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契約彼女とあいじょう
は?
ひとみんの方を見る。ひとみんは固まっている。赤面している。
そのままカインに問いかける。
「ど……、どうしてその話を……」
「いや俺さ、シェバのギルドに厄介になってるんだが、お前の元ギルメンとかいう小龍って新人が言ってたぜ。『ヒトミさんがよく話してました』ってよ」
な……、何を……?
「だからさ、お前……、えと、ノブって呼んでいいか?」
いいけど。
「うん。ノブとのことをヒトミさんが『オレたちはアダムとイブ』だって、よく話してたって。それでピンと来て、もしかしたらお前達二人も……、未来人、だっけか。やっぱり同類かもしれないって思ってよ。伝えたいこともあったし、それで来たってワケ」
……ひ、ひとみん?
「め、面目ない……。多分、小龍のヤツだw」
……まったく悪びれてない。
「でもいーじゃんかー。そういう「契約」だろ? 彼氏だって」
け……、契約彼氏、ね……。
でも確かに約束はしたが、「契約」だってなら俺だって見返りがあって当然なんじゃないのか?
「あるじゃん、見返り」
何がだよ。
「オレの愛情」
ひとみんが、にしし、とか言って笑っている。




