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Ⅰ【ⅶ】この枕投げ大会、ただの”祝福”の無駄遣いですわ。

こんにちは飽き性です!今日は休みで用事もなかったのでバリバリ書けました!!

さてルーカスのルームメイトはどんな子達なのでしょうか!!


それでは〜!行ってらっしゃい✨

「508…508…あった、ここだ。」



ノア君の道案内を受けて、寝ているディランを背負いながら寮の部屋を目指し歩くこと数十分。

俺はやっと508の文字のプレートを見つけて一息ついた。

遠いったりゃありゃしない。



「すみませーん、誰かいますかー?」



ノックをしながら部屋の中に声を掛ける。

すぐに中から小さく返事の声が聞こえ、少しして扉が控えめに開いた。


金色の目をした、小柄な少年。一瞬年下かと思ったけど、ディランと同室ってことは同い年なんだよね。



「えっと、どちら様でしょう…?」

「俺、今学期からここに編入してきたルーカス・ベネットって言います!ディランが講義の途中に疲れて寝ちゃって…。」

「あっディラン君…!」



小柄な少年は、俺から慌てた様子でディランを受け取る。

とてとてと可愛らしい効果音が付きそうな足取りでディランをベッドに寝かした後、こっちに戻って来て深々と頭を下げた。



「ディラン君を連れてきてくれて、ありがとうございます。えっと私、テオ・エドワードと言います。…よろしくお願いしますっ、」



テオ君はそう言いながらぺこっとお辞儀してくれる。

何か、凄く………可愛い!んー年下の弟を愛でてる気分!!失礼だから口には出さないけどね!?


目が綺麗な金色だから、雷属性なのかな。

ばちばちばちってやってるとこ全然イメージつかないや。



「こちらこそよろしくお願いします!じゃあ俺、寮に戻るね。隣の部屋にいるから何かあったらいつでも声かけて。」

「あっありがとうございます。」



テオ君可愛い…ファンクラブありそう(?)

笑顔で手を振って扉を閉めると、なーぜか半眼のノア君と目があった。

え、既視感。いやあの時のレイラさんは頭を抱えてたけど、同じようなもんっしょ。



「ど、どしたの?」

「……………………いや何でも。」



ノア君はそう言うと、509号室の扉を開ける。

実質、俺はクラスメイトとは初対面なわけで。因みに今めっちゃ緊張してます。喉カラッカラです。



「ただいま。…編入生連れてきたよ。」



先に部屋に踏み入り、扉を押さえるノア君。優しい。

恐る恐る中に入ると、2人の男子生徒と目があった。

1人は、緑色の長い癖っ毛を3つにまとめた、多分土属性の子。もう1人は、藍色の髪の…何属性だろこれ。


あ、自己紹介。多分クラスメイトもいると思うけど一応しとかないと。



「えっと今学期から編入してきたルーカス・ベネットです。よろしくお願いします。」



笑顔で言い終える。すると、緑髪の子が勢いよろしく手を上げた。

えっ質問タイムじゃないよね!?流石にね!?!?


朝不良に絡まれた悪夢を思い出して焦る俺とは裏腹に、その子は人懐っこい笑顔をみせた。



「ルカね、よろー!俺はオフィリアン・リヴィエール、長いからリアンでいいよ。君付けなし!えっとね〜土属性!皆じこしょーかいしろよ〜!!」



あ、大丈夫だった。質問タイムじゃなかった。向こうから自己紹介してくれるのはありがたい。

快活そうに歯を見せてよく笑う、明るくて元気な子。リアンk…ん”ん”っ、リアンって言ったっけ。やっぱ土属性か。



「リアンテンション高すぎ〜w…俺はアイザック・ケリー。皆からはアイクって呼ばれてる。俺も君付けなしで。一応空間属性だよ。」



君付けなし要望多いな!?えーっとアイクね、覚えた。空間属性って言ったら光属性の次に使用者が少ないんじゃ…。すご。

空間属性の人は目が紫色なんだ。一瞬闇属性かと思ったや。


ふむふむと俺が頷いていると、後ろから唐突に、少し拗ねたような小さな声が降ってきた。



「ノア・クラーク。光属性。………国内トップの魔力値持ってる。」



ノア君はもう知ってるよ!?光属性だよね。国内トップの魔力値…。

………へっ?



「んふふwノア君自分で言っちゃうんだ?」

「ガチでこいつやばいよ!?毎学期の最初、うちの学校では魔力値測定があるんだけどさ。…ノア最後に測った時なんぼっつったっけ?」

「…200。」


にににににっにひゃく!?えっ!?!?!?!?

