第四話 私の知らない世界
本作を見つけてくれてありがとうございます!
後書きの1番下に話の要約を書いておくので、もしエピソードが分かりずらかったらそこをご参照ください!
「俺たちのこと知ってくれてるみたいだけど、お前たちみたいな外道に知られててもまったくうれしくねえな。大人何だったら分かってるとは思うけど、神隠しに遭った人間に危害を加えることは重罪だぞ。俺はここでお前らを捕まえて警察に身柄を引き渡す」
「別にいだろどうせこいつ記憶消して戻すんだから犯したところで覚えてねえだろ」
何隠し?よく聞こえなかったけど、彼まだ私よりも数歳しか見た目が離れてないのに、こんな酔っぱらった大人を平然と煽り散らかせるなんて、かっこいい...
そう言って彼は腰にしまっておいた刀を引き抜いたのであった。
キィーーーン
「あっちの弱そうな奴、それと彼女の救出はお前に頼んだぞ。あっちの方だったらさすがのお前でも倒せるだろ?」
「ちょっと私のこと舐めないでくれる?あんなただの酔っぱらいのデブ、楽勝よ!」
すると、弱い方と言われた男は頭に来たのか顔面を真っ赤っかにするのであった。
「なんだとあの小童が!このオイラのことを弱そうな方だと!?それじゃあ、テメェの妹か何だか知らんが一瞬にして捻り潰してやるわ!」
「頼んだぞ弟よ。じゃあ、オイラはこっちの舐めたガキの相手をしてやるよ」
そして、絶体絶命だと思われた瞬間に現れた謎の救世主は私を助け出すためにこの男たちと戦ってくれるのであった。そして、彼女も腰にしまっていた刀を引き抜く。
スリィーーーーン
「ケッケッケ!女子のくせにそんな恐ろしい物持つんでねぇ。それ握るくらいなら...どうだ?オイラのアソコを握ってくれれば特別に許してやってもいいぞ?」
気持ち悪いことを言ったこのゲス男に対して、彼女は一切ビビるどころか逆に脅し返すのであった。
「そっちこそ、ポコチンとタマキンぶった切ってあげても許さないから安心しとけ。そして一生発情しないようにしてあげるわよ。まあ、牢獄送りだからあんまり関係なさそうだけどね」
そして、とうとう戦闘が開始したのであった。私はてっきりその手に持ってる刀で前か左右か、それとも上から切りかかってくるのかとしか考えていなかった。しかし、彼女は何やらそうではなく奇術のようなものを扱うのであった...
「雷式・閃光の術!」
バチーーーン!!
そう彼女が唱えると突然、強力な光が発生し、男は視界を奪われてしまった。当然、私もそれをもろに食らってしまい視界を奪われたので何が起こっているのかはよく分からない...
「おい人間さん、見えてないよね!?」
「は、はいっ!何も見えないです...」
何も見えないけどこの声は完全に彼女の物だとは判別できた。すると、彼女は今が好機と思っているのか何かを企んでいるのであった...
ガサガサガサ...!ガサガサガサ...!
「あーー!クッソ!何も見えねぇ!おいこのくそアマ!何俺の体触ってんだよ!オイこら!やめろ!」
「見ーーつけたっ!!さっき私言ったわよね!?ぶった切っても許さないって!」
「ま...まさか!!おいやめろーー!!それだけはやめろ!!」
男は叫ぶが彼女は完全に彼の体を押さえているのか、彼女が圧倒的に優位な状況であったようだ。そして彼女は大きく振りかざした刀で男の尊厳をちょん切ったのであった。
「やめろ?だって?それはお前のセリフじゃなくて彼女のセリフだろうが!お前らが彼女にしようとしたことはこういうことなんだよ!!」
ザッグーーーンッ!!
目が見えなくなってしまっていたことが逆に私からしたら好都合だったのだろう...血がブシャブシャと吹き出る音と男が悶える声、そしてさっきの会話の内容的に彼女が男に何をしたのか大体予想がついた。
ギューーーー!!!
