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EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第三章-邪なる虚影編-
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~失った力~





願いが叶うという白い球を求めて出発した雅史と憲明。球を手に入れて、身体を治し一日も早く啓太達の元へと戻らなくてはと思い、二人の足取りは早く一日かかると言われた山までの道程を僅か半日で到着する事が出来た。

この山のどこかに、その願いが叶う白い球があるという。祠があって、そこに祀られているのだろうか。それとも道端の石ころの如くそこら辺に転がっているのだろうか。せめて地中に埋まってるというのだけはあって欲しくないと思うが。この山の何処かにある事以外、情報がなかった。


「どうする?」

「どうするも何も、探すしかないだろう。」


二人は辺りを見回しながら白い球を探した。しかしどれも普通の石ころしかなく、願いを叶える力がありそうな球をみつけられずにいた。


「何かヒントでもあれば良いんだけどなぁ。」


「オイ、ニンゲン。コノヤマニナニシニキタ。」


背後から声がして振り向くと、そこには大柄なオーガが二人を見下ろしていた。その大きさは二人の倍以上はあり、一人で戦えばひとたまりもない程の大柄な体格で、できれば戦闘にならない様にしなければと二人は直感で感じ取った。


「俺達は願いの叶う白い球を探して旅してるんだ。何か知らないか?」

「シロイタマ…。ニンゲン、ソノタマガナンナノカシッテココマデキタトイウノカ?」

「願いが叶うんだろ?俺達はその球の力で身体を元に戻したいんだ。俺達の身体はあまり良くないらしい。薬もないみたいで、球の力に頼らなければダメらしんだ。」

「ナラ、オレトタタカエ。オレ、ツヨイヤツノイウコトシカキカナイ。ソレニ、ソノジョウタイ、ドウセアノビョウインカラキタンダロ。ソンナヤツニタマハヤレナイ。」

「って事は、球の在り処を知っているって事だよな?雅史、俺とお前の力でコイツを倒せば一つゲットだ。先手必勝だっ!ファイアボール!」


憲明は、先手必勝と思い、指を鳴らし火球を投げつけようとした。しかし、憲明の手からは炎どころか何も起こらず、オーガも無傷でその場に立っている。


「あ、あれ?」

「ナニカシタノカ?」

「なら、俺がやるしかないな!ガン・バレットッ!」


雅史は、オーガに向かって拳を放つが、その威力は常人並の威力しかないパンチでオーガは一切ダメージを負っっている様には見受けられなかった。


「ど、どういう事だ…。」


二人はお互いに技が出なかった事で驚きつつ、自分の中の異変にようやく気が付いた。先日の邪王神との戦闘で、自分達の身体は思った以上に体力共に力が無くなっている事に。

自分達が持っていた十王神の力を全く感じられず、ただの一般人になってしまっていたのだ。


「ナニガシタカッタノカワカラナイガ、キョウノショクジハオマエタチデキマリダナ。」


オーガは持っていた斧で雅史と憲明に攻撃を繰り出す。二人は必死に回避するが、今までよりも身体は重く、ギリギリ交わすのが精一杯だった。

これはまずい。二人は撤退を考えたが、この状況で逃げられるとは考えられない。絶体絶命だと感じた。


「コンナニテゴタエノナイヤツヲアイテニシタノハハジメテダゾニンゲン。」

「う、うるせぇ!こっからだよこっから!雅史、何か手はないか?」

「俺に作戦なんて思い付く訳無いだろ。憲明こそ、何か手は?」

「あったら聞かねぇよ。そういった仕事は、祐斗だったからな。俺達は力に任せて突っ込んでいくタイプだしよ。」


そう、雅史と憲明は今まで策を講じるよりも突っ込んでいくタイプの人間だ。啓太や将吾は状況を見て策を講じながら戦い、祐斗は策を考えて仲間に優位に戦える様、指示を出す。昌宗も雅史や憲明と同じく敵に突っ込むタイプの人間で、その力が無い今の状況では、戦う事は疎か、戦闘になる前に逃げる事を選択しなければならなかったのだ。


「せめて、この場にある物を使って何とか逃げる事を考えるか。」


憲明は辺りを見回した。周りにある物といえば、転がっている石ころや枝くらいだ。憲明は巨人の攻撃を交わしながら石ころをいくつか拾い集めていく。雅史は太い木の棒を持ち、憲明に注意が行かない様にオーガを木の棒で叩きつける。


「ソンナコウゲキデハ、オレハタオセナイゾ。」


憲明は拾った石をオーガの顔目掛けて投げ付ける。いくつかは目に当てる事ができ、オーガに隙を作る事が出来た。その隙に雅史はオーガの左の眼球に持っていた太い木の棒を突き刺す。さすがのオーガもそれには悲鳴をあげてその場に倒れ込んだ。


「オノレェ、ヨクモヤッテクレタナ…。」

「これぞ喧嘩殺法だ!十王神の力が使えなくても、俺達が戦えるって事を教えてやるぜ!」

「お前、こんな事よく思い付くな。この世界に来る前によくチンピラと喧嘩をしてたのは知ってたけど、こんな技を持ってるなんて。」

「雅史だって、目を潰すなんて俺は考えなかったぞ。(石で潰してやろうとは思ったけど)」


憲明は、次は長めの蔓を何本か集めていく。雅史は再びオーガの注意を自分に向けさせ、憲明の行動を邪魔させない様にする。左目を潰したお陰で、オーガも左側からの攻撃には対応しきれずにいる。

次に憲明がとった行動は、集めた蔓を編み、簡単には千切れない様に頑丈な縄にして、オーガの足を縛り上げる。オーガは急に足が動かなくなった事によって、その場に倒れ込んだ。


「意外と、俺達も十王神の力がなくても戦えるんじゃないのか?」

「戦えるといったレベルまではいかないけどな。まさかこんなにも幼少期に姉貴に虐められた時に身に付いた喧嘩殺法やサバイバル生活が役に立つなんて思ってもみなかったよ。」

「憲明の幼少期ってどんなんだったんだよ。」


雅史は憲明の過去が悲惨だった事に驚いていた。



あの頃は大変だったなと、憲明は思い出に耽るかの様に当時の事を思い出した。


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