男子学生の夏の一コマ
本日は雲ひとつない晴天である、こんな猛暑日は少々外に出ただけでも
体力を奪い始める。
「アチー・・・なんでこんな日に忘れ物しちまったんだろ・・・」
時間は太陽が一番暑くなるころ、
そんなときにわざわざプールにいっている理由は、
水着を忘れてしまったからだ、昼食を終えいざ遊ぼうとしたときに気づいた。
一瞬、忘れたままでもいいかと思いはしたがそれでは、
今度の授業のときにプールを眺めながら
プールサイドを掃除すると言う、暑く苦しい事をしなければならない。
そんな事になるくらいなら、忘れ物をとりにいこうと思い
この貴重な昼休みを暑い外にまで行っているわけだ。
「くそ・・・、なにもこんな暑い日に忘れ物をしなくてもいいじゃないか・・・
さっさと忘れモンとって、昼休みの続きを楽しまないと」そんな一人ごとを
呟く男の子の背中に不意に衝撃が響く。
「うぉ!!いきなりなんだ!」とは言ったが、こんな事をしてくるやつは
一人しかいないので
びっくりしつつも後ろを見ると女の子が笑いながらこちらの顔を見ていた。
「こんなところでなにしてんの?」そう笑いながら女の子は、
質問を投げかけてきた
「水着忘れたからわざわざこんな時間に取りに来たんだよ、そういうお前は何で
外にいるんだ?」と女の子に質問する。
「いやー図書館にでも行こうかと思ったら、外に歩いて行くのが見えたから後をつけてきた!」
そうニヤニヤ笑う女の子に男の子は「それなら、こっそりついてこいよ・・・
なんで途中で背中に飛びついてきたんだ・・・ていうか暑いから離れてくれ、
外に出るだけで暑いのにこのまま話すのは暑すぎるだろ」と暑そうな顔をしながら
男の子はそう言う、暑いのも本心であるが、
女の子との至近距離は精神的にも嬉しくもあるが辛くもある。
そんな顔を見てた女の子は「そうだね、あたしまで暑くなるし
ここら辺でやめときますかね」
女の子がスッと離れると男の子は、「じゃ、俺は忘れ物を取ってくるから」と
言うとプールに足を進めだした。
すると女の子は、「そっか、それならついて行こうかな」と男の子と一緒に
プールへと向かい始めた。
男の子が更衣室に入ると、「えーっと、今日は一番奥で着替えたから・・・」
と一番奥のロッカーを開けた。
「お、あったあった、それじゃあさっさともどろーぜ」と言いながら
女の子のほうを見て見ると、顔をしかめながらこちらを見ていた。
「なんでそんな顔してんの?」男の子が不思議そうに女の子に聞くと
「男子更衣室って結構匂いがきついんだね・・・」と、顔をしかめながら言った。
「それなら早く出ようぜ」と男の子が言うと、女の子は首をコクコク動かして
返事をした。
更衣室の外に出ると「スー!ハー!、あー外の空気がおいしい」
両手を、思いっきりのばしながら気持ちよさそうにしていた。
「しかしそんなに臭いもんかね、女子の方もおんなじ感じじゃないのか?」
男の子がそうたずねると、
「んー、まぁキツイといえばキツイけど、男子更衣室の方が全然キツイかな」と
笑いながら女の子はいった。
男の子は、自分の腕の匂いをかいで、「ふーん・・・わかんないけど
そんなモンなのかね」そう感想を漏らした。
すると、いきなり女の子が、顔を胸の辺りに近づけて匂いをかいできた、
男の子は「何でいきなり匂いをかいできてるんだよ、汗臭いぞ」男の子は
そう言いながら、急にふわりと漂ってきた香りにドキッとしていた。
女の子は匂いをかぎながら「んー全然嫌な、匂いじゃないけどなぁ・・・」と
ますます、ドキっとする事を言い出したのだ、さらに続けて
「むしろ、好きな匂いかもしれない」と
女の子は眩しい太陽にも負けないような笑顔で、
男の子がドキドキするような事を言い出した。
男の子は「それ他のやつにはしない方がいいぞ・・・急に匂いをかがれて
良い思いするやつはいないだろうし・・・」太陽で暑くなった顔を隠しながら、
そう女の子に言った。
女の子は「しないよ~いきなりこんな事したら嫌がられるだろうし」と
笑いながら男の子に言った。
男の子は、頭の中で【ならなぜ俺にはしてきたんだ・・・】と思いつつも
何も言わず一緒に、教室へと戻って行った。
おわり
すこしだけ、ドキドキする男の子の心情が伝われば良いなぁと、思い作成いたしました。
楽しんでいただけたのなら、幸いです。