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Ⅰ【ⅴ】こういう時、自分で追い払わないと本質的には何も解決しない。

お久しぶりでう!飽き性。です!!遅れてごめんなさい!!

学業が忙しすぎて、ちょっと投稿が不安定になるかもですぅぅぅ( ;∀;)

ちょっと痛々しいシーンがありますので苦手な方は速読でお願いしますm(_ _)m


それでは〜!いってらっしゃい!✨

ヤンチャさんに着いて行けば行くほど、どんどん辺りは暗くなってきた。

いや何処に連れて行かれてるの!?


細い道を通っては使われていなさそーな廊下を歩きつつ、やっと着いたのは大きな扉の前。

扉には特に何も彫刻されておらず、空き部屋のことが一目瞭然。



「入れ。」



嫌ですけど??とは当然言えず、仕方なく入る。


目に飛び込んできたのは、()()()()()()()()()()()()()()()、複数人に絡まれて散々にやられている状況だった。



「――っ!」



どこかで見たことがある。どこかで。髪に隠れて顔はよく見えないけど、絶対。

骨格や髪色ではっきりとした確信を持った。

でもいつ、どこで会ったことがあるのか。

思い出しそうなのに、思い出せない。


驚きと混乱に目を見開いて固まった俺を、ヤンチャさん―…もう面倒くさいな、不良は面白そうに笑いながら眺めていた。



「こいつ、知り合いだろ?」



は?

