-臑擦の雨漏り屋-
今日は、寒いです。辛いです。物書きには本当辛い季節ですね。手が凍えて紙に書くのもパソコンに打ち込むのも苦労するし、頭も凍って働かないし。
だから今回の話は激短!だよ!(無理な言い訳だ・・・。)
粗筋ですか?プロットですか?みたいな。驚異の短さ。前書きと後書きを足したら余裕で本文超えますよ。終に此の巫山戯た前書きが主役になる時が来たんですね!
さてと、冗談は置いといて、今回は此の子、臑擦です!ぱっと見只の文章か熟語ですね。
一部の地域だと有名なんですけどね。妖怪です。狗か猫の様で人の臑を擦ると言う。
何の為に居るんだ、と疑問に思う様な子です。でも確かに此の子は遭遇率高い気がしますね。足元が不意にほっと温かくなった時は此の子が足の間潜って遊んでいるのかなぁ、と思ったり。今の季節何匹か引き取りたいですね。
話は変わりますが、臑と聞くと皆さんある諺を連想しませんか?筆者としては臑を齧る、が真っ先に出ます。自立出来ずに親だとかに養って貰う事だそうですが、恐ろしい言葉ですね。他には臑から火を取る。臑に疵持つ、臑脛の伸びた奴って言うのもありますね。おや、貧乏に疚しさに木偶の棒と、何とも嫌な言葉が続きますね。昔の人にとって臑は余り良い印象ではなかったのかも知れません。
では其の脛に擦り寄って来る臑擦は一体何を思っているのでしょうか。
今日も昨日もしとしと雨か
こんな霄だと雨漏りが酷くて仕方がない
然もあの日を思い出すったら、動かぬ足が疼くもんだ
噫坊には話していなかったか
じゃあ一つ教えて置こう
退屈の一つでも潰せれば
彼はもう何年も昔の事
雨漏りが酷い此の家には臑擦が居たんだ
只家を越すにも金が無い、屋根を直すも皆足が悪い
大した害はないのなら、と特に何もしなかったんだ
でもある日、余りにも足に擦り寄る其奴を踏ん付けちまった
特に彼の霄は繊月で御負けに重く曇っていたから足元が見えなかったんだ
彼の時初めて彼奴等の声を聞いたよ
「酷い酷い、こりゃあ余だ。そんな悪い足は要らないよ。」
其の臑擦は子供だったのか余りにも小さくて、臑を齧ると消えてしまった
でも其の咬み所が悪かったのか彼からすっかり歩けなくなってしまった
片足が動かんのは其の所為さ
でも彼が子供だったから良かった
若し大人だったなら・・・
噫父よ、何故其の話を昨日して下さらなかったのです
だったら昨日、徒なんてしなかったのに
突然子供は蹲ると呻き、悲鳴を上げた
子供の投げ出した足、其の膝から先が・・・
「・・・」エンド。ま、べたですよね。過ちは繰り返すと言いますか。此こそ本当に忘れられる可き話かも知れません。でも今回は未だ救いがありますよね。足無くなった丈だし、丸呑みされてないんだから、まぁ此の後に失血死しないとも限りませんが。でも考えたら怖いですよね。もう足、一生動かないんですよ。筆者はいとも容易く登場者達の足を捥いだり、命を奪ったりしていますけど、恐ろしい世界です本当。寂しがり屋の猫ちゃんだと思ったら足を咬み斬る狼だなんて。何より恐いのが実は此が良くある事だからです。
自業自得とも言えますけど、等価交換だなんて結局、人の都合です。対等でない段階で、相手の全てを分かり合えない不完全な存在の段階で其は無理な話です。
次回もまぁ似たような話ですね。妖怪シリーズです。
ではでは良い物語を。