昨日なら、ルーカスは動き疲れて寝落ちしちゃったよ。それで枕投げ大会はおしまい。」
え”っ動き疲れて寝落ちしたの俺!?脆弱すぎない!?
レイラさん、俺一週間鍛えただけじゃあ無理でした。
さめざめと泣いていると、いつの間にか着替えていたのか、アイクが立ち上がって背伸びをする。
「さあってっと。食堂行こっか。皆いそいでー。」
「えぇん待って早すぎない!?5分待って5分!!!!」
「…リアンが遅いだけでしょ。」
「違うし!!ルカもまだ着替えてないし!!俺ボッチじゃないし!!」
「んふふ〜w………五十歩百歩、はよしな。」
「ひぇえぇぇぇええ!!!!!」
…朝から騒がしすぎないこの部屋??
ぱぱっと着替え終わって皆の方を振り返ると、まだリアンは布団の上でドッタンバッタン元気に暴れ回っていました。いや暴れすぎ。
「えと、リアン。俺、着替え終わった、よ?」
何て声をかけたら分からなくて、たどたどしくなっちゃったけど一応。
そう言った直後、窓も開けてないのに、俺のすぐ横で爽やかな風が通り抜けていった。
驚いて振り返ると、そこにはもう着替え終わったリアンの姿が。
なお、寝癖はそのままです。
「――ルカ、俺は3時間前に着替え終わってたよ。」
大嘘が過ぎるぅぅぅ…。
あ、さわやかーな風の正体はリアンだったんだね納得したや。
「……寝癖…。」
未だキラキラオーラを出しているリアンをガン無視して、アイクとノア君は揃って扉を開けた。
俺の小さなつぶやきは、どうやらリアンのキラキラに消されてしまったらしい。
無念。
「さ、ルカ行こっか。」
「え?あ、うん。」
「待って無視しないで!?俺みたいなタイプはスルーされるのがいっちゃんキツイの!!!」
リアンはそう叫びながら秒速で寝癖を直し、俺等のところに駆け寄ってくる。早く出来るじゃん!!最初からそうすれば良かったのでは!?
会話を交わしていくうちに、段々皆の人物像が分かってきた。すんごい偏見もあると思うけど…。
アイク⇒優しいお兄さん、時々サイコパス。
リアン⇒うるさいぐらいに元気、根は善良。
ノア君⇒普段は静か、稀に悪ノリする。
皆が俺をどう思ってるかはさておき、んーカオスだね。
食堂に続く道をわいわいと歩いていると、ふと先頭を歩いていたアイクがこちらを振り返った。
「そういや聞いてなかったんだけどさ、ルカって何属性?」
あ”っそういや属性のこと誰にも言ってないわ。レイラさんしか聞いてこなかったからその事すら忘れてた。
ここで闇属性って言ったら怖がられるかなーでも他の属性って言ってもいずれ授業でバレちゃうしなーどうしよ。
迷いに迷っていた、その時だった。
「…ルカは闇属性。その気になれば、翼竜だってちょちょいのちょいだよ。」
隣を歩いていたノア君から爆弾発言が投下。まさかの言葉に思わず俺は何もないところで躓いてしまった。
「………へっ?ちょまって、そんn」
「闇属性なの!!めずらしー!!!翼竜をちょちょいのちょいってすげーなルカ!!」
「えだからそんなんじゃ、」
訂正しようとしても、俺の声が目を輝かせたリアンの大声に勝てるはずもなく。
ぜっっっっっったい勘違いされる…。そんな強くないって!!
レイラさんと慣れのためにした属性のお手合わせの時はボコボコにされてたし。翼竜なんて対面したら、絶対秒で俺消し炭にされちゃう。
「へ〜目が赤いから炎属性だと思ってたや。意外〜。」
「あ、よく言われる…。」
どことなく落ち着いた反応を見せるアイク。
取り敢えず、リアンにもアイクにも怖がられなかったからよかった、のかな…?
屋敷の大人の怖がりようを今まで見てきたから、2人の反応は何だか新鮮だった。
「ノアだけ知ってたのずるいってー!」
「ね〜俺らにも教えてくれたら良いのに。」
「……ふへ、いいでしょ。」
いや違うから!!俺レイラさん以外誰にも属性の話ししてないから!!
”魅惑の瞳”の時といい何でかバレてるだけだから!!
…とは言えず。
おとなしーく曖昧な笑みを顔に浮かべて食堂に一歩踏み入る。
その、次の瞬間。
騒がしかった食堂が、一瞬にして静かになった。
そして、生徒も、召使いらしき人も、料理人も、全員が食堂の入口を見た。
無言の圧が、俺らに注がれる。
「ちょっと待って、これどういう状況?」
あまりの不自然さに、先導してくれていたアイクが小声でそう呟きながら顔をしかめる。
心当たりのない俺は、首をこてんと傾けた。
「…どしたんだろ。」
「ん〜…リアン何かやらかした?」
「おいアイク!俺じゃねーし!!」
「…。」
リアンをからかうアイク、からかわれて怒るリアン、無言のノア君。
食堂全体が妙な空気に包まれた状態が、数秒間続く。
…直後。
「ルーカス!お前大丈夫だったか!?」
「怪我してない!?保健室行った!?」
「あの不良に絡まれた生徒が翌日に食堂に来てる…えっっっっっっぐ。」
「無傷なの強すぎ!?!??!」
大歓声とともに人混みがこっちに殺到してきました。
え何?!俺何かやらかした?!
