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EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第三章-邪なる虚影編-
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~白い病棟~









雅史と憲明がオーザカクリニック病院に入院してから、早くも一週間が経過した。

特に治療と思われる事をする事もなく、ただ時間だけが流れているとしか思えない日々を過ごし、いつになったら退院出来るのか未だに見えずにいた。


「二人共おはよぉ!検診のお時間よ!」

「なぁ、いつになったら俺達は退院出来るんだ?」

「まだあなた達の容態は良くなってないもの。まだまだね。そんな事より、ちゃんと栄養採ってる?」

「出されたのは食べてるつもりだが?」

「アタシの手作り料理は?」

「…アレを料理と認めてしまったら、確実に将吾がブチ切れるな。あんなの食えたもんじゃねぇよ!プロテインパフェとかさ。」

「アタシの最高傑作の料理なのよ!これ以上の料理はこの世界に存在しないのよ!それにプロテインパフェという名前じゃないわよ!漲る筋肉の甘いお誘い~赤マムシを乗せて~よ!」

「あの横にあったの赤マムシかよ!もうその名前が怪しさ万歳だろ!雅史~、助けてくれよ。あのムキムキナース、俺を狙ってくるんだよ。」

「良かったじゃねぇか。」

「回復したらまずお前を焼いてやるからな…。」


そんなやりとりをする日々が続き、治療という治療を行う気配がない。何度「いつから治療するんだ?」と聞いても、「治療に耐えれる体力がついてない」と言われるだけだ。

そんなことの繰り返しに雅史と憲明は疑問に抱きつつ、この病院の事を調べていた。

この病院に入った時から感じていたが、この病院に他の入院患者が見受けられない。それどころか、ここに来てから、あのムキムキナースのロックとドクターのレティア、院長のゼラトしか人に会ってないのだ。その事に疑問を持っていた雅史と憲明はロックの目を忍んで病院の中と周りを調べて回る様になった。


「なぁ雅史、絶対におかしいよな。あれから一週間経つが、その間にあいつ等以外に誰もここに来ない。」

「あぁ。普通、病院って入院患者だけでなく、通院もあるから誰かは来るだろうけど、全然見ないよな。」

「周りに人がいない病院。でもこんな立派な作りの病院って事はそれなりの収入もある。何かここきな臭いよな。何か調べて分かったことあるか?」


雅史は横に首を振る。憲明も「俺もだ」と言い、ロックが置いて行った自称料理と言っていた"漲る筋肉の甘いお誘い~赤マムシをのせて~"を眺めている。その見た目もだが、漂ってくる臭いも何とも例えにくい臭いを放っている。


「でも、一つ気になった事があるんだ。いつもの食事、病院食というには変じゃないか?」

「まぁ健康食といえば健康食だとは思うけど。内臓を活性化させる食事が多い気はするよ。」

「内臓を活発にして治療していくって事なのかな?」

「わからないけど、そうなのかもしれないね。」

「まぁあのプロテインパフェで他の病院食の事、まともな食事としか思ってなかったけど、冷静に考えてみたら病院食にしてはって思ったんだよな。」

「だからといって、怪しい原因にはならないけどね。他に何かあるか探ってみないとな。」


その日の夜、雅史と憲明は病室を抜け出し、診察室や治療室を探ってみた。二人共、医療に詳しくはないが、そんな二人でもこの病院は普通の病院にはある物がない事に気が付いた。

薬がないのだ。メスや縫合用の針と糸、そして何故かクーラーボックスの様な容器が多く並んでいた。この状況を見ると、ここがホントの病院なのか怪しくなってしまう。


「なぁ雅史、ここの病院、薬が一個も無いぞ。」

「手術道具は多いのにな。それにこの保管容器の多さ、ホントにここは病院か?」



「あ、見てしまったんだね。」


二人が話している所に、後ろから声がした。そこには院長のゼラトがいた。


「ここはホントに病院なのか?薬が一つもないぞ。」

「そうだ。薬がないから君達の治療が出来ない。だから薬が手に入るまで療養という形で、待っていてもらっていたんだ。」

「…で、その薬はいつ届くんだ?」

「わからないです。このままでは臓器が壊死してしまうので、摘出しなければなりません。その時は覚悟しておいて下さい。」


「何か、他に助かる手はないのか?」


「あるにはあります。」


ゼラトは、深刻そうな顔をしながら応える。


「願いの叶う白い球を二つ揃えると、願いが叶うのです。その球さえあれば二人の身体を元に戻す事ができます。」

「その球ってのは何処にあるんだ?」

「詳しくは分かりません。ただ、この病院からさらに東に向かった山のどこかに一つ存在するとは聞いています。」

「もう一つは?」

「それがまだ分かっていません。球は共鳴し合うので、一つ手に入ったら分かるかもしれません。」


白い二つの球。その二つが揃えば願いが叶うという。

その球を使えば二人共助かるのだが、聞けば球の一つがある山には強力なモンスターが多く生息する地域で並の人間では、まず帰って来れない程である。

雅史と憲明は、自分達の身体の事だからという気持ちと、このまま薬を待つにも、薬がいつになるのかわからない為、二人で白い球を手に入れる為に荷支度をし始めた。


「ホントに行くのですか?」

「あぁ、ここにいても薬がいつになるのかわからないしな。」

「アタシも一緒に行ってあげようかしら?」

「やめてくれ!」


雅史と憲明は、病院を後に白い球を手に入れる為に山に向かって出発した。

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