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壊れた「時計」と最後の魔法
【あらすじ】
大切な人との絆を誓う際に、時計を贈る風習がある国で、銀の懐中時計としてボクは産まれた。
子供へ、親へ。
友人へ、恋人へ。
多くの人を渡り歩いた時計ほどご利益があるらしく、銀で出来てるのもあって、ボクは色んな人に大事にされてきた。
まぁ落とし物になっちゃったり、借金のカタになった事もあったけれどね。
最近はちょっと正確に時を刻めなくなって来たけど、まだまだ元気さ。
次の持ち主は誰と、どんな絆を誓うのだろうか。
そこに立ち会う、銀の懐中時計のお話。
【コメント】
ラジオパーソナリティの方に良い感じに読んで欲しいなぁ、という下心満載で書いた記憶があります。下心は透けてたみたいで見事不採用でした。
「絆を誓う際に時計を贈る風習のある国」と言う設定は色々ドラマティックな話が産まれそうでちょっと気に入っています。時計修理職人の頑固親父と孤児の話とか、殺された恋人の時計を胸に抱え復讐鬼と化した高潔な騎士の話とか楽しそう。