第三十八話 鬼
そのお巡りさんは私とお母さんを街外れにある小さな村まで案内してくれた。
「ここです。この村の神々は一柱残らずに殺されてしまいました」
そして、その村の中に立ち入るや否やおぞましい光景が広がっていた…
「なに…これ…!!」
そこには雪菜さんの記憶に出て来たような、残酷にも食い殺されたような神々の遺体がゴロゴロとあちこちに散らばっていたのであった。
そしてこの立ち込める悪臭…!!村の神様たちが殺されてからもう数週間は経過したのだろう。肉は爛れてウジやハエがたかっている。
お母さんが手を合わせてお祈りをしたので、私も真似をして亡くなられた神々に黙祷をした。
「これやったのって完全に”鬼”よね?」
「ええ…現場に残る神通力の残滓からして、これは鬼によるものと見て間違いなさそうです」
鬼…!!??それに神通力を持っている…?神様と鬼と言うのは何か関係があるのだろうか?
「ねえ、お母さん鬼って一体何者なの?」
「鬼っていうのはね、遥か遠い昔にアタシら神と分岐した存在のことよ。元が同じ存在だからね、アタシらと同様に幻力を持っているのよ。当然、神術も扱えるわ」
「分岐したって、どうして別れていっちゃったんですか?それにその鬼って、普段はどこに居るんですか?」
「この世界の絶対的な存在は最高神である父神様と母神様だ。でも、それを気に食わないと思って離反した存在、それが鬼だ」
「世界は神界、人間界、冥界の三界に分かれてるけど、その世界と世界の間を包み込む虚無の世界があるんだ。その名を”虚空界”と言ってね、そこならアタシら神の支配も行き届かない。だから普段はそこに身を隠しているのさ」
私とお母さんは村の捜索を開始した。遺体が腐っているのでかなり時間が空いていて、意味がないかもしれないが村のあたりを捜索して鬼がまだ居ないかと近くの村の安否確認を行った。
「可哀想に…今すぐに埋めてあげるからね!」
私はそう、遺体につぶやいた。この前の雪菜さんのようにいまだにこの世から離れられなくなったなんでこと起こってほしくないと遺体を見るたびに思う。
鬼め…!なんて卑劣な輩…なんの罪もないそれにこんなに若い子までも殺めてしまうだなんて…心があるのか!私はそう言いたい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
村のあたりを手当たり次第探してみたが、鬼が見つかりはしなかった。
「こんなに襲撃があってから時間が経つと、アタシらじゃあもうどうしようもないな」
「ふーー…!一安心、一安心!」
するとさっきの警察官はボソッと呟いた。
「ちょ、お前警察のくせになに鬼が出てこなくて喜んでんだよ!このビビリ!」
私は場を和ませる為に話題を変えた。
「それでもお母さん、村の神様みんなを弔うことができたからここに来て良かったとは思うよ私…」
「ハハ!そうだな!相変わらずお前はお人よしなやつだな!」
「それにしても本当に、祷さんは優しく素敵な方ですね!」
「ええ…ちょっとお巡りさん恥ずかしい!照れる…」
「いやあ、本当ですよ!普通、腐ってドロドロに爛れた遺体なんてわざわざ埋葬とかしませんよ僕たち」
「いやまあ…亡くなってしまった方々を少しでも弔いたくて・・・」
だが、平穏な会話は長くは続かなかった。
「うぉーーーーー!!!!!」
何名かきていたさっきの警察の同僚の声であった。どうやら洞窟の方から絶叫が聞こえてきたようだ…
私たちは立ち上がり、洞窟まで向かうことにした。すると、洞窟の向こう側から、切断された警官の頭部を持った何者かがノシノシと洞窟の中から出てくるのであった。
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