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【お嬢様 悪治物語】

みつをさけるとは隠れた宣戦布告であり、と同時に救いの鍵のヒントが隠されている可能性もあるのです 【お嬢様 悪治物語】

作者: 軍と税金と権勢争いのない未来

この物語は天使で、いえ、あくまで五十界(いせかい)が舞台の、架空とされるお話です。

 お嬢様、”みつをさける”の語源はこれです。


「口と心と行と、三つ揃うたまことをみことといふぞ」


 この文言は、わが家系に代々伝わる書物の第一巻 第一帖に記された内容の一部です。


「お嬢様、この書物の名前は故あって明かせません。誰しもが閲覧できた時代もあったそうなのですが、今は秘されています」


「ですから、お嬢様。この書物に関する一切のことはくれぐれもご内密にお願いします。決して口外してはなりません」


 また、これからする話はお嬢様が常識としてきたことを一変させたり、知らなければ良かったと思うものもあるかも知れません。


 ただ、まずは私達、治めるモノを志す者がそれを知らなくてはなりません。

 知って何が出来るのかと問われれば、おそらく何も出来ないでしょう。


 なら、何のために知るのかと云えば、それは現状を正確に把握するためです。



 この世界は、何もかもが歪められ過ぎました。それこそが知っても何も出来ない、大きな理由の一つなのです。


 しかし、知らなければ、現状を正確に把握しなければ、何がどう歪めさせれているのかさえ、判らないのです。


 まずは”わたし達”が現状を正確に把握すること。それが全ての第一歩になります。



 そして、その際に注意すべき点があります。それは、その内容がどんなものであっても絶望しない事。


 また、その内容がとても認められない、信じたくないものであっても、現状として受け入れる事です。



 よく、”それが本当ならすべて終わりじゃないか”と言ったりします。

 これは、常識や大前提としていたものが否定された時に使われます。


 それを逆の立場、世界の作り手・支配する側から言ったものが”ウソは大きければ大きい程よろしい”です。


 これは、ウソも常識や大前提と思うレベルまで大きくなってしまえば、ウソと指摘されても、ウソを常識や大前提と思う者が”頼まれなくても”勝手に否定してくれるのです。


「”それが本当ならすべて終わりじゃないか”と」



 否定するのは、今まで常識や大前提と信じてきたものが、実はそうではなかった事を認められない事によります。


 今まで送ってきた人生そのものを否定されたような気がして、受け入れる事など到底かなわないのです。、


 そして、頼まれなくても否定してしまう人の多くが、良心や良識に従って行動する、一般の人々なのです。



「お嬢様、これは”世界の何もかもが歪められている”事のほんの一例です」


 よくある、悪の組織を倒して全てが解決という訳にはいきません。


 なぜなら、世界の殆どが気づかない内に悪の組織に加担させられてしまっているからです。


「つまり、悪を倒すなら、世界そのものを倒さねばなりません」


 そんな事は出来るはずがありませんし、仮に出来たとしても、それは”世界を滅ぼした”になってしまいます。



『……』


「お嬢様、絶望することはありません。世界の現状をほんの少し知っただけです。

 それに絶望しても、悪くはなっても事態が好転する事はないのです」


 まずは、それを現状として受け入れる事。現状を正確に認識して、初めてその対策が立てられるのです。



「お嬢様、時間も大分経ちましたので、少し休憩にしましょう。

 本題はこれからです(笑)。

 実は、いいお茶が手に入ったのです。それに合うお茶菓子も用意してございます」



 私はあくまで、照子(てらすこ)様の食事や身の回りを世話する者―― 十夜雨(とよう)です。

 悪魔でも、天使でもありません。

お嬢様に対し説いた、心構え(→注意すべき点)は現実世界の皆様においても、参考になるものです。

それが、皆様がこの大難の時代を乗り越える助けになれば幸いです。


※解答編を投稿しました。よろしければ、ご覧ください。


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