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このゲーム、ラグくてすみません
「そこまでよ!」
俺たちを止める声。正確には、俺だけを止める声。
チラと声の主を見る。対人集団【レーヴァテイン】のギルドマスターで、俺と同じ未来人、ヒトミだ。
場の緊張がゆるむ。
「いや、すごい」
イケメン僧侶が、蘇生魔法で仲間を生き返らせながら、感心している。
「どういうステ振りなんですか?」
騎士達が、俺を質問攻めにする。
MMORPGにおいて、対人ギルドメンバーはおおむね、変人だと思われている事が多い。
モンスターがいるのに、なんで人同士で争うの? という感じだ。
人によっては、対人ギルドに属しているというだけで、毛嫌いにする輩もいる。
うっ……。
そういや昔、対人ギルドのギルマスやってるって好きな子にゆったら、
「あなたのこと、よくわからなくなった」とか言われたことあったな……(実話)。
へへ……(涙)。
「ノブナガさん?」遠くを見る俺に、不思議そうに騎士君がつぶやく。
あ、ごめん。ちょっとラグくて(嘘)。
「あぁ、なるほどです」
さっきとはうってかわりこの騎士君、ちょっと尊敬のまなざしで俺を見ている。




