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EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第二章-復讐の合成獣編-
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特別編~Hollow Morning~




これは、まだ啓太達がキメラの一件で各地に旅立つ数日前の出来事である。






「ほろううぃず?」


「そう、ホロウウィズ」


レクエム村にあるギルド『 ナイト・オブ・アーチ』。その本部である村長の家で啓太とメイが会話をしていた。


「そうなの。今週はホロウウィズと言って、亡くなった人達がこの世を彷徨って迷い込む時が一年に一回もあるの。」

「何か、僕達のいた世界のハロウィンみたいだね。僕達のいた世界では、ハロウィンって言って、子供達がお化けやモンスターに仮装をして、『お菓子をくれないと悪戯するぞ〜』って、お菓子を貰いに各家庭を訪問するんだ。何かそれに似てるなぁって思ってね。」

「そういえば、俺達がここに来た時期を考えると、ちょうど今時期になるな。」


祐斗が書類を持ちながら啓太とメイの会話に入ってくると、書類を机の上に置いた。


「他の皆は?」

「ショーゴとマサムネは、メイドの人達を連れて、市場の方に食材を買いに行ってるわ。そろそろ帰って来ると思うけど。」

「雅史と憲明にシンゲンとマリアは、街の掃除に行ってるよ。憲明の場合はゴミの焼却しに行ってるだけとは思うけどね。雅史達もそろそろ帰って来るんじゃないかな?」

「じゃあ皆帰って来たら集まってもらえるかな?少し厄介な任務があってね。」


祐斗は、書類に目を通しながら皆が来るのを待つ。

小1時間程すると、将吾達が帰って来て、祐斗の所に集まっていた。


「それで、厄介な任務って?」

「サンクチュアリ帝国領の近くにあるコラスの街。そこにある館で開かれる舞踏会。そこに潜入して、ある人物に関しての調査。そして出資者の護衛。しかも出資者の依頼で俺達全員でこの依頼を遂行してくれとの事で、悪いんだが、皆手伝ってくれないか?」


祐斗は、内容を話しながら啓太達に資料を配る。そこには調査対象の写真と簡単な情報が載っていた。

メイは啓太の隣でその資料を見て、一瞬だが固まってしまった。そこに書いている人物をメイは知っているかの様に、しかし懐かしさというよりは、どこか恐怖を感じている様に啓太は感じた。


「どうしたの?」

「ううん、何でもない。」


今は詮索しない方が良いと思い、啓太は口を閉じる。そこは将吾達も何かを察したかの様に少し沈黙が空間を覆い尽くす、


「オホン、それでこの会場には俺達の存在は知られている訳なんだけど、変装とかしていかないといけない。そこで出資者から色々と変奏に役立つと言ってアイテムを渡されたんだけど、どうも怪しいんだ…。」


祐斗の咳払いと同時に袋から薬瓶や木の実を取り出した。

薬瓶には色々と書かれていたが、文字が擦れていて何が書いているか分からなかったが、将吾はその薬瓶を手に取り、不思議そうに薬瓶を天井に吊るされている電灯に透かして見てみたりしている。


「じゃあ将吾はその薬瓶を使って変装してね。効能については詳しく聞いてないけど、効き目は丸一日。つまり二十四時間らしいから薬の効果が途中で切れる心配は無いみたい。出資者からも隠密行動に長けた将吾か憲明のどちらかに使わせろと要望があったし、丁度いいや。」

「え?俺ってそんなに隠密に長けてるっけ?」

「出資者はそう思ってるみたいだよ。」

「そういえば、その出資者って俺達会った事なかったよな?祐斗とヘリスだけ会った事があるんだっけ?」

「そうですね。私はあの方、苦手なのでユートさんに任せっきりになってますが、私の上司的な人ですよ~。」

「お偉いさんとは聞いてるが、いったいどんな奴なんだ?」

「知らない方が良いぞ。」


祐斗は手を震わせながら憲明の肩をポンと叩く。祐斗がここまでになる人物、かなりの人物である事は間違いないなと啓太達は察してそれから問い詰める事はしなかった。


将吾は薬瓶の中身を怪しく思いながら、蓋を開けて中身を思い切って飲んでみる。すると味は激マズとしか表現ができず、やっとの思いで飲み干した。すると、将吾の様子がおかしくなり、将吾は急いで自室に戻っていった。


