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EARTH OF END/ALTERNATIVE -DIEND-  作者: 吾郷夜月/原作:天元遊戯
第二章-復讐の合成獣編-
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~騎士の門~





ついに六人が揃い、この世界の状況も大まかに理解してきたつもりだった。


「何だい、祐斗。皆を集めてさ。」

「やっと六人揃ったんだ。これまでの事、そしてこの世界の事、情報を整理しておこうと思うんだ。この前の戦闘でサンクチュアリ軍もすぐにはここに攻め込まないと思うし、落ち着いている今の内にね。」

「…で、啓太は?」

「まだ寝てる。今、メイに起こしに行って貰ってるんだ。その間に朝食の支度をね。朝は簡単にサンドイッチにしたよ。飲み物は悪いけどコーヒーと牛乳のどちらかしかないから。」

「…将吾、もう既に主婦だな。」


皆が席に座ると、将吾は朝食のサンドイッチを並べていく。それに続き、昌宗が連れて来たメイド達On-LeaFs達もスープとコーヒー、牛乳を並べていく。


メイは啓太の部屋に入り、啓太の身体を揺すりながら起床を促す。


「ケイタ、もう朝よ。皆もう起きてケイタの事待ってるよ。」

「…うぅん。」


これまで啓太と共に旅をする中で、メイも知ってはいたが、啓太を朝起こすのは至難の業であった。それでもメイはこの旅の中で啓太の起こし方をマスターしていたのだ。布団をひっぺがし、窓のカーテンを勢い良く開ける。朝の陽射しが部屋に差し込み、啓太の顔を照らす。


「…もう朝か。」

「おはよ、ケイタ。もう皆ケイタの事待ってるよ。早く着替えて朝食にしましょ。」


数分後、啓太とメイが食卓へとやって来る。啓太がすぐに起きた事に雅史に祐斗、憲明、昌宗は驚きを隠せずにいた。将吾だけはメイが啓太を起こすプロだという事を知っており、二人が席に座ると朝食を並べていく。


「メイ、君は凄いな。あの啓太を意図も容易く起こして連れてくるなんて。」

「僕って、そんなに寝起き悪くないだろ?」

「「「「「いや、悪い」」」」」

「ちょっとね、コツとタイミングがいるの。」


メイはクスクス笑い、食事は楽しくできた。

食事を済ませると、祐斗はコーヒーを飲みながら話を切り出した。


「まず色々と情報と状況を纏めたいと思うんだ。」


祐斗は地図をテーブルに広げ、チェスの駒を取り出す。


「まず、この世界は三つの国が統治している。北部にあるのがサンクチュアリ帝国。南西にイコルマ法国、南東にアルカディア共和国。そして中心にあるのがティーダイース公国。大きく分けてこの四つの国が統治しているみたいなんだ。そして俺達がいるレクエム村、イコルマ法国の領土でサンクチュアリ帝国の国境沿いにある村だ。俺と雅史は気が付いたら村の隅に倒れていたんだ。」

「あの時は焦ったよな。いきなりアースだもんな。」

「雅史と祐斗はまだ二人一緒だったからマシだよ。僕なんて一人だったし、いきなり巨人に出くわして大変だったんだ。」

「啓太がアースで最初にいた場所は、話からするにサンクチュアリ帝国領土の森だと思うんだ。」


祐斗はサンクチュアリ帝国側の森にチェスの駒を置く。


「俺は骨の山にいて、悲鳴あげて気絶したら天牙理心流の道場に運ばれてたんだ。」

「将吾がいたのは、多分アルカディア共和国のノクタン村の近くだと思う。あの近くには骨塚みたいな山があるらしくて、たぶんそこだと思うんだ。」

「ノクタン村…たしかそんな名前の村だったよ。」


「…で、このレクエム村はイコルマ法国の領土。ここは表立っては冒険者組合の拠点としてるが、レジスタンスの拠点にもなってて、イコルマ法国からの後ろ盾で組織が成り立ってるんだ。俺はこのレジスタンスのまとめ役を任されてて、皆にも冒険者として活動しつつレジスタンスとしてサンクチュアリ帝国と戦ってほしいんだ。」


祐斗は深刻そうな顔で啓太達の回答を待つ。


「サンクチュアリ帝国はメイを異様に付け狙ってるから僕は構わないよ。」

「俺も目の前で人を何人も殺された。あいつ等を許せないよ。」

「俺はこの子達を玩具にした分の礼はしないとな。」

「皆がやるなら俺もやろう。」


全員の意見は一緒だった。

祐斗は、全員の答えが分かっていて質問した様に、メイは感じていた。


「決まりだね。」

「な、皆何だかんだ言っても力になってくれるって言っただろ。」


雅史は祐斗の背中をポンポンと軽く叩き、ニコッと笑みを零す。


「あぁ、答えは聞かなくても分かっていたけどさ、一応ね。それから元の世界に帰る方法を探そう。」

「帰れんのかねぇ。あの大学長にはちゃんとケジメつけさせねぇとな。」


憲明の言葉で啓太は大学長によって、この世界に来た時の事を思い出す。

入学して間もない自分達を何故この世界に送り込んだのか。将吾達に出会えたけど、他の生徒達はどうなったのか謎はまだ多いままだった。


「レジスタンスを任されているから、俺はこの場から基本的には動けない。今までは雅史が冒険者として各地で依頼を熟しているんだけど、他にもメンバーがいて、情報を集めてくれている。と言っても、戦闘できるのは雅史だけで、他のメンバーは基本的に情報収集をしてもらってるんだ。」

