第四十三話 甘えさせて
お母さんは私をギュウ〜と握りしめたまま離さなかった。とっても暖かい…まるで太陽のように。それに、すごいいい匂いがする。
私がリラックスしているとお母さんは口を開けて色々と喋り出した。
「また死に損なったな…アタシ…」
何を言い出すのかと思ったら、なんだかすっごい暗い感じの話!?
「え…そ、そんな…お母さんそんなことないよ…!」
私はお母さんの方を振り向いてそう言った。お母さんは天井を見ながら答えた。
「ねえ祷、なんでアタシに旦那がいないのかって疑問に思ったことなかったかい?」
「えっ…いやー…まあ、なんでいないのかなー…って少しはあります」
私自身、両親を失っていて父と母とも揃っているということが当たり前という感覚がなく、そこまで疑問に思ったことはなかったのだ。
「アタシの旦那ね。鬼に殺されちゃったんだよね。ハハッ」
「え!?」
その瞬間、お母さんは笑いながらも確かに目から涙を流していたのだろう。すぐに私の反対方向へ寝返りを打ったのである。
「バカだよねアイツ…こんなに美人な妻置いてあの世にいきやがって…」
お母さんは小声でそう呟いては、感情が溢れ出すのを我慢しているようだった。
「それに息子もいて、腹の中には子どももいるっつうのによ。とんでもねえ置き土産残しやがったよあの馬鹿!」
お母さんは枕に顔面を突っ込んで顔が見られないようにしていた。
私はお母さんに抱きついた。泣いているお母さんを見るのが私には耐えられないのであった。いつもキセルを吹かしながらお酒を堪能しているあの力強いお母さん…なのにこんなに…
そしてのちに知ったことではあるが、お母さんがいつも使っているキセルというのは生前に旦那さんが愛用していたもので、そのころはお母さんはキセルになんて全く興味もなかったそうだ...
「だから祷…!」
「うわっ!」
ギュウゥゥゥ〜〜〜!!
お母さんは私を再び抱きしめた。谷間で私の顔が包み込まれる。
「お前の気持ちが痛いほど分かるよ。私でもすごい苦しかったのに、私以上のことを幼い時からよく背負ってここまで生きて来たもんだよ...愛してるよ、祷」
「ありがとうお母さん...私も大好きだよ!」
私はそのことを聞いて再び涙が溢れ出してしまった。お母さんと一緒に寝るのなんていつぶりだったっけな...
「お母さんはお前と一緒にここで暮らせることができて嬉しいよ。それにお前には兄妹もいる。きっと、あいつらもこんなに可愛い妹ができて喜んでるだろうよ」
お母さんはほほ笑みながらそう言った。
「今日一晩はここで寝なさい。それで、また甘えたくなったらいつでもアタシのところにおいで。甘やかしてあげるわ」
たんだか、幼い時にタイムスリップしているみたいだ...十五歳だっていうのにお母さんに甘えてしまっている自分と、悪くないと思う私が居る。幼い時に死んでしまった私の心がここで大きく、息を吹き返すのを感じる...
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