「おい、どうしたんだ将吾?」

「ごめん、先に会場の方に向かっておいてくれないかな?俺は後から追いかけるから。」

「あの薬、何だったんだ?」

「俺が聞いてきた話に何かを入れ替える機能を持った薬とは言ってたけど、いったいそれがどういった効能かまでは聞き出す事が出来なかったんだよね。」

「ヤバい薬じゃないのか?あの将吾が部屋から出て来ないなんてさ。」


憲明は自分が薬を飲まなくて良かったと思いつつ、祐斗にそう言いながら将吾の部屋を眺める。

しかし、一向に将吾は部屋から出る気配はない。啓太達は残った袋の中身を確認する。その中には様々な衣装が入っており、各々に衣装を取り出すと服を着替えた。

祐斗と憲明はタキシード、啓太とメイは劇団で使われる様な格式ある貴族の衣装。雅史と昌宗は陣羽織を羽織った侍のような衣装を身にまとっていた。そして、目元を隠すタイプの仮面を付けて、まさに仮面舞踏会に行く様な姿になっていた。


「メイ、凄く似合ってるし、カッコイイよ。」

「ケイタも凄く似合ってて、素敵よ。」


将吾は、自室に戻り、自分に起こった変化を確認する。自分の身に何が起こったのか、鏡を見れば見るほどため息しか出なかった。


「…どうしよ。でもこれも祐斗の言う出資者の意図なんだろうなぁ。って事は、この状態で俺に何をさせるつもりなんだよ…。とにかくこの状態じゃ何もできないし、みんなには先に行ってもらって後から追いかけるか…。」


将吾は再び大きなため息をつき、ベッドに横になる。

そうしている間にヘリスは、どこかの貴婦人の様なドレスを身にまとって、みんなの前に現れた。祐斗はヘリスの姿を見て、見惚れてしまったが、「馬子にも衣裳だな」とコメントをしただけだったので、ヘリスは少しご機嫌は斜めになってしまうが、祐斗は、気にせずに会話を進めていく。 

そして、すでに外に用意していた馬車に乗ってコラスの街の舞踏会の会場である館へと向かった。




将吾は、啓太達がコラスの街に出発したのを自室の窓から確認すると、部屋から出て、トウカの元へ向かう。彼女には事情を話し、衣装を作成してもらった。


「ショウゴさん、あなたも苦労するな。よくそんな姿になっても依頼をこなそうと動く気になるな。」

「仕方ないよ。祐斗が世話になってるのもあるけど、ここを維持する為に後ろ盾になってくれているとなれば、出資者の要望には応えなきゃいけないからね。」

「なるほどな。なら少し待っててくれないか?小一時間ほどで衣装は用意させてもらう。ノリアキさんのパーカーというのを作った事もあるし、作ってみせるさ。」


そう言うと、トウカはレースとシルクの布を取り出して、作業に取り掛かる。将吾はその間に変化した状態でも自分は戦えるのかという事を確認する為にローブを羽織ったまま中庭に出て技を確認していった。



移動の馬車の中では、全員が調査対象の資料に目を通していた。


「この人物はいったい何者なんだ?」

「サンクチュアリ帝国の将軍だよ。」

「見た目、俺達と変わらないのに、将軍かよ。」

「多分、俺達と同じ様に十王神の力の宿る果実を食べた能力者だろうと思う。だからこいつの能力を知りたいんだと思う。キメラの件もあるから急いでこの件を済ませて出発する支度をしないとな。なぁ、メイはさっきこの資料を見た時に様子が可笑しかった様に見えたんだが、この人物と面識が?」


「私の記憶違いだったから気にしないで。そんな事より、これから私達でこの人を捜して、どうやって調べるの?観察してても力なんてわからないんじゃないの?戦闘でもないと、難しくない?」

「まぁそこも出資者が何かしてくれるだろう。」

「その出資者の護衛も任務の内って事は、その出資者も来るんだよな?危なくないか?」

「まぁその為に俺達がいるんだと思うし、それに傍にはあの人もいると思うから大丈夫だとは思うけどね。」

「あの人?」


祐斗は、「会えば分かるよ」と啓太達に言い、少し仮眠をとった。近くの街とはいえ、二時間は移動するのだから、ここで仮眠をとっておかないと、本番で体力が尽きてしまっては元も子もない。啓太と昌宗も同じ様に仮眠し、メイと雅史、ヘリスは窓から外の風景を見ながら周囲の警戒をしつつ、コラスの街へと向かった。



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