第六十九話 赤ちゃんの声
「ちょと円香、めっちゃ眠そうだけど大丈夫なのそれ?」
「うーーん!平気平気!真夜中までやってやっと勝てたから気分がいいんだ〜」
って、もうみんな眠くなって寝たかったから勝たせてくれたやつじゃないのかよ…負けず嫌いな円香がもう一回!次は私が勝つわって言ってる姿が容易に想像できる。
「ハア…頼むよ円香」
「分かってる分かってる!それより、なんか今日寒くない?雪降るでしょ絶対」
「まあ、確かに…」
今日は一段と外が冷たくそれでいて外も曇っていてこれ振ったら絶対に雪になるなあ…
そんなこんなで陽々葵さんの家まで到達したので、扉をノックして中に入ろうとするが全く反応がなかった。
すると、陽々葵さんの苦しそうな声だけが聞こえてきたのであった。
「あ〜〜、祷ちゃん円香ちゃん来てたんだね。どうぞ中に入って」
「じゃあ、お邪魔します!」
「お邪魔しまーす!」
いつもなら玄関のところまで迎えに来てくれるのであるが、今日はそれがなかった。
きっともう出産が近づいてきてここまで歩いてくる余裕すらもないのだろう。
私と円香は茶の間へと向かった。
「おはようございます陽々葵さん。体調はどうですか?」
「おはよう二柱とも!ごめんね今日は迎えに行けなくて。そうね〜、ちょっと苦しいかも」
「いや、いいんですよ別に!私たちなんてお手伝いなんですからわざわざ気を遣ってくれなくても」
「そんなことないわよ。もう君たちとはただの関係じゃないんだからさ」
「そうですね」
確かこんなこと前に円香にも言われたっけな。私たち全員、遠い親戚だって。
確かに目があって耳が合って口があってって…あーモナにバカなこと考えてるんだよ私!さあ、早速仕事に取り掛かりましょう!
こうして私たちはもう慣れた手つきで洗濯やら雑巾掛けやらなにやらをこなした。
「ふーーー!一通り終わったーー!」
「あ〜〜〜!もう腰いったいわぁ〜〜〜!」
私らは仕事を終えて陽々葵さんの元へと向かおうとしたその時、悲鳴が悲鳴が聞こえてきたのであった。
「いたーい!!」
私と円香は一瞬背筋に緊張が走ったが、すぐに何か分かったので陽々葵さんの元まで駆けつけた。
バタンッ!
襖を勢いよく開けて陽々葵さんの様子を伺った。
「大丈夫ですか!?」
陽々葵さんは大きくなったお腹に手を当てながら、全身から汗を吹き出すほどの激痛と戦っていた。
息も上がり、痛いと言い続ける陽々葵さんの姿を見ていると、私たちもなんだか汗が止まらなかった。
そして、数分が経過すると汗がだんだんと引いてきて、途切れ途切れであった呼吸も元に戻ってきた。
私たちはボーッとしてられないと思い、体の汗を拭くためのタオルを持ってきて陽々葵さんの体を拭いた。
そして、二柱でギュッと片方ずつの手を握りしめて元気を与えた。
「大丈夫ですか?陽々葵さん!」
「私たちがついていますよ!」
すると、彼女は次第に目を開いて私と円香の顔を見てにっこりと微笑んで見せる。
「大丈夫よ…ありがとうね!」
そう言って私と円香の顔を自分のお腹へと近づけさせてくれた。
「聞こえる?赤ちゃんの声」
服をめくり私と円香の耳を直にお腹に当てさせてもらった私たちは、確かに赤ちゃんの声が聞こえた。
バタンッ バタッ
それは、普段私たちが喋っている声ではなく、どちらかと言うとお腹を内側から蹴る音であるが、確かに早くここから出たいよ、と赤ちゃんが喋っているかのようであった。
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