「痛てえ!痛てえ!死ぬっつうの!!」
「捕まえたわ!騒ぐんじゃないわよこの犯罪者!去勢してやったってのにまだ威勢がいいわね貴様!」
すると、彼女が男を取り押さえて拘束し終わったのだろう。ちょうどそのころくらいに私は次第に目が見えるように回復していった。
そして彼女は私のもとにやって来て、一度抱きしめてくれるのであった。
「もう終わったわよ!後はお兄ちゃんが残りの男も倒してくれるから大丈夫よ!」
「あ...ありがとう...ございます...!!!」
すると、彼女は上着を脱いで私に着させてくれた。
「ごめんね今私これしか持ってないけど、これで体隠して」
「助かります...!!」
なんだかこの人たち自体が神様みたい...私は心の中でそう呟いた。
「痛てぇ!痛てぇ!チクショーー!チクショーー!アレを切り取りやがるなんて、なんて冷酷な女なんだ...クッソーー...」
私は自分のことを犯そうとした男が性器を切り取られて激痛に悶える姿を見るのがなんだか不思議な気持ちであった...
「あーークッソ!とんでもねぇ醜態さらしてんじゃねーぞ弟!この付けはどうなるか分かってんのか?」
「すいやせん!兄貴ィ!オイラの仇を取ってくれーー!」
すると、お兄さんは何やら溜息を吐いてゆっくりと刀を鞘に納めたのであった。
「おっ!なんだテメェ!今更刀収めて命乞いって奴でもすんのか?」
「ハァ...どうやらお前ら程度に刀は必要ねぇみたいだからしまったんだよ」
「このオイラ様をあまり舐めてもらっちゃあ困るぜ!このオイラは弟とは違って...!!」
「オイお前、そんなこと言ってないでもっと周りを見た方がいいぞ。というか足元でも見て見ろよ」
そう青年が言うと兄貴分の体の周りに雪のような物が舞い、次第に体が足から凍結していくのであった。
パキ...パキキ...パキキキキ!!
「なっ!なんだ!てめえいつの間に!クッソ!体が凍って動かねえ!」
「冰式...動かない方がいいぜ。体が粉々になりたくなきゃな」
「ち、チクショーー!!」
なんとこの美青年は一瞬にして兄貴分を無効化したのであった。さっきの光も然りこの氷も然りいったいどこからどうやって出現させたんだ...?
この世界は私が暮らしていた世界とは何もかもが違っているみたいだ...もしかしたらみんな超能力者なのかな...そんなこと思っていると、彼も私の元までやって来た。
「君、大丈夫かい?何か変なことはされなかったかい?」
嬉しさのあまりに、私は大泣きしながら首を横に振って自分の身の安全を教えた。
ブンッ!! ブンッ!!
「いいえ!!大丈夫です!!ありがとう!!優しい兄妹さん!!!」
いつまでも泣いていても失礼なので、涙を拭いて心を落ち着けようとした。
「立てるかい君?」
「はい...!!」
私は二人に肩を持たれながらゆっくりと立ち上がろうとした。しかし、精神的な緊張の糸が切れたせいか私は気を失ってその場に倒れそうになった。
「ああ...なんだか意識が...」
「おっと、危ない!」
ガシッ
私は気を失って倒れそうになってしまったが、彼女によって抱きしめられた。
そして私は、気を失っている間、二人によって安全な場所まで運ばれていったらしい。
こうして私は目を開くとそこに広がっていた景色とは...!?
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もうストーリーは組んであるので、頑張って今年中に完結できるように頑張ります!
色々なアニメや漫画の影響を受けているので既視感があるかもしれませんが、そこも含めて楽しんでみてください!
※この話の要約
祷を襲った2人の男と突如として現れた正義の兄妹が、彼女を助ける為に戦うのであった。しかし、その戦い方は人間のものとは思えず、まるで超能力者のようなのであった。果たしてこの世界に住まう住人の正体とは一体…