1/10
プロローグ
甘く儚い、学園ラブコメディの物語。
僕はその脇役、いゆわるモブとして生まれてきた。
そこに居るだけの、名前もないモブ。モブはこの物語のために産み出され、この物語が終われば消える。そんな、ラブコメ以上に儚い存在だ。
『クラスメイト1』として、ここに居る僕だって、同じことなのだ。いつか、消えてなくなってしまうのだから。
そんな暗いことを呟けば、きっと彼女はこう言うだろう。
「暗いこと言わない!
そんな嫌なこといわないで、今日もこの物語を、続かせにいこう。」
彼女_____モブ子は強気で、僕をそうやって励ますだろう。
僕らが今日も笑って居られるために。
これは、僕達が青春の中に居続けるための物語。