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白兎と赤の女王
初めてあの人がくれたプレゼント。
「ほら、あげるわ。」
「…良いんですか?」
「だって私は時計をあまり見ないし、それに」
そして今でも宝物のプレゼント。
「貴方が持っていた方がずっと有意義でしょ?」
「…ありがとうございます!」
なんら他と変わらないかもしれない懐中時計。
時間の刻み方だってどれも変わらないなんて言われるけれど。それでも。
「ずっと大事にしますからね。」
“貴方がくれたもの”だから、ずっと大好きで大切な“貴方がくれたもの”だから。
「…勝手にしたらいいじゃない。」
壊れても何回だって直して、ずっと、一生大切にしますからね。
白兎が初めて紅城から時計を貰った時の話。