第八十話 絶望
「ハア!!ハア!!ハア!!ハア!!・・・」
咄嗟に手で握りしめた瓶を彼女の頭部めがけて直撃させた。瓶は粉々に割れて、彼女のこめかみには大きな傷がついた。
そして、母主様が怯んだその隙に脱がされた自分の服を抱きしめてドアのところまで向かった。
ガチャガチャガチャ!!
私は恐怖と急いでここから逃げなきゃと言った焦りで、手が震えながらもなんとか鍵を差し込んでこの部屋から抜け出すことに成功した。
しかし、外はまだ宴の片付けをしている神様がいて、誰かがこっちの廊下まで歩いてくる音がした。
ガヤガヤガヤ・・・
「これってこっちの部屋にあったやつだっけ?」
「うーん、確かそう。ていうかなんか今、変な音聞こえなかった?」
私は急いで建物の隙間に身を潜めてその場をやり過ごした。
そして、かき集めた自分の服を着て、さらに自分の体を手で隠しながら見つからないように自分の部屋まで戻った。
そこでやっとさっきまでの恐怖と焦りから解放された私は、自分の無惨な姿を見て泣き喚きそうになった。
大声で泣き喚きたかったが、円香が眠っている。幸いなことにこの部屋には今眠っている円香しかいない。
こんな恥ずかしい姿を見られたら、私もう…
私は泣きたい気持ちを抑えて、自分の布団の中に潜り込んで音が漏れないように泣いた。
私は朝起きるとツギハギの服を着てお風呂場まで向かった。
「祷、朝にお風呂行くのー?」
「うん…ちょっとね…」
「辞めといた方いいよ〜!今冬だしぬるま湯通り越して絶対に冷えてるよ。風邪引くって!」
そんな私のことを心配してくれる円香にも昨日のことを打ち明けれずにいた。
私のことを心配してくれるからこそ、こんなこと言えるはずもない。母主様に犯されそうになった、なんてこと言えないよ…
いっそのこと世界で私のことなんて一つも興味もない誰かに昨日のことを全て打ち明けたい…そして、鼻で笑って吹き飛ばしてほしい。そうすれば私の気持ちも少しは軽くなるかも…
「ちょっと体洗ってくるだけだから平気よ」
「は〜〜い!じゃあ、私待ってるよ!お風呂上がったら一緒に朝ごはん食べよ!」
そうして私はお風呂場に向かい、誰もいないことを確認して泣きながら自分の体を洗った。身も凍えるほどの冷たい水だが、今はそんなことどうでもいい。
なんなら私の心をこのまま凍らせて一生そのままにして欲しいくらいなんだから…
そして、私は脱衣所に出て服を着替える。
しかし、服がツギハギしかないのであった。あの時は体を隠せればいいと思って脱がされた服全てを回収することはできなかった。
すると、ギギギとゆっくり脱衣所の扉が開いた。そして、ニッコリと笑顔の母主様が入って来たのであった。
私は完全に彼女がトラウマになっており、その顔を見るだけで昨日のことを思い出してしまった。動悸、息切れ、眩暈がしてきた…
「ハア…ハア…ハア…なんの…用ですか…?」
私は震えながらに彼女に尋ねた。すると、彼女は笑いながら答えた。なんだかこの笑顔も昨日以来不気味なものに感じるようになった…
「ふふふふふ。少し遅かったわね、私。あともう少し早く来てたら身体、洗ってあげたのに」
「いいえ…結構です…」
私は彼女の顔を見るのが限界になり、下を向きながらしか喋れなくなってしまった。
「あら、遠慮がちな子ね。そんなことしなくたっていいのに。まあ、少し遅かったのは祷の方もね。あともう少し早かったら私と会わなくて済んだのに」
「はぁ…そ、そうですね…」
もはや私は適当に相槌を打った。もう話したくないし早くここから去りたい!!
すると、彼女はいつの間にか近づいて来て下を向いていた私の顔をクイッと上に持ち上げるのであった。
「いつまでも不貞腐れてるんじゃないよ、祷。楽しかったくせに。どうせ後から自分でお願いするようになるんだから」
私は怒りに震えながら、彼女の手を振り解いた。
「もう私、お風呂終わったので!」
私はここから抜け出そうとするが、母主様は私の目の前に下着を置いた。
バサッ
私の目の前に投げられた下着はまさに私のものであり、これは昨日彼女の部屋で脱がされた物であった。
「下着も着ないでどこへ行くつもり?あなたの身体はもうお前だけのものじゃないんだから大事にしなさい。ふふふ。じゃあね、またいつかの夜に」
そう言って、母主様はここから去っていった。私は不本意ながらも彼女が届けてくれた下着を着直すことにした。
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