第五話 ここで生きたい
本作を見つけてくれてありがとうございます!
後書きの1番下に話の要約を書いておくので、もしエピソードが分かりずらかったらそこをご参照ください!
私は意識を失ってしまい、目を覚ますとどこかよく分からない場所、まあおそらく安全な場所なのだろうがそこまで連れて行ってもらっていた。
私は周りをキョロキョロと見渡すと、本やら薬品やら食糧、美容品、・・・、それに武器までもが置いてあった。万屋とか言ってたけどもしかしてそこなのかな...でも、どうやらこんな万屋でも電化製品等は売っていないらしい。本当にここは昔というか古臭いというか、レトロな日本って感じだ。
すると、私のもとにキセルをふかした大人の女性と、さっき私を助けてくれた兄妹がやって来た。
「目が覚めたみたいだね。どうかしら体の感じは?」
「は、初めまして...お陰様でこの通り大丈夫です。ここは一体...」
「ここはアタシらの家であり、職場って感じかな。一応だけど、万屋、まあただの便利屋みたいな感じだ。そして、さっきあんたに襲いにかかって来た男はちゃんと刑務所に収監されたそうだから安心しな」
「そ、そうなんですね!あー後、お二人さんどうもさっきは助けていただきありがとうございました!」
「別に感謝されるほどのことなんてしてねえよ。俺らは頼まれたことをこなすのが仕事なんだからよ」
「そうそう!それが私たちの仕事だからね。あなたの助けてっていうお願いが私たちまで届いたのさ」
「この子らはアタシの子どもさ。こっちが一樹、こっちが立樹って言うんだ」
お兄さんの方が一樹さん、お姉さんの方が立樹さんというらしい。
「改めまして一樹さんと立樹さん、さっきは危ないところを助けていただきありがとうございました。二人とも来てなかったら私今頃...身ぐるみはがされて遊ばれていましたよ...」
そしてお母さんはキセルを口からとって話し出した。
「一応、アタシの名前は咲凛。まあ、覚える必要なんてないわよ。どうせすぐに忘れてしまうんだからね......」
「ええ...そ、そんなこと言わないでくださいよ。命の恩人のお母さんの名前を私が忘れる訳なんてないですよ...アハハ」
私は少し照れながら笑っていたが、次第に三人とも顔色が悪くなっていくのを感じた。
なんか私いけないこと言っちゃったかな...?なんだか空気も少しピリついてきたように感じてきた...
そしてお母さんが私に言うのであった。
「元気になったみたいだし人間さん、残念ながらあなたとはここまでよ。あなたたち人間は神の掟通りに記憶を消去して人間の世界に返すことになっているのですからね」
その時何を言っているのか理解できずに...いや、というかあの状況やこの状況を見せられたのだから嘘ではないのかもしれない...
「えっ!?ちょっと...な、なにを言って...まだ心の準備が!」
「それもそうだと思うから、最初から詳しく説明してあげるわよ。ここは神界って言ってねアタシたち神が住む世界なのよ。そしてあなたたち人間が住む世界は人間界と言って全く違う世界よ。普通、世界は決して交わらないんだけど、何かしら世界のバグのようなものが起こると、世界と世界との間にトンネルのようなものができるのよ」
「あなたはそのトンネルに入ってしまい、神界側に来たって訳でしょ?それが俗にいう神隠しって奴よ。でも心配しなさんな。アタシらがあんたを元の世界に返してあげるからさ。まあその時にこっちに来た時の記憶とかもろもろ消えちゃうけどね」
死にたがったり、生きたがったり、元の世界に戻りたいだとか気持ちがころころと変わってしまって申し訳ないが、この時私の心の中ではある感情がずっと渦巻いていたのである。それは...
人間界に戻りたくない...ここで第二の人生を送りたい!!辛い思いも何もかもいったん忘れて、ここでやり直したい!私は、そう心の底から人生の再起を祈るのであった。
果たして人間である私が、どうやってこの神の掟を突破するのか...
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もうストーリーは組んであるので、頑張って今年中に完結できるように頑張ります!
色々なアニメや漫画の影響を受けているので既視感があるかもしれませんが、そこも含めて楽しんでみてください!
※この話の要約
『万屋』と呼ばれる何でも屋に勤める兄妹によって助けられた祷は、次第に目を覚ますのであった。そこで彼女は、神隠しに遭いこっちの世界に紛れ込んでしまったことを伝えられる。彼女は記憶を消されて、人間の世界へと返されるのであるが祷はこっちの世界で心機一転人生をやり直したいと思い、ここに留まりたいと願うのである。