第三十九話 あの時の
私はお母さんやお巡りさんの顔を見てみると、何やら深刻そうな顔をしていた。それに、お巡りさんはその場に腰を落としてガタガタと震えてしまった。
「あ…あぁ…!僕の同僚が…!!」
すると、その何者かは彼の同僚の警官からもぎ取った頭部を震える彼にポイッと投げつけたのであった。
ガサッ! ガザ…
目が大きく見開いたまま死亡しており、彼はその姿を見て恐ろしくなりその場から逃げ出してしまったのであった。
「ヒィッ!僕!もうダメだこれ!もう帰る!!」
「ちょっと待てぇい!お前から誘ってきたくせに逃げるのかよ!俺たち、警察としての職務を放棄するな」
一緒に居合わせた他の同僚にも言われてしまう始末であった…
「クッソ!逃げんじゃないわよ!あんたそれでも警官かっつーの!」
お母さんは逃げ惑う彼にそう言った。もしかして、みんなで集まって捜索してた方が良かったのかな…
「お…お母さん…?」
「あぁクッソ…!まさかまさか…どうやらアタシらは鬼にはめられていたみたいだよ」
大人が二柱程の巨体であり、全身が赤黒く、そして頭には鋭い二つの角が生えていた。
強力な神通力を放ち、そしてなんだろうこの禍々しさは…そして私は鬼を見ているとなんだか次第に、心の底で眠っていた何かが噴き上がって来た。
「うぅ…!!頭が!!頭が痛い…!!」
思い出したくもないあの日の光景…目の前で両親を得たいの知らない化け物に殺害されたあの夜…!!それが鮮明に頭の中に綺麗に浮き上がって来てしまった…
「祷!!大丈夫か!?」
(そういや、両親を殺されたとか言ってたな…その正体って鬼だったってことか。それで思い出したくもないことを無意識に思い出しちまったのか…)
ガタンッ! ガタンッ!
周りに来ていた複数の警官もまさか本当に鬼が出てくるとは思わずに、腰を抜かしてその場に倒れ込んでしまった。そして全身がブルブルと震えていた。
「ひっひえーーー!!」
「まさか本当に鬼が出るだなんてーー!!!」
「ここはアタシに任せてテメェらも、さっさと逃げなさい!それと、祷をどこか安全なところまで連れていってくれ」
「いや、で…でも!咲凜さんは!?」
「女だからって舐めんじゃないわよ!鬼の一匹くらいなんとかしてあげるわよ!それに、あんたらみたいな腰抜けの頼りない警官じゃあかえって逆効果よ。さあ、どっかお行き」
タッタッタッタッ!!
「す、すみませーーん!」
「代わりにお願いしまーーす!」
(ケッ!腰抜けの警官どもめ。鬼と対峙して逃げるくらいなら最初っからこんな仕事就くなっつーの!!)
(この鬼、結構強力な神通力を持ってやがる…この村の神を食べ残して放置したのも、アタシらを呼び押せるための罠か)
「ケッケッケッ!いいのかい?お嬢ちゃん。仲間がどっかにいっちまったみたいだぞ?」
「別に、気にしないでいいのよ。平等にいきましょ」
こうして、突如現れた鬼とお母さんは戦う羽目になってしまった。果たして両者の運命は…
そしてそんな肝心な時に私は気を失っているのであった。
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