どうしてこの不良がそれを知ってる…?そこまでの情報網があるようには見えないけど、俺の内心を読んだ?んーいやレイラさんじゃあるまいし。



「お前が朝、あんまりにも生意気だったからなあ!お友達をぉ?代わりに殴らせてもらえないと気がすまねえんだよ!!」



…暴論が過ぎる。

俺は不良を完璧に無視し、部屋の中央で蹴られていた男子生徒に近づいた。

同い年かな。先輩ではなさそう。

俺が近づくと同時に、取り巻きの奴らは何故かニヤニヤ笑いながら下がった。


気にしない。取り敢えず男子生徒の前に膝をつく。

彼との距離が縮まったことで、ずっともどかしかったわだかまりが解けた。



「…ディラン、だよね。」



ディラン・マーフィー。

やっと思い出した名前と、孤児院での鮮烈な記憶を頭の中で噛みしめる。

俺に”ありがとう”っていう言葉を教えてくれた、唯一の幼馴染。


いつも明るくて活発で、よく喋る元気な子。

でも今はその面影は僅かにしか残っていなくて。

ディランが貴族に引き取られた時が最後だから、何年ぶりだろう。8,9年ぶりの再会がこんな形になるなんて予想もできなかったし、したくもなかった。


ディランは息を切らして苦痛に顔を歪めていたけど、俺の声と気配で分かったのか、その顔にかすかに笑みを浮かべてくれた。



「ルカ…、久しぶり。こんな格好で、ごめん、ね。」



多分、この不良達からディランに対する嫌がらせは、今に始まったことじゃない。

学園の初等部からずっと続いてたんだと思う。

その証拠に、彼の体には新しいものから古いものまで、相当の数の傷跡があった。

それも袖をめくらないと分からないくらいの場所に、巧妙に。


俺が知り合いってなんで知ってるかは取り敢えずどうでもいい。

先にディランの手当をしないといけない。


彼を抱えようと手を伸ばす。

…その時だった。



「〜〜〜っ!」



ディランが声にならない悲鳴を上げ、俺を突き飛ばした。

この状況に1週間前の光景がフラッシュバックしてしまい、思わず顔をしかめる。

俺はゴロゴロと転がりながらも手早く体勢を整え、体を起こした。


先程まで俺がいた場所には、大きな炎が燃え上がっていた。


しまった、と頭の中で1人思う。

炎のせいで向こう側の、ディランの様子が全く分からなくなってしまった。


目があったディランの目は澄んだ水色だったから水属性だろうけど、あの疲弊した様子だったら絶対力は行使できない。

いくら炎と水で好都合だからと言っても今の状況じゃ焼け石に水程度。

取り敢えず闇に炎を喰わせて接近、その後頑張って救出するしか…。

1週間で体力も以前と比べてついた(多分)から、走って闇をばらまきーので目眩ましして逃げれるはず。


取り敢えず立ち上がろうとした、その時だった。


ぽん、と肩に誰かの手が置かれる。

驚いて振り向くと、そこには珍しく1人のノア君があった。

いつもは横にミラがいるのに、どうしたんだろう。



「え、ノア、君…?どうしてここに。」

「…。」



ノア君は俺の肩に手をおいたまま何も言わない。視線はずっと炎を眺めている。

けどその間にも物騒な物音と炎の勢いは止まらず、状況は悪くなっていく一方。


不良の仲間ってことはないとは思うけど、俺が何もしなかったらディランのアザが増えるだけ。

だんだん焦りを募らせた俺は、乱暴にノア君の手を払いのけた。



「ごめん、何の用か知らないけど、俺、友達を助けなきゃいけないから。」

「…。」



そう言い終わった後、ようやくノア君と視線があった。

その瞳に滲むは、軽蔑の色。


少し怯んでしまったけど、俺は踵を返して炎に向き直る。

その背中に、小さな声が降り掛かった。



「…ここで今、ルーカスが助けたら。」

「っえ?」



初めて俺に向けられたちゃんとした言葉に、思わず驚きの声が出てしまった。

俺はもう一度ノア君の方を見て、次の言葉を待つ。


彼は1つため息をついて、俺から視線を外した。



「…横から手を出したら、ディランはこれからもあいつらに付きまとわれる。状況の解決にはならない。」

「なら、どうしたら…。」

「自分で追い払うしかない。じゃないと、終わらない。」



的を正確に射ている発言に、静かに下唇を噛む。

言っていることは正しいけど、今のディランにあいつらを追い払う力なんか…。



「…”魅惑の瞳(ルアー・アイ)”、今使わないでいつ使うの。」

「っ!」



バレてた。この目の事はまだレイラさんにしか話してないのに。

やっぱりノア君自身が光属性だから、この手のものには詳しいのかな。


でも確かに、俺がこれでディランの魔力値を増幅させれば、まだ勝機はある。



「今のディランの魔力値は20。目標は60。…一気に上げたら駄目だよ。弱ってるディランの体が持たない。ゆっくり、ちょっとずつ。」



ゆっくり、ちょっとずつ。ゆっくり、ちょっとずつ。

何気に使うのは初めてだから、素直にノア君の指示に従う。


意識を集中させて、瞼を閉じた。自分の中の闇属性の魔力を、光属性の魔力に変換する。

そうすることで、”魅惑の瞳(ルアー・アイ)”が使えるようになるんだ。

精神干渉、相手の魔力値の操作とかができるこの目は、まあ大人からは忌み嫌われてきたけど。


自分の力で人を助けたことがないから、上手にできるかだけが心配ではある。


目に集めた光属性の魔力をディランの水属性の魔力に変換し、ディランへとゆっくり注ぐ。

ストローの穴に水を溢さないように注ぐイメージで。


ゆっくり、ちょっとずつ。ゆっくり、ちょっとずつ。

大事なものが、脆く弱いものが壊れてしまわないように。


その作業を続けること数分。

また肩に置かれた手の感覚で、目を開いた。多分これぐらいで良いってことなんだろう。

視界の端に()()()()()が散っていく。


…ん?光属性??

反射的にノア君の方を振り返った。ノア君は何もない顔をしてそっぽを向いていたけど、多分、彼の。

どうしても”魅惑の瞳(ルアー・アイ)”を使う時俺は無防備になっちゃうから、術の発動中に不良の仲間の攻撃から守ってくれてたのかな。



「…サポートありがと。」



笑顔でお礼を言ってディランの方を向き直る。

いつの間にか不良が放った炎は全部消え、辺りに輝くは淡い水色の粒子。


頭から水を被ったらしくびしょびしょの不良達は腰を抜かしたまま立つ気配はなく、そんな不良の中央に。

ディランはしっかりとした足取りで立っていた。

最後まで読んでいただきありがとうございました〜!

前回の”致命的な間違い”、次回あたりで回収予定ですッッッ忘れないで下さいね!?((

良ければ…!ブクマ感想等いただけたら嬉しいです✨次回もお楽しみに〜!!


_人人人人人人人人人人人人人人_

> 次回予告【6/1更新予定】 <

 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

( 'ω'o[ 無事一件落着!そして次回、ルーカスはルームメイトと初のご対面!! ]o

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