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EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第二章-復讐の合成獣編-
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~蒼の洋館(アミューズ)~





将吾はコラムの街に着き、まず市場を散策した。

様々な食材が市場にはズラリと並んでおり、街並みや人の様子を見ていると、キメラに襲撃される可能性があるとは到底思えず、警戒態勢を取っている事を忘れてしまいそうだった。


「兄ちゃん、見ない顔だね。旅人さんかい?」

「まぁ似た様なものかな。冒険者なんだ。用事でこの街に立ち寄ったんだけど、ここは食材が豊富だね。」

「様々な場所からここに食材が集まるからね。何かご所望かい?」

「今は無いんだけど、戻る時に色々と買い込みたいから、色々見て回ってるんだ。」


市場の親父は「欲しい食材があったら用意しとくから声掛けてくれな。」と返答し、将吾は市場から街の外へ出た。サンクチュアリ帝国の方角を確認する。コラルの街からサンクチュアリ帝国のある方角は砂漠地帯になっており、とりわけ隠れる所も無ければ、生物が生息する気配すらなくただ砂だけが広がっている地帯だった。かなり離れた所には憲明と昌宗達が超えてきた森があるだけの地形であった。

もし自分がサンクチュアリ帝国側の人間だったらどこからどうやって攻め入るかを考えた。キメラの数がどれほどかが分からないが、多数なら正面から雪崩の様に、少数なら側面からの挟み撃ち式、それともトロイの木馬式に内側からか。色々な策を頭の中で展開していった。


「そんな策じゃ到底キメラの大群には叶わないんじゃないかな?それに見た所ただの人間みたいだし。」


急に声がして振り向くと、そこには一人の青年が立っていた。背中には布で覆われている自分よりも大きな大剣を背負っていた。


「え?俺、考えてた事声に出してた?」

「そんな事しなくてもお見通しだよ。まぁ君の考えではどう頑張ってもキメラには勝てそうにないけど。まず君一人だけって所が無理だね。それこそ伝説の十王神の力でも持ってないと。見た所、実力も無さそうだし。」

「なら試してみる?最初に言っておくけど、それなりには強いと思うよ。」


将吾はいつでも抜刀出来る様に左手を刀に添える。その行動よりも先に青年の背中にあった大剣が将吾の首筋に突き立てられていた。


「チェックメイト。それなり以下だな。まず遅過ぎる。」

「…待ったは有りかな?」

「残念ながら無しだな。」


青年はそのまま大剣を将吾の方へと押し込む。突き立てられて押し込まれる少しの瞬間に将吾は距離を開ける様に後ろへと下がった。


「会話する時間さえあれば、むしろそれは待った有りだよ。」

「思ったよりやるな。なら良い事教えてあげるよ。キメラの大群はサンクチュアリ帝国の差し金じゃない。元々はサンクチュアリ帝国が投入するはずだったんだが、何者かによってキメラを操る魔具を奪われてしまって、サンクチュアリ帝国側も奪還に軍を出しているみたいだ。」

「え?という事は…キメラはもう帝国の傘下って訳じゃないのか?」

「予備の魔具を使って隣のヒムの街をキメラ博士が探しに行ってる。俺はこの街を探す様に言われたんだけど、ハズレみたいでね。おっと結構喋ってしまった。これ以上は話せられないな。」


青年は再び大剣を構え、先程よりも早い速度で将吾に斬り掛かる。しかし将吾は青年の速さを超えて抜刀し、その剣圧で大剣を弾き返す。


「な、なにっ!?」

「天牙理心流、飛刃。そして裂波っ!」


青年が怯んだ隙に、将吾はさらに追い討ちをかける様に、距離を詰め黒刀でさらに高速で斬り掛かる。青年も大剣で将吾の攻撃を防ぐだけで精一杯であるのか、それ以上動かずにいる。

しかし将吾の攻撃はスピードがある分、パワーにかけており、大剣を突破出来ずに攻撃を全て受けきられている。

もっと速く、そして正確に一点を狙い続ければあの大剣を突破できるかもしれない。将吾はそう考え、さらに攻撃を繰り返す。




「お前、いったい何者だ。並の人間の速さを越えての攻撃。それにこの剣術…、天牙理心流か。名前を聞いておこうか。」

「…将吾。」

「ショウゴか。俺はジーク。お前の事は覚えておこう。でも、俺もただ驚かされっぱなしというのは割に合わないから、とっておきを見せてやるよ。」


ジークの左眼が赤黒く染まり、その眼光が鋭くなる。再びジークが大剣で将吾に斬り掛かる。将吾も再び飛刃で斬撃を飛ばすが、大剣の斬撃を受け止め切れず、その衝撃に後ろへと弾き飛ばされる。


「エフェクト・キャンセラー。これが俺の能力。どうする?まだ来る?」

「能力無力化能力って事か…。それに大剣を振るうだけの腕力。能力的にもパワー的にも勝てる気がしないんですけど…。」


将吾はすぐ様体勢を立て直し、瞬時にジークの懐に入り、斬撃を放つが、大剣に阻まれて

しまい、再び弾き飛ばされる。


「スピードなら勝てると思ったみたいだけど、それも俺の方が上みたいだったね。」

「ますます勝てる気がしねぇ…。」


将吾は必死に勝てる術を考える。武器を召喚してもジークの能力で消されてしまう。パワーもスピードもジークの方が優っている。そんな状況で自分が勝てる方法はあるのだろうか。どんなに策を考えても思い付かなかった。


「やっぱどう頑張ってもショーゴ、君にはキメラを止める事は出来ないと思うよ。たしかにそれなりには強かったけど、決め手がないね。」

「さすがにこの状況はやばいな…。勝てる気がしないよ。」



ジークは大剣で将吾の右腹部を斬り付け、更に剣圧で将吾を吹き飛ばした。傷は深く地面に叩き付けられた衝撃で意識を失ってしまった。

ジークは意識を失った将吾に近付き、トドメを刺そうとするが、自分の右脚に一撃を入れられており、その場に膝を付いた。


「あの一瞬で俺に一撃を…。あの速さは能力じゃないって事なのか?…まぁこの実力なら、もしかしたらカイ様を…。試してみる価値はあるかな…。」


ジークは将吾を抱えると、右脚を引き摺りながら、コラルの街に戻り、その中心部にあたる場所に建てられた洋館の敷地内に将吾を投げ込んだ。



「さぁ、生き残れるかな?」

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