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墜落の鍵
「その場合、デジャブの先にあった未来は、消滅することになりますね」
あれ、でも未来が消滅するなら、カインはだから何でまたこの世界に居るんだ?
「ああ、10日後、『ドラゴンサーガ』のサービスが終了したら、またこの世界に戻ってたってわけ。どうやら現世でのサービス停止が、俺の墜落の【鍵】になってるみたいだな」
カインが、自分の身に降りかかった出来事を、淡々と告げる。
「ちょっといいか」
ん、ひとみん、どうした?
「いや例えばだな、10日間じゃなくてアカウントの永久停止になったら、どうなるんだ?」
「うっ」黒騎士カインが、狼狽して、続ける。
「……多分、その場合は現世に戻れないと思う。現世の巻き戻り時間が永久になる、ってことになるんじゃないかな。あまり考えたくないけど。あるいは、現状の世界がサービス停止になったら……」
それこそ、魂の輪廻から外れることになる……?




