第七十二話 病院
「着いたぜ!ここだ」
「あ...ありがとう!桃色病院...?」
その病院の外観はいかにもそう言うあれを連想させるかのような見た目であった。
「別に怪しい場所じゃねぇから安心してくれ。ただいろいろ事情があって...」
「いや!大丈夫!気にしてないから」
中に入るとそこにはたくさんの美人な女性が診察を待っていたのであった。それにこの服装って...
やっぱりここは遊女さんが通う病院なのかしら...すると、一柱の遊女さんが彼に気が付いて話しかけてきた。
「あら~~、こんな所に男の子が来ると思ったら千尋君じゃないの~。ていうかその子はだ~れ?」
どうやら彼の名前は千尋と言うらしい...覚えておかなきゃ!
「どうも椿さん、おひさしぶりです。あのそんなことより今めちゃめちゃ急いでて、飛鳥に用があるんだ!」
「飛鳥さんに用があるだなんて珍しいわね、千尋」
そしてそんなこんな会話をしていたら、聞こえていたのか診察室の方からその飛鳥さんらしき方がこっちまで向かってくるのであった。赤くてさらさらした髪の毛が特徴な女医さんである。
スタスタ...スタスタ...
「誰かと思ったら千尋か。ていうか、飛鳥って呼び捨てにするんじゃなくて飛鳥姉さんだろ。どうかしたのかこんな吹雪の時に」
まさかこの女医さんが彼のお姉さんだったとは...それならすごい頼りになりそう!
そして彼女は私と目が合うと、一目散に駆け寄って来て私の肩に手をかけた。
「ちょっともしかして君!千尋とああいうことしたの!!??」
どうやら、お姉ちゃんは弟が淫らな行為をした為に、こんな吹雪の中で病院にわざわざ訪れたのかと勘違いしているみたいであった。
私と彼は顔を真っ赤っかにして、全身を使ってそれを否定した。
「そんなことしてないですよ!彼はただ私をここまで連れてきてくれただけで!」
「本当だって姉ちゃん!もしそれが本当ならわざわざここに来るだなんて自殺行為みたいなことしないって!」
すると、お姉ちゃんは納得したようで、私たちに一体なにがあったのかを聞いてきた。
「まぁ...ならいいけど!わざわざこんな病院にどうした?ここは普通の病院じゃないよ」
「あのその...・・・」
私は彼女にいろいろと説明して、なんとか陽々葵さんの家まで来てくれるように説明したのであった。
すると、飛鳥さんはハァーと溜息をついて頭を搔いて少し悩んでいる様だ。
「マジかよ千尋...これなんか皮肉とかじゃないわよね?」
私にはお姉さんが言っている意味が分かったけど、彼にはそれがどういう意味か分からないようであった...
「飛鳥姉ちゃん、それってどういうこと?だってお姉ちゃんの腕があればなんとかなると思ったんだけど、だめなの?」
「そう言う問題じゃなくて...この病院ってなんていうか...出産とは真逆のことやってる病院だぞ?それなのに私に赤ちゃんが生まれる瞬間を立ち会えってか?ハァー...」
「違う...確かに、少し方向性がずれているって言うのは分かるけど、命を大切にするって面で見たらお姉ちゃんにぴったりだと思ったんだよ。奪うも与えるも命を尊重してるお姉ちゃんだから信頼できるって思ってここに来たんだ」
(まあ、本当はここしか頼れる当てがなかったってのは内緒だけど...)
どうやら彼はお姉さんの言った意味を分かってなんていなかったみたいだ。むしろ、理解が追い付いていなかったのは私であった...
すると、飛鳥さんは俯いたままの弟の千尋さんを力強く抱きしめた。
ギューーー!!
「いつまでも下向いてねーで、行くぞ千尋!ごめんねみんな!診察は少し遅れるわ」
「ふふふ!大丈夫よ!」
「私たちなんかのこと気にしなくていいからね!」
遊女さんたちはみんな快くそのことを承諾してくれた。
「そうだ、君の名前は何て言うんだい?」
「私の名前は、浅田祷って言います!」
「そう、じゃあ祷!私たちをその妊婦さんのお家まで案内してくれる?」
「はい!かしこまりました!」
こうして私は女医さんを連れて急いで陽々葵さんの元まで向かうのであった。
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