焦って辺りを見回した時に、視界の端で見知った顔ぶれを見つけてぎこちなくそちらに向き直る。
「……あ、レイラ、さん…。」
金髪碧眼でかなり目立つ容姿をしているレイラさんはすぐに見つかった。
目が合った拍子に思いっきりため息を付かれて悲しくなる。酷いや。
彼女はひょいと人混みを飛び越え、あろうことか天井のシャンデリアの上に腰掛けた。
「え!?レイラさん危な…。」
「あーもう何初日からやらかしちゃってんのルカ。騒がしいったらありゃしない。」
騒がれる心当たりがないといえば嘘になる。さっきの誰かの声を聞くに、俺が不良について行って生還したのが珍しかったんだろう。
けど俺は!意図的にやっていないし!やらかしてもない………はずです!!
「危ないから取り敢えず降りて!?」
「…アンタの頭の上に?」
「それは駄目!!」
言い合いをしている間にも俺は人混みに押されていき。
ついには壁際に追い詰められ、いつの間にかアイク達の姿も見えなくなっていた。
「どーやってあの不良に1人で勝ったの!?」
「噂によるとさ、友達を助けるために1人で不良と戦った挙げ句。最後はその友達をサポートして不良を打ち倒し、なんと無傷で修羅場を潜り抜けたらしいよ。」
「んで?!不良はどうなったの!?」
「そりゃ…絶対、圧倒的にフルボッコで血祭りにしたに決まってるじゃん!!」
「「「圧倒的にフルボッコで血祭り!!!」」」
いや噂が独り歩きしすぎなんですが!?何圧倒的にフルボッコで血祭りって!?
第一、俺が1人で不良に仕方なーくついて行ったのは勇敢なわけじゃなくて頼れる人がいなかったわけで。
んで、途中からはノア君の手厚いサポートもあったし。
そんな俺を世紀の大英雄みたいに脚色しないで!!!編入早々”なんか強くてやばいやつ”っていう偏見を持たれては困る!!!俺は学園生活を平凡に生きたいの!!!
「…ルカには無理な話だね。」
ああああ俺1人で不良についていくんじゃなかった…せめて誰かと…。
さめざめと心の中で泣いていると、上からからかうような口調でそう言われた。
レイラさん内心読まないで!?前もあったよねこんなの。どうしてこの人はこんな素晴らしいタイミングで内心を読んでくるんだろう。何かもうさっきから既視感しかないんだけど。
質問攻めにされて目を回すかわいそーな俺を見下ろしながら、レイラさんは悪魔のような笑みを浮かべ。
「因みに、今からもっと面白いことが起こるよ。」
「…………え?」
レイラさんがこの笑顔を見せる時は、決まって悪巧みを考えてる。それは、ここ1週間の付き合いで、レイラさんについて分かったことのうちの1つだった。
思わず身構えた、その時。
大きな音を立てて、扉が外側から開かれた。
廊下から姿を現せたのは、俺より1,2歳年上ぐらいに見える女性。生徒用の制服じゃなくて、教員用の制服を着てるから学校関係者なんだろうけど…ちょっと若すぎない?だって下手したらまだ学生の域だよ??
銀色から淡い青色にグラデーションがかった、波打つ長い髪を高めの位置でツインテールに束ね、細身で高身長。急いで走ってきたのかな、息が切れてるみたい。
ただ、その目は白い包帯が巻きつけられていた。怪我でもしてるのかな。
誰だろうと思って俺がこてんと首を傾げていると、目と鼻の距離にいた生徒(近い)が小声で教えてくれた。
「あの人は、エヴァ・カメーリア16歳。全盲らしいんだけどこの学校の特待生で、今は監督生兼警備をやってる。」
「…全盲?監督生?」
「何でも飛び級なんだって。体術が強すぎて、誰も”祝福”使ってるとこ見たことないから何属性か分かんないけどね。誰も目の色見たことないし。」
全盲なのにどうやって今まで生活できたの!?筆記試験は!?全部実技でどうにかしたってこと!?
それでも飛び級かぁ…。凄いなあ。それだけ沢山努力したってことだ。
素直に感心していると。
女性は俺と俺に押し寄せる生徒達の方を向いて、顔をしかめながら、騒ぎに夢中になっている人達に――時計を見る余裕がなかった人達に、衝撃の一言を告げた。
「…始業のチャイムまで、残り5分ですけど。」
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
良ければ…!モチベになりますので、ブクマ感想等いただけたら嬉しいです!!✨
次回もお楽しみに〜!!
_人人人人人人人人人人人人人人_
> 次回予告【6/8~9更新予定】 <
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( 'ω'o[ 何とか野次馬から抜け出せたルーカス達!記念すべき1時間目はいきなり実践!? ]o