ギルマス専用部屋
おおー、懐かしいな。対人戦を勝ち抜いたギルドマスターだけが入れる、秘密の小部屋。
ひとみん、結構勝ってるみたいだな。
「ん? そうね。まぁまだ対人戦もあんまり研究されてないから。VIT型の騎士ずらっと並べとけば、そうそう負けないかな」
あー、そうか。ここってまだそういう時代なんだったなぁ。
「で、話があるんだけど」
ん? いや、話があるのは俺の方だろ? さっきのは誤解で。
「話があるのはお前でも、聞きたいのは俺のほうなんだよ」
はぁ……。
「さっきの女子とは、どういう関係なんだよ」
は?
「もしプレイヤーだまして脱がせたんだったら、軽蔑するぞ。恋人だったら、まぁ許すけど……」
え、いや違う違う違う! あれは天使さんで……。
「? 天使?」
え、お前には居ないのか、天使。
「何のこと?」
いや、俺は天使に導かれてこの世界に来たんだ。その天使は勇者としてこの世界を救わせたいらしい。
「むむ、ふーむ……」
今の俺の横に居るんだけど。ひらひらー、って。見えない?
「うむ、何も見えません」
そうなのか。一般プレイヤーに見えないのはなんとなく分かってたけど、俺たち未来人にも見えないの
か……。
「なんなら、紹介するけど。なんか受肉(?)すれば見えるらしいし」
「あ、いや、いい。なんか、会いたくない」
むむ、そうなのか……。なんか嫉妬してるみたいに見えるぞ、ひとみんよ……。
「それよりさ、その天使とはどういう関係なわけ?」




