表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第三章-邪なる虚影編-
54/60

~力との契約~






「どうだ?貴様等としては嬉しい要望では無いのか?」


たしかにこの取引に応じれば少なくとも啓太とメイ、祐斗は助かるが、今の昌宗にはとてもじゃないが戦えるだけの気力もない。そんな状態で戦わせては確実に昌宗は殺される。


「勝手に決めないでくれるかな?堕勇王、君の主人は僕なんだけど。」

「我は誰の命令も受けん。我こそが全てを統べる者だ。貴様の様な餓鬼になんぞ指図される筋合いもないわ!」


堕勇王は手にした槍でシュラを薙ぎ払う。すると斬撃は黒い光を帯びて辺り一面を焼け野原へと変貌させた。


「ほぅ、軽く振っただけでこの威力。気に入った。」


シュラは辛うじて直撃を回避したが、それでも剣圧だけでダメージはかなりのものになっていた。


「この力…、アイツは十王神じゃないのにこの威力なんて有り得ないはずなのに。」


シュラは堕勇王の力を誤算しており、この場は一旦退こうと姿を眩ませた。


「さて、邪魔者はいない。始めようではないか。」

「もう拒否権は無いんだな…。メイ、啓太と祐斗を連れて先にレクエム村に戻っていてくれ。後から追い掛ける。」


昌宗は、渡された槍を掴み、立ち上がる。覚悟は出来てないが、もう後戻りは出来ない。戦う事しか出来ないと思い、昌宗は堕勇王に刃を向ける。それをやっとやる気を出したかと思った堕優王はいきなり攻撃を仕掛ける。


昌宗は、攻撃を防御するしか出来ず、槍の一撃を槍で防いでいる防戦一方になっていた。

メイは、啓太と気を失っている祐斗を馬に乗せて、急いでその場を去る。


「メイ、今の昌宗じゃ勝ち目がないよ!僕も戦わなくちゃ!二人掛かりなら逃げるチャンスもあるよ!」

「マサムネが作ってくれたチャンスを棒に振らない為にも、今はグッと堪えて…。」


「何だ、見届け人はいないのか。」

「負けるつもりはないが、俺は自分の死に様を仲間に見られたくないんだ。それにお前は俺と戦いたいんだろ?ならそれで良いじゃないか。お前が勝ってもあいつ等には手を出さないんだろ?ならいなくても変わらないだろ。」


昌宗は、隙をついては槍で堕勇王に一撃を与える。しかし、いくら隙をついて攻撃しても、堕勇王には傷一つつける事が出来ずに、自分の体力だけが消耗されていく。


「たしかお前は十王神ではなかったな。しかし、これだけの力を秘めている。何者だ?ただの人間がたどり着ける域ではないぞ?」

「俺はただの人間だ。少なくても元の世界ではただの大学生だった。俺は啓太達と違って何も力がないから、友達の足手纏いにはならない様に少し努力しただけだ!」


昌宗は、堕勇王の攻撃を回避して、懐に槍を突き刺す。しかし、堕勇王の鎧は槍の一突きでは傷一つつける事は出来ずにいる。


「ただの努力でこの力…お前には人間の域を超えた力が秘められている。お前を解体してその要因を突き止めるとしよう。」


堕勇王は、昌宗の頭を左手で鷲掴みにし、ジリジリと掴んだ手に力を入れていく。すると、ミシミシと昌宗の頭蓋骨にヒビが入る音が辺りに響き渡る。


昌宗もここまでかと、諦めかけ、自分の今までの事を振り返っていた。これが走馬灯というものなんだなと自分で納得しながら、今までの事を思い出していった。

結局、自分は何も啓太達にしてやれなかった。大学でも雅史と一緒に講義に出て、友人達と意味もなく笑い合う。それだけで幸せを感じていた頃に戻りたいと目から大粒の涙を零した。



そろそろ自分の人生ともおさらばだなと思っていたその時、急に頭の痛みが急に無くなり、地面に身体が落ちた。目が昏みながら前を見ると、そこには誰かが堕勇王との間に立っていた。そこまで確認するだけで意識が限界を超え、昌宗は意識を失った。


昌宗の前には白銀の鎧を纏った騎士がレイピアで堕勇王の左腕に一撃を与えていたのだ。


「何者だ?我と此奴との戦いを邪魔するとは笑止千万!」

「悪いんだけど、まだ彼を殺されては計画が台無しなの。だからここは身を引いてくれないかしら?」

「何?貴様、何者だ?」

「今は白騎士とだけ言っておくわ。それ以上は言えない。」

「…白騎士。此奴を助けるというのなら、容赦はせん。全力を出させてもらおう。」


堕勇王は、槍で白騎士を攻撃するが、白騎士は、堕勇王の一撃を交わし、レイピアの柄で持ち手を強打させて槍を落とす。その攻撃から流れる様に左手を堕勇王の腹部に添えて、気を集中させる。


「衝波っ!」


左手に込められた一撃は、堕勇王の鎧を砕き、そのまま遠くの山へと弾き飛ばした。昌宗が何度攻撃しても壊れなかった鎧を、白騎士は意図も容易く砕いたのだ。

堕勇王が遠くの山へと飛んで行き、その場には気絶している昌宗と白騎士だけが残っていた。

白騎士は、昌宗の顔を見て、何かに気が付き、重く溜息をついた。


「ショーゴじゃない。でも、この顔はショーゴの仲間だったはず。今は彼に貸しを作っておくのも悪くないわね。それにさっきの戦いを見ていたけど、彼には素質があるみたいだから、今は助けてあげるか。」


白騎士は、昌宗を抱え上げる。すると、空間が歪み、二人はその中へと入って行く。



昌宗はその間、夢を見ていた。


目の前には一人の青年が立っており、自分はその目の前に倒れている。

辺りは真っ白で自分が何処にいるのかさえ分からない。


「なぁ、あんた力が欲しいか?」

「欲しい、仲間を守れる力、自分の信念を貫ける力が欲しい。」

「仲間を守る…、か。理由は気に食わないが、自分の信念を貫きたいというのは俺様も思う所がある。仲間の為とか甘い考えが無くなった時に力を与えてやる。それまで少しあんたの事を見定めさせてもらう。」


「仲間の為に強くなりたいという事に何が甘いっていうんだよ。」

「仲間はいずれ裏切る。その時が来れば嫌という程分かる。その時に自分に力があれば粛正できるが、力がなかったり、仲間の為にと思っていたら、力が出ない。裏切りは必ずあるから

その時に裏切り者を討つ力がなければただ死んでいくしかない。だから自分以外信じるな。自分のみを信じ、自分の力だけを信じるんだ。その為になら力を与えてやる。決心が付いたら力が欲しいと叫ぶが良い。喜んで力を与えてやる。」

「お前、悪魔か?悪魔との契約って事か?」

「それは違う。俺は正義の味方だ。悪い王を討つ為の正義の味方。それ以上でもそれ以下でもねぇよ!まぁ考えておいてくれ。」


その言葉を最後に辺りが暗くなり、気が付くと昌宗はレクエム村にある医務室のベッドに横になっていた。そして隣には、啓太が座っており、自分が助かったという事だけは理解できた。


「…あれ?こ、ここは。」

「レクエム村の医務室だ。僕達がレクエム村に着いた時、村の外で倒れていたんだ。昌宗、どうやっって助かったんだ」

「分からない…。俺のコピーと戦って、負けかけてから気絶して、それから何か夢を見ていた気がするが、俺がどうやって助かったのか分からないんだ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