第九十八話 救世主
「こりゃあたまげたなぁ...まさか俺の術を食らっておいて誰一柱として死んでいないとはな...あの男が妙な術を使ったか。まあいいさ、お前らは為す術もなくこの俺が今から殺してやるんだからな」
そして大男はゆっくりと私たちのところまで向かってきた。
私は千尋を抱きかかえたまま、その場に腰を下ろしてしまった...恐怖から体が動かなくなってしまったのだ。それに、走って逃げたとしても絶対に殺されてしまうと確信するほど力の差があると感じれた...
「いやだ...まだ、死にたくない...こっちに来ないで...殺さないで!!」
すると、私の祈りが天まで届いたのか、大男が私に止めを刺そうとした瞬間に、ものすごい速さで一本の刀が降ってきたのであった。
ズドォーーーン!!
「?!この神通力は...」
どうやら菅傘を被っている鬼には何か思い当たるところがあったように思える。神器に付着していた神通力に反応している。
「すまないね!遅れてしまって」
現れたのはいかにも貴族の中の貴族っていう感じの服装をした神様なのであった。どうやら私たちはこれで安心(?)っぽいので良かった。
すると、あと少しのところで獲物を取られた大男の鬼は怒っている様だ。
「なんだテメェ!あともう少しのところで邪魔すんなよな?じゃあ次は、お前からぶっ殺してやるよ」
そう言って彼は再び戦闘態勢に入ろうとするが、突如現れた神様は微動だにしなかった。構える姿さえもせずに、この鬼のことが楽勝なのだろうか...
「なんだテメェ!刀持ってんなら構えろよ!それとも戦うつもりはなくて降参か?」
「別に。お前相手じゃ、神器使わなくたって十分なんだよ」
すると大男は自身の誇りをけなされたようで怒り狂うが、隣で冷静に物事を見ていた覆面の鬼は彼を止めた。
「おい、逗子」
「あー!何だ律!俺のこと止めるのか?さっき好きにしろって言ったじゃねーかよ!」
「事情が変わったのだ。もはやアイツはお前でどうこうなる相手ではない。ここは手を引け」
「は?ざっけんじゃねーぞ律!ポット出の分際でいっつもいっつも古株の俺様に指図ばっかりしやがって!!」
なんだ?仲間割れが起こるのか?それならば逆に好都合...しかし、そうではなさそうであった...
「まずはテメェをぶっ殺してやる!」
大男が覆面の鬼に殴りかかろうとした瞬間、その拳を軽く手で跳ねのけた。そして、首に手刀を食らわせて一瞬にして気絶させた。
ガササ...
「よっこいしょ。まったく世話の焼ける奴だ。じゃあ俺はここらへんで...」
すると彼は今気絶させた仲間を背負って、どこかへと去るようであったがこの神様は彼を見逃すわけではなかった。
「待てよ、律!逃げんのか?」
すると、彼は後ろを振り向いた。やっぱりこの神様とこの謎の覆面の鬼とは知り合いのようであった。
「逃げる?なんで俺がお前から逃げるんだよ、郷里。俺にチャンバラで勝てたこと一回もないくせに」
「はっ!どんだけ昔の話してんだよ、律。あの頃は・・・あの頃は・・・って昔の話してるジジイかっつーの!」
彼は笑いながらそう答えた。どうやら彼とあの鬼はただ顔を知っているだけという関係でもなさそうだ...でも、神様と鬼という相反する存在なのに一体どうして...
「お前を殺すのは俺であり、俺を殺すのはお前だと思っているよ。でも少なくとも今はその時ではないハズさ...ほら、傷だらけで倒れてる子がいるけど助けないのかい?」
そう言って彼は大男を掴んだまま、眩しい光に包まれて空に飛びあがったと思ったら空に空いた穴からここを去っていくのであった。
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