すきだぜ、ノブナガ
……その「おにいちゃん」って呼び方やめろ……。
「いや、普通はさ、『苦しいならゲームやめればいいじゃん』って言いがちな場面じゃんか」
ああー。
「だけどさ、「苦しいからやめる」って選択肢がそもそもよくわかんないんだよね」
わかる。わかる。
「ノブナガなら……、どうする? こんな時」
……どうもこうも無いだろ。なるようになるさ。
「何だよそれー。ぶーぶー」
いや、そもそも今のお前、アドバイスなんか求めてないだろ。悩みをうちあけてストレス解消したいだけ。
「むむっ、確かにそのとうりだが、面を向かってそういわれると、否定したくなっちゃうなw」
へへ、とひとみんがはにかむ。
「ノブナガってさ、なんかヤケに女の子の扱いうまいよな」
「ノブナガ様は、バツ3ですからね」
「あれ、そうな、のか……?」
あれ……、言ってなかったっけ。
ううっ、過去の離婚歴がばれましたとか、これがリアル世界なら相当めんどうくさい気がするが……。
「あっ、ごっ、ごめんなさい。バツ3といっても、ゲーム内での話で……」
イングリッドさんが慌ててフォローする。いや、ナイス。
……そもそも話を振ったのも天使イングリッドさんな気がするが。
「んと、今はつきあってる人、居ないんだよな、ノブナガ?」
お、おう。もちろんバツ3ってのも未来の話で、ゲーム世界っていっても墜落したこの世界の話じゃないぞ。(しどろもどろ)
「あ、それはどっちでもいい。とにかくノブナガは今、フリーなんだろ?」
はい、そうです。
「それなら、なーんにも問題ないさ、えへへ……」
そか、それならよかった。
「すきだぜー、ノブナガ」