「という事は、僕達で一気に戦力強化だね。」

「で、この冒険者ギルドというかレジスタンスの名前は?」

「ナイト・オブ・アーチ。」


ナイト・オブ・アーチ《騎士の門》。それがギルドの名称であった。

こうして啓太達は、冒険者ギルド(レジスタンス)ナイト・オブ・アーチのメンバーとなった。表立っては冒険者として様々な依頼を受け、サンクチュアリ帝国の動きを探り、侵攻を防ぐ為に動く存在となった。


「それで早速なんだけど、皆にやって貰いたい依頼があるんだ。それも四拠点同時ミッションになる。」


祐斗は将吾が淹れたコーヒーを一口飲み、再び地図を広げる。


「まだ確定情報じゃないんだけど、サンクチュアリ帝国が人口生物“キメラ”の製造に成功して、各地で試験運用しているみたいなんだ。」

「キメラ?あの動物同士を合体させたモンスターのか?」

「そうだ。それにどうやら憲明が逃して俺と雅史が倒したマンティコアも、どうやらそのキメラと同じ人工的にモンスターを合成して作られたモンスターらしいぞ。」

「そんなのが野生にいたって、あの森怖すぎる所だったのか。」


憲明は祐斗の話を聞き、ある二つの事気になった

一つは、森で逃してしまった二体のマンティコア。アースの世界では、自分達のいた世界には存在しない物語等で登場する架空の生物が実際に野生で存在しているからマンティコアみたいな合成生物も野生で存在していると思っていた。しかし、それはサンクチュアリ帝国が作り上げた生物であった事。

もう一つは、シンゲンとマリアの事だ。二人はサンクチュアリ帝国によって生み出された融合生物フュージョニアだ。もしかするとそのフュージョニアの技術がマンティコアやキメラは、シンゲンとマリアのデータが生んだモンスターなのではないかと、憲明は考えていた。


「あのマンティコアは、何かトラブルがあって逃げ出した内の二体らしいけどね。詳細はよく分からないけど。どうも情報が入り乱れているんだ。そのキメラの量産に成功したらしく、近々戦線に投入されるらしい。俺達はそのキメラの部隊を無力化するのが任務なんだ。でも、その場所が特定出来ていなくて、狙われる可能性がある四箇所で待ち構えるしかないんだ。そこで啓太はレクエム村から西にあるラプソの村を。憲明は東にあるアンプロの街を。最近動きが怪しい南のシンフォ村を昌宗。そして一番サンクチュアリ帝国側にある北のヒムとコラムの街には、将吾と雅史の二人に行ってもらう。」

「俺と雅史というと、完全に近接戦闘特化になるけど、かなり北の村は可能性大って事なんだね。」

「俺はそう思ってる。何となくだけど。それに昌宗に行ってもらう西の村はサンクチュアリ帝国から一番離れているけど、きな臭い動きがあるみたいで、そっちも気になるんだ。あと、キメラには魔法耐性があるらしいから、啓太と憲明は不利になるかもしれないから、十分に気をつけてくれよ。」


祐斗の話が終わり、憲明は屋根の上で空を見上げながら物思いに耽っていた。

シンゲンとマリアは、サンクチュアリ帝国が生み出したフュージョニア。そして昌宗のメイド達もフュージョニアの技術から生まれたシンクロナイザー。それにマンティコアとキメラ。サンクチュアリ帝国の非情な研究が許せずにいた。これ以上シンゲンとマリアの様な子供を増やしてはいけないと思い、苛立ちを隠せずにいた。出来れば自分が最前線で戦いたいと思うが、今の憲明の状態で最前線で戦わせるのは危険だと思った祐斗の計らいだと思った。作戦参謀としては良い判断だと憲明自身も思っていた。戦いたい気持ちはあっても。


「よう、憲明。お前、絶対祐斗の人選に文句を言うと思ったよ。」


そこにやって来たのは昌宗だった。


「祐斗の判断は正しいさ。怒りのまま戦うわけにもいかないしさ。それで我を忘れて暴れちゃヤバイだろ?」

「俺もメイド達の事を思うとサンクチュアリ帝国の奴が許せないからな。人体実験なんて許せねぇ。」

「一番キメラの進軍の可能性が高い所は、将吾と雅史に任せて、俺達は持ち場でキメラが現れた時に迎撃できる様に最善を尽くそうぜ。」


憲明は昌宗にそう告げると自室へと戻って行った。


「ねぇユートさん。皆に各地で起こっている事件の事、話さなくて良かったんですか?」

「まぁまだ不確定な情報で啓太達を混乱させたくはないからね。それにあいつ等なら何とか解決してくれると俺は信じてるからね。それに各地の事件もキメラと関係していそうな案件だし、ここはあいつ等に任せるよ。イコルマ法国からも五つの街や村で異変が起こっているから何とかしてほしいとしか言われていないから、情報という情報なんて俺達も持っていないから情報の与えようがないんだ。」


祐斗はヘリスと残った部屋で密談するのであった。


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