スマホをソイソイして道確認
スマホをソイソイして道確認。敵がいなければそのまま隠身で川沿いを南東に進む。
敵がいる場合は嫌魔草を用意し遠回りして川沿いに戻る。
そんなことを繰り返していたら3日で森から出ることが出来ました。やったよー!
途中で見かけた魔物数十匹。倒したゴブリン7匹。
1度だけ2匹のゴブリンと同時に戦わなきゃならなくなったけどなんとか切り抜けました。
秘密兵器大活躍です。実は出発前にボーラーを数個作っていたんだ。本来はオークに襲われた時のための用意だったんだけどなんとか1匹のゴブリンを足止めしているうちにもう片方を倒すことができたのだ。
オーク用だったのでサイズ感としてゴブリンには通じないかもしれないと覚悟しながら投げつけたんだけどうまくいってほっと一息。というかこれがなければ森を出れなかったかもしれない。
森は出れたけど安全な場所にたどり着くまでは気を抜けないなと、川辺にしゃがみ込みながら決意を新たにするのだった。
とりあえずまだ川は南東に続いている。
スマホをソイしてもまだ人里は見えないけどこのまま下流を目指していいものかどうか。
悩まないではないけどほかに行くあてもなし。
このままソイソイして辺りに注意しながら進むとしよう。
数時間ほど進んだころ、川沿いに敷設された道発見!東へも伸びてるけどここはセオリー通り川沿いの道を進もう。
あとどのくらいで人里に着けるかな。治安がよくて採取した素材を高く買い取ってくれるといいなと思いながら、ここから先は道の上を歩くことにした。きっとそのうち馬車も通るだろう。
辺りに魔物は見えないけど、一応スマホをソイソイしながら気を抜かず道を進むのだった。
あたりは暗くなってきたがまだ人里にはたどり着けていない。魔物もいないから安心だけどどこで寝よう。
お、あそこに藪があるな。周りに嫌魔草を数本置いてって。
最後のカロリーバーと水をとって就寝です。
おはようございます。今日もいい天気です。
思えばこっちに来てから数週間。まだ1度も雨に降られてないや。雨季と乾季が分かれてるのかもしれないけどラッキー。
とりあえず道をえっちらおっちらと歩く。歩く。歩く。たまに数人の武装したグループとすれ違うけど歩く。
昼を少し過ぎたころ、人里発見!しかも村とかのレベルじゃなくでっかい!外壁まであるよ。
近寄ると兵士っぽい人が開け放たれた門を見張ってた。
通行料とかいるのかな?水晶玉で犯罪履歴チェックされるのかなとワクワクしながら兵士さんのほうに向かう。
「こんにちはーいい天気ですねー」
普通の旅人のふりして声をかけてみる。ちょっとわざとらしかったかな。
「冒険者か?」
おお!この世界にも冒険者っているんだね。ワクワクしてきたよ。
「違うけどなりたいです。どこに行けばいいですか?」
「冒険者ギルドならこの道まっすぐ行けば中央広場の正面にあるぞ。剣と盾の看板が目印だ」
「ありがとうございます。早速行きます。」
そういってそのまま門を通ってみたが兵士からは何も言われなかった。
不思議魔法のチェック体制はないみたいだね。
出会ってみたかったテンプレ
1.魔物に襲われた馬車に遭遇 バツ 会わなくてよかった
2.人助けしたら大金持ちor権力者だった バツ 助けられるような戦闘力はありません。
3.冒険者ギルドに行く マル! やっとテンプレに出会えそうだね。でも
4.冒険者ギルドで先輩冒険者に絡まれる
が発動すると困るんだよね。先輩冒険者をワンパンできるようなチート持ってないし。
でも、美人冒険者に助けられるパターンが発動してくれるとちょっと、いやだいぶうれしいかも。
そんな妄想に浸りながらニヤニヤ(自分では真顔のつもりで)冒険者ギルドに向かいます。
とうちゃーく!
町の規模に比例してか冒険者ギルドも立派です。
「こんにちはー」
一応声をかけながら入ります。中は若干薄暗く人もあまりいません。あとで聞いたら昼頃は一番ギルドが暇な時間だそうです。
入って正面に受付が2か所。片方は美人さんでほかの冒険者とお話し中。もう片方は地味子さんで誰も並んでいませんでした。
もちろん地味子さんの前に向かいます。
「すみません。冒険者になりたいんですけどどうすればいいですか?」
「えーとそれじゃ字は書けますか?」
異世界語翻訳でなんとかなりそうだけど不安だな。
「自信がないので代筆してもらえますか?」
「わかりました。お名前は?」
「カイです」
「職業は前衛ですか?」
「はい。あ、でも投石やこれ(ボーラー)で中距離からのサポートもできます」
「これまでに魔物を狩ったことはありますか?」
「ゴブリンを数匹狩ったことがあります」
「1対1でしたか?」
「1対1が数回と1対2が1度です」
「魔法は何が使えますか?」
何がって使えるのが前提なの?正直に言うしかないけど突っ込まれませんように。
「わかりません」
「それじゃあ調べますのでこちらにどうぞ」
知らなくても大丈夫だったみたい。よかった。
地味子さんについていく前にちらっと用紙を見たら問題なく読めた。異世界語翻訳さんありがとう。
奥の部屋に案内され入るとそこは小さな神殿だった。
中央の台座にカードが置いてある。その下に先ほどの用紙を置き僕に向かってこういった。
「それでは加護の確認と入会手続きを行いますので中央のカードに魔力を流してください。流し方はわかりますか?」
「はい。流し方はなんとか」
そういってカードに魔力を流すと九体ある神像のうちの1体が橙色に光った。
と同時にいるものピローンの音が。スマホは後で確認しよう。
「あら珍しい。太陽神様の加護をお持ちなんですね。それじゃそのカードはいつも首にかけておいてくださいね。身分証明書にもなりますから」
「わかりました。で、その、太陽神様の加護があるとどんな魔法が使えるんですか?」
「ブルトカ様は光の神様なので光関係の魔法です。生活魔法の灯火は見たことあると思いますがあれもブルトカ様のお力ですよ」
「あ、そうなんですね。ありがとうございます」
灯火がなんだかわからないが明かりの魔法ってことだよねきっと。でも生活魔法ってなんだろ?ここで聞くのはおかしいから資料とかあれば読んでみたいな。
「すみません。この辺の魔物や素材の資料とか魔法の資料ってありますか?」
「資料室は2階にあるからご自由に。ただし本を汚すと罰金があるから丁寧に扱ってね。あと魔法について知りたいなら魔術研究所に行ったほうがいいと思うわよ?あそこにいけばいやってほど教えてくれるから」
「ありがとうございます。あ、そうだ。素材売りたいんですけど買取お願いできますか?」
「買取はあそこの受付に行ってね」とドアを開け、指をさして教えてくれた。
「ありがとうございます」
「それじゃ頑張ってくださいね」
最後にちょっとだけ笑顔を見せて受付に戻っていく地味子さん。
説明もわかりやすかったしまた行くことあれば覚えておこう。
さて、それじゃ素材を買い取ってもらいましょうか。いくらくらいになるか楽しみだね。




