~Pleasure of Death~
キメラを使役する魔具を手に入れた晋司は、ラプソの村に向かっていた。それまでの道中で牝の人狼セクラとラミ、青鬼の三姉妹のサヤ、サユ、サヨそれに赤ウサギ、牝の豚三姉妹のイベリ、アグ、チャミが逃げてしまい、苛立ちを感じながら立ち寄る町や村をキメラ達に襲わせていた。
「全く、何なんだよこの魔具!ちゃんと使役出来てねぇじゃなねぇか!」
「でもちゃんと他のキメラは使役できてるじゃありませんか?」
晋司の愚痴を優しく聞きながらそう言うと、晋司を後ろから抱き締め頭を優しく撫でる女性。
「あれは低級の自我を持たない奴等だけじゃないか!」
「私は違うじゃないですか?私はちゃんと自我を持ってますし、シンジ様の忠実な奴隷ですよ?」
「マティは別だっ!お前は他のキメラとは違うしな。それにお前だけ成功しても、他の奴を使役できなきゃ俺の楽園ができないだろ!」
晋司はマティを押し倒し、怒鳴り散らす。それでも嫌な顔一つせずに両腕を晋司の首にまわし、優しく抱き締める。
「よしよし、良い子ですから落ち着きましょ。その為に周りの街や村を襲ってシンジ様に楽しんでもらってるのですから。」
「ならまだ啓太の奴は見つからないのかよ!こんな目に遭ってるのも全部アイツのせいなんだ。神様は俺と啓太を間違えてるんだよ。俺があの忌むべき者っていう女の子と旅をしてこの世界を救う正義の味方になるはずなのによ!」
「そしたら私と会えなかったんじゃない?」
「でも一度はあの場所から逃げたんだろ?」
「重症だったけど、シンジ様が助けてくれたんじゃない。だから私はシンジ様についてるんだから。」
「だからちゃんと正しい役で転移して来ても、マティは俺の所にいるだろうけどな。」
マティは晋司の耳元で「ありがと」と囁き、晋司を優しく抱き寄せた。
翌日、晋司はマティを連れて街を歩いていた。
既にラプソの街は晋司がキメラの群れを使って滅ぼしており、辺りには街の住人だった者の死体が幾つも転がっていた。
「マティ、死体を片付けておけってキメラに命じたか?まだこんなにも転がっているじゃないか。」
「申し訳ございません。キメラ達も最低限しか食事をしていないみたいで、次にいつ食事が出来るか分からないので、節制しているみたいです。」
「食料が無ければまた次の街や村を襲えば良いだろ?」
「この周りも少しずつ冒険者やサンクチュアリ帝国の手が入って攻めにくくもなっておりますので、キメラ達も警戒してるんですよ。この奥のレクエムという村ではキメラが以前襲撃したみたいなのですが、十王神の機龍王と光天王によって撃退されたみたいですし。」
「全く、使えないな。ちゃんと明日までには片付けておけよ。」
「分かりました。」
「泉の方はちゃんと俺の言った通りにしてあるんだろうな?」
「もちろんです。人型に擬態出来る女型のキメラ達を集めさせております。」
「衣装は?」
「それも仰られた通りのモノに着替えさせてあります。私も到着次第、すぐに。」
泉に着くと、そこだけは街の無惨な状態とは打って変わり、何か祭りがあるかの様な装飾が施されていた。
晋司が泉の畔に着くと、キメラ達が人型に擬態して水浴びをしていた。
「あ、シンジ様ぁぁ!」
キメラ達が晋司の姿に気が付くと、水浴びを止めて晋司に歩み寄る。どのキメラも程よく実った胸にきゅっと引き締まったウエスト、それを無闇に強調させない下腹部を上下布一枚ずつの姿で出迎える。
「ちゃんとシンジ様の言いつけ通り"ミズギ"というお召し物に着替えてお待ちしておりましたぁ。お話のあったミズギとはこの様な物で宜しかったでしょうか?」
「やっぱ水辺には水着のケモ耳だよなぁ!」
晋司は鼻の下を伸ばし、舐め回す様な目付きでキメラ達を見て回る。
「どうですか?人型に擬態し切れない者には街の住人の皮を剥いで着せておきました。お気に召しましたか?」
「最高だよ!それにマティ、お前が一番最高じゃないか!」
後ろから水着に着替えてきたマティが晋司の前に現れる。先程までのローブから一変して豊満に実った胸に引き締められていてもムチっとした腰周り、まさにナイスバディといえるその容姿に男を魅了するかの様な赤い水着。晋司は興奮を抑え切れずに鼻息を荒くしていた。
「でも、よく水着なんて手に入ったな。防水の布なんてこの世界じゃ珍しいだろうに。」
「えぇ、ですからこの子達にはこの街で人間と共存していたリザードマンの皮を剥いで仕立てあげました。私のまでは生地が足りませんでしたので、ただの布ですが。」
マティは少し恥じらいながら布に手を当てて水着を隠そうとする。晋司はその仕草に更に息を荒げ、目が血走る。
「シンジ様…。目が、目が怖いです。」
「お前が悪いんだろ、そんな格好で俺の前に来るから。」
「だって、シンジ様が喜ぶと思ったから。」
「当然だろ…にしても、かなりの数のリザードマンがいたと思うが?」
「上質で、尚且つこの子達が着ても良さそうな皮があまり取れませんでしたので。あと、シンジ様がお楽しみになさるかと思い、人間の娘を一人残しております。」
「へぇ、上物か?」
「見た目はよろしいかと思いますが、私達キメラには人間の殿方が喜ぶ娘がどういったものなのか分かりかねますので、その点はご了承くださいね。」
連れて来られた人間の娘は、奴隷の着るボロ布一枚を身に纏い、晋司の前に突き出された。その娘の容姿はマティに負けずとも劣らないが、瞳は憎悪と恨みが滲み出ており、今にでも晋司に襲い掛かりそうな勢いで
「まぁまぁの代物じゃん。」
「アンタがこの化け物達の主人なの?」
「化け物って、その威勢に目付き、お前の方が化け物じゃん。そのスタイルなのに勿体ない。もっと自分の状況を弁えたり、この状況を楽しめよ。俺の相手が出来るんだぞ?喜べよ。」
「そんな事出来るか!目の前で両親や夫、子供までも皆殺しにされて、それにこんな辱めまで受けて喜べるか!」
「何だよ生娘じゃねぇのかよ。じゃあいいや。お前等、そいつ喰っていいよ。」
その一言を合図に、キメラ達は人型から獣の姿に変わり、集団で人間の娘に襲い掛かる。娘もせめて晋司に一矢報いようと晋司に襲い掛かる。しかし、その威勢は虚しくも無惨にも晋司に届く事はなく、キメラ達の牙や爪にズタズタに引き裂かれていく。威勢よくあげた雄叫びも痛みと死への恐怖の断末魔へと変わり、娘の姿がだんだんと消えていく。
唯一、首筋から溢れた血飛沫の一滴だけが晋司の頬に届き、その一滴をマティが優しく舐め取った。
「俺は他の奴の食べた後のモノを食べる気はないんだよね。初物か俺しか食べてないのだけしか食べたくないんだ。さぁ泉で洗い流してバカンスを楽しもうじゃないか!」




