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第八十七話 これってちゃばんげきですよね?

「いきます」


全長三メートルになろうかという、白銀色の大剣を、重さを感じない勢いで、横一文字にゼクスが振るう。


実に非現実的な光景だ。


大剣の一閃に直撃した、目の前の骸骨兵(スケルトン・ウォーリア)たちは皆、その一撃に耐えきれず、ひしゃげ、崩れていく。

直撃をされていない後方の骸骨兵たちも、大剣の一閃による衝撃波により、ボーリングのピンのように、ポーンと吹き飛ばされたり、粉々になったりして、皆、土くれへと戻っていく。


……って、ゼクスさんの全力戦闘を初めて見ましたが、強すぎじゃないですか!?


「私もゼクサイス様に負けてはいられませんね! はぁぁぁっ!」


カミーナも気合い一閃。

魔王軍のただ中へと単騎で突入していき、周囲の石人形(ストーン・ゴーレム)たちに、両手に構えた細剣(レイピア)にて、激しい連打を加えていく。

石でできた彼らの身体に、無数の穴を穿(うが)つ。

ストーン・ゴーレムたちは、穴からひび割れが拡がっていき、ボロボロとその身体が崩れ去っていく。


「まあ、わしもたまには身体を動かさんとな」


ナレンも赤色の髪をたなびかせ、馬上にて骸骨兵の隊列へと槍を構え突進している。

骸骨の海の中で、紅く光る槍を右へ左へと縦横無尽に振り回し、近くに骸骨兵を近寄らせない。

まさに鬼神のごとき槍働きだ。


「みんな。がんばって♥️」


私は今回は、観戦という立場を死守している。

ゼクスやカミーナ、ナレンたちと一緒に、戦場には出ているものの、彼らと違って私は文民なのである。

さすがに前線にて視察をするのに、士官服のみ、ということだと防御が覚束無(おぼつかな)いという助言をもらったので、金属製のヘルメットと胸当てが支給され、さらに護身用ということで弓矢と短刀も渡された。


ちなみにこの弓矢は魔王様が事前に用意してくれた魔法の弓矢らしく、弦は軽く引けるし、放った矢も、勝手に目標に当たってくれるという自動追尾機能がついている実に便利な代物だ。

ゲームを楽しんでいる感覚で弓を使える。


私もこれを使って、安全地帯にいながら、戦闘に参加している雰囲気を醸し出す予定だ。


「……はぁはぁ、も、もう、我慢できない!」


「アンジェ教皇猊下! 抑えて。抑えてください」


「ちょっと、オクトーバー! あなたは、一体誰の味方なのよ」


「し、強いて言えば倫理の味方かと……」


背後の方から不穏な会話が聞こえるような気がするが、とりあえず黙殺する。

真に受けると、後々面倒なので、聞き流しスキルを発動だ。


「ゆ、勇者様! て、敵の指揮官が現れましたぞ! よ、よろしくお願いしまする」


どこぞの国の将軍(チョビヒゲ、小太り)が、ゼクスに援軍を要請している。

しかし、私としては目の前でゼクスが「勇者」とか言われているのを聞くと、なにやら可笑しさが込み上げてきて、笑い声をあげるのを堪えるのに精一杯になってしまう。

い、いけない、ついつい、口の端が上がってしまう。


……って、あ。ゼクスが、微笑みを浮かべてこちらを見ている。


怖いので、とりあえず、ささっと、目をそらしておく。


「……くくく。おろかなる人間どもよ! 吾輩の手塩に育てあげた魔導軍団に逆らうとはな! 貴様ら一人一人、血祭りにあげてくれるのである! ……ってー! 人がしゃべっているときに、誰であるか! 吾輩に矢を射かけた者は」


……ふー。

つい、矢を撃ってしまいました。てへ♥️


リッチーのヘイシルは、骸骨の顔に、漆黒の外套(ローブ)を羽織り、節くれだった(スタッフ)を構え、空に浮かびつつ、周囲には禍々(まがまが)しい霧が立ち込め、まさに、ゲームでよくある不死王(リッチー)の雰囲気だ。


……ちなみに、エロゲー時代はこの姿で、魔王に、バ○ブとかディ○ドとかを売りさばきに来ていたので、私にとっても馴染みのある姿でもある。

なので、つい反射的に撃っちゃいました。けっして悪意はありません。


騎士団連合の何人かの騎士が、ヘイシルに向かって、突っ込んでいくが、舞い散る枯れ葉のような軽さで吹き飛ばされてしまい、なかなか近づけないみたいだ。


そして、ヘイシルの背後から、黒い鎧を全身に身につけた背の高い騎士と、黒色のローブを纏って、三角帽子をかぶった魔女とが、それぞれ現れた。


騎士は顔中を仮面にて隠し、素顔は見えない。ず、魔女についても顔を半分、仮面で覆い口許には、妖艶な笑みを浮かべている。

なるほど。

なかなかにラスボス感は出ている。


「そこの黒騎士よ! 僕との一騎討ちを!」


「……」


ゼクスのはっきりとした言葉に、黒騎士は黙って、腰から直刀を抜いて対峙した。


って、茶番劇……だよね、これ?


あの黒騎士の中の人は魔王様だと知ってはいるけれども、緊張のあまり、やけに喉が乾く。

この二人の闘気は、本当にシャレにならない。


「……ぐっ」


私は、息を飲んだ。


「だ、大丈夫よね……」


「……ソニヤ様。少々お下がりを」


私の影の中に潜んでいる、悪魔べリアルが、声だけを響かせてきた。

今回は不測の事態が起こるかもしれないということで、魔王様が助言をしてくれたのだ。


「うん。わかった」


私はべリアルの言を受け、少しだけ後ろに下がった。


とりあえず更新です。

最近は、執筆時間が、極めて少ないので、前作への追記は少ないです。

次回更新も、来週中にはなんとか書きます。

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