成長期だしまだまだこれから増えるよね。こっっっっっっわ。


魔力値って50で一般人(学生平均は55)、80で中等祝福者、100で高等祝福者。


中等祝福者ってのは…分かりやすく言うと、ネオノスタルジー学園の先生とか国の役人ぐらい。高等祝福者はね、この国の護衛を務める祝福騎士団の人達のことで、要するにめっちゃ強い人。


それにしても魔力値200とは何事よ。

この国の歴史の中でも1,2位を争う数値なんじゃ…。


驚き慌てていた俺は、()()()()()を覚えた。


魔力値。

光属性。

クラーク家。

双子。


唐突に頭の中に浮かんできた単語に、思わず顔をしかめる。


何だ?何が引っかかってる?

ノア君とわいわいしている2人をよそに、思考を頭の中に張り巡らせた。



『大丈夫?上から落ちてたけど…。』

『質問です!ルカの好きな食べ物はなんですか!!』



違う。これじゃない。

もっと昔。まだミラと会ってない、俺がグラース家に引き取られる前。

ちょうど孤児院時代辺り。


どれだ?絶対頭の中に何かが引っかかってるのに中々見つからない。

ディランの時と言い、俺の記憶力ってもうおじいちゃんなのかも。

悩みに悩んで、頭が痛くなり始めた時だった。



『クラーク家の双子の妹さん、”全知”持ちだって。』

『知ってる知ってる。でも片目だけでしょ?』

『でもね、生まれた時は両目ともだったらしいよ。』

『どのみち魔力値30はねぇ…。伸びないでしょこれは。双子のお兄さんの方が魔力値最近増えたんだったっけ。』



「………あ。」



孤児院で聞いた、噂話。

クラーク家についてはよく話題に上がっていたけど、何故かこれは印象深くてよく覚えてた。


”全知”。

それは、現在過去未来を見透す事のできる、光属性の瞳に宿る力。

1000年に1人と言われる伝説の”祝福(ブレッシング)”。

勿論光属性の全員が全員持ってるわけじゃないし、事例は過去に1つだけしかないらしい。


…そういえば、あの時。



『俺ミラ・クラークって言います!よろしくねっ!』



そう言いながら輝くような笑顔を魅せてくれたミラの右目には、はっきりと。

輝く銀色の星が浮かび上がっていた。


初めて会った時も、自己紹介の時も。あの時は綺麗だなあと思っただけで流してしまったけど、ちゃんと見ておけばよかった。気にかけておけば、早くに気付けたかもしれない。


ミラが、片割れ星の、片目だけ全知ということに。

まあ気付いたところで、俺にはどうすることも出来ないんだけどね。


真剣に考え込んでいると、急に正面から柔らかいものが飛んできて、華麗に俺の顔面に激突した。



「ぶわっ!?」



衝撃で思わず後ろにたたらを踏む。

いや何何何!?何急に!?怖いんですけど!!!


涙目になって飛んできた方向――2段ベッドの上を見遣ると、意地悪そうに笑うノア君の姿が。



「…毎晩恒例、枕投げ大会。」



初耳何ですがぁ!?!?!?

慌てて両サイドの二段ベッドに視線を向ける。そこには既に枕を構えているリアンとアイク。


ミラについて深く考えていた俺の頭は、一気に目の前の現実にシフトする。



「ルカごめんね?死んでも恨まないでよ。」

「枕投げで死ぬって何事!!死んだら普通に呪うけど!?!?」

「くらえー!!」

「ちょっ、まっ!?」



かくして地獄の撃ち合い(枕投げ大会)が始まりました。

普通の枕投げ大会なら別に良いのよ。ふっつーのね。でも違うでしょ知ってる。


リアンが投げる枕は薔薇が巻き付いてて、棘が小さいから刺さることはないけど当たったら痛いし。

アイクが投げる枕はこっちから投げたと思っても空間転移で、死角から飛んできて直撃するし。

ノア君に反撃しようとしても、光属性の結界で弾かれるし。



…この枕投げ大会、ただの”祝福”の無駄遣いですわ。

最後まで読んでいただきありがとうございました〜!

モチベになるので良ければブクマ感想等いただけたら嬉しいです…!!✨

次回もお楽しみに〜!!


_人人人人人人人人人人人人人人_

> 次回予告【6/7更新予定】 <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

( 'ω'o[ とうとう始まる学園での授業!しかし授業の以前に問題勃発!? ]o

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