第六十二話 馴れ初め
「えー、じゃあ旦那との初めて出会ったところからでもいいかしら?」
「はい!聞かせてください!」
円香はフンッと鼻息を出し、更に目をくりくりさせて喜んでいる。
陽々葵さんは顔を少し赤くしながら喋り出す。
「旦那と初めてだあったのは、大学校一年生の時よ。確か、人間語の授業の時だったかな?」
「その授業だと何ヶ月かに一度、席替えがあるんだけどそれでたまたま隣になったんだよねー」
「すっごい!やっぱり貴族様だから第学校行ってるんだ!!」
「まあ別に、私なんて全然頭良くなかったから毎年留年と戦ってたんだけどさ…でも、両親がお金持ってたからなんとか通わせてもらったよ」
陽々葵さんは笑ってそう返した。留年しそうだったなんて、すごい知的に見えてたから少し意外…
「私もともとそこまで元気な性格じゃなくて、お昼ご飯とかもお弁当一柱で食べるような感じだったのよ。それで、暇な時は図書館に行って、みたいな」
「私が初めて彼と出会った時のことなんだけど、私が早く教室に行って本でも読んで時間を潰してたんだよね。そうしたら、隣の席だった彼が私に声をかけてくれたんだよねぇ!」
「それが初めてあった時なんだよね〜!なんだか懐かしいわ」
「お〜〜!じゃあ、初めての会話ってなんだったんですか?」
「えぇと、確か…『ねえねえ』とか『こんにちは』とかだった気がする。昔のことだし、突然だったから私そこまで覚えきれてないけど」
「それからどうやって、発展していったんですか?」
「なんかその授業自体が、隣と一緒に会話したりする感じの授業だったからそれで自然と仲良くなっていけたのよ」
「私とは少し違うタイプだけど、旦那さんも結構物静かで落ち着いてる感じだから私と結構気が合ったみたい。それと、すっごい顔がタイプ…」
陽々葵んは顔を手で押さえながらそう言った。乙女心とはまさにこのことなんだろうな…
「それで、大学校を卒業する頃にはもうベッタリ…」
「プロポーズはどっちからやったんですか?」
「そう!そのプロポーズが本当に印象に残っててね、普段は静かな旦那なのにその時だけすっごい顔赤くして告白してくれたのよ」
「嬉しさもあるし、何より旦那があんなに感情的になってくれたのなんてあれくらいだったからすっごい覚えてるわ。あー後、私が孕った時もすっごい喜んでたね確か」
「じゃあ、陽々葵さんがお子さん二柱を出産し終わったら、また旦那さん感情的になって喜ぶんじゃないですかね?」
「そうね、祷ちゃん。私と旦那が一緒に生きた証になるこの子どもたち…なんとしても無事に出産してみせるわ」
陽々葵さんは大きく膨らんだお腹を優しく撫でながら、お腹の子らに向かってそう言った。
「陽々葵さんの安産を願って、後もう少しの期間ですが全力を尽くします!」
「円香も頑張りますよぉ〜!」
そんな私たちににっこりと陽々葵さんは笑みを飛ばした。
「ふふ。ありがとうね祷ちゃん、円香ちゃん!その願いがきっと、この子らに届くと思うわ」
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