いきなり乱戦!
フレデリカ城下にある大聖堂の一室が、ひとみんがギルドマスターを務める対人ギルド、【レーヴァテイン】の集会所である。いわゆる、溜まり場、ってヤツだ。
あのう、すみません、ノブナガと申しますが、ヒトミさんいらっしゃいますか?
とりあえず一番手前に座ってた魔術師さんに声をかける。
「少々お待ち下さい」と丁寧に対応してくれた。
どうやらひとみんは、奥の部屋に居るようだ。
……あ、魔術師さんが帰ってきた。
がちゃり。冷たい音。
あれ、俺の横を通り過ぎて、扉に鍵をかけたぞ。いやな予感がする。
「ええと、ノブナガ様に間違いありませんね」
うん、そうだけど。
「皆サーン、聞いて下さーい」
ん? 魔術師さんの声に、「レーヴァテイン」のギルドメンバーであろう皆がこちらを振り向く。
「この鍛冶屋ノブナガこそが、我らがヒトミ様を泣かせた張本人です!」
「「なっ何ッ!!?」」一斉に色めき立つ屈強な戦士たち。
「だからここで、殺しちゃいましょうっ」魔術師さんが、さらにそそのかす。
「おおおおおおお応!」
「敵襲、敵襲ーッ!!」
「やっちまえーッ!!」
「ヒトミ様の敵は俺の敵!!」
「あqwせdrftgyふじこlp」
やっ、やめてとめて! 誤解だって!!
「勇者様……、ここは三階ですが」
だからうるさいよ!
剣戟。両脇の騎士二人が俺に飛びかかってきた。




