第三十六話 安らかに眠れ
本作を見つけてくれてありがとうございます!
後書きの1番下に話の要約を書いておくので、もしエピソードが分かりずらかったらそこをご参照ください!
悪霊が完全に消滅すると、安心し切った管理人さんは私の元へと駆けつけて来た。雪菜さんと旦那さんの遺体を上着で包んで隠し、持って帰ることにした。
「おーーい!大丈夫だったかーーい!」
「ああ、大丈夫ですよーー!」
「いやー本当にありがとうございました!これでこれからものこの湖も安心してみなさんに使っていただける。よくぞあの化け物を祓っていただきありがとうございました!」
私はその言葉を聞いて少し、疑問に思った。確かにみんなが遊ぶ湖だから、化け物に思ってしまう方もいるかもしれない…
でも、真相を知っている私だからこそ思うけどもう誰にも彼女のことを化け物だなんて揶揄しないで欲しい…彼女よりも辛い経験をした神様なんて他にあまりいないと思うし…
「あの、彼女のことをもう馬鹿にしないで欲しいっていうか…彼女、実はすごいいい神様で悪気があってこうなってしまったわけではないんです…だからもう…」
「ああ、そうでしたかい。それは申し訳ないですな。じゃあ、儂らの方からも彼女は不慮の事故で亡くなったこの湖の亡霊ということにしておきますよ。そうすればもう彼女を化け物だとかいう方はいなくなると思います」
「ありがとうございます。お願いします…私は少しでも彼女の名誉を守りたいのです…」
「それにしてもまあ、あんた新人さんなのにすっごい立派だなあ〜。名前はなんていうんだい?」
「浅田祷っていいます」
「そっかそっかいい名前だな。ん…?なんだかそういえばさっきから変な匂いして来てねえかい?儂らだけかい?」
ギクッ!そうだ!さっき雪菜さんが言ってた!香水の効果が切れ始めて、匂いがバレ始めている!私は急いでその場を去った。
「あっ、私まだ他の仕事やらなきゃなので帰りまーーす!」
「えー、こんな真夜中なのに?泊まって行きなよ!」
「結構でーーす!!さようならーー!また何かあったら連絡くださーーい!!!」
タッタッタ!
私は全速力で街を駆け抜けて、家まで入った。
ガチャン!
「ふーーーー!たーすかったーー!」
すると、お母さんはまだ起きていて今のところを全部見られていた。相変わらずキセルを吹かしていた。
「た、ただいま…お母さん、起きてたんだね?もう寝ちゃったかと思ったよ…」
「フーーー…おかえり。娘の帰りを待つのが親ってもんだろ?まあ何はともあれ、初めての依頼お疲れさん。どうだった?楽しかったかい?」
「えっ…えぇーー…」
楽しくはなかった…いや別に否定的な感情ではなくて、なんていうんだろう…
「すごい重めの仕事だったよ!なんて言うか泣いちゃったけど…すっごいいい経験できた気がするの!」そういうと、お母さんは笑った。
「ハハハ。そうかいそうかい…何事も初めてってのは重要だからな。祷には今回、わざと重めの任務をこなしてもらったんだよ」
「えーー!そんなーー…この依頼、結構精神的に辛かったですよ?て言うか知ってたんですか?あの湖のこと」
「まあな。なんだってアタシは店長だし。普通に生きてるだけでも、色々話は入ってくんのさ」
「まあ、安心しな。これ以上キツイ…まあ、精神的にってことね。これ以上はそうそうないから。肉体的にキツイのはそこそこあるけど、それよりはマシだろ?」
「ええ、まあそれよりはいけるかもしれないですね...」
すると、お母さんは私が背中に背負っている大きな包みの中身が気になっていたのだろうか、私からとって中身を確認する。
シュルシュル~~
「あぁ!お母さんこれは...!!」
「ゲッ!!なにこれ遺体じゃん...それに二柱分?」
「あーごめんお母さん!家に帰って私が一柱でお墓作ってあげようと思ってて...ごめんなさい」
「ハーーア!死人の依頼も受け付けるだなんて万屋は本当に何でも屋だねー」
「ごめんお母さん...でも、そうしてあげたくて...」
するとお母さんは私の頭を撫でてくれた。
「別に謝らなくたっていいんだよ!もう夜遅いし早く墓作って埋葬しちゃいましょう。いつまでもこの状態にしておくのもかわいそうだものね」
「ありがとうお母さん!!」
私とお母さんは出来上がったお墓の前で黙祷を捧げた。
どうかあの世では幸せにお過ごしください...
そして部屋に戻って私は、机の引き出しの中に大事な婚約指輪をしまって置くのであった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そしてそのころ死者の世界、"冥界"では
「ここが死者の世界である冥界かぁ...」
私こと雪菜は、祷という名前の人間でもあり神様でもあるあの子によって現世からこっちの世界に成仏させてもらったのである。
今私の目の前には閻魔大王様が一柱とその部下である閻魔王様が十柱椅子の上に座っていて、これから私に刑を下すのであった。これが噂の冥界裁判所である...
私は自分のしてしまった罪を償うために閻魔様に言うのであった。
「私はあの湖の亡霊として多くの方々に迷惑をおかけしてしまいました。なのでそれ相応の罪を償うつもりでございます...」
私は自分のしてしまったことの責任から、地獄に落とされるものだと思っていた。地獄でもまだマシなところ…そして、もし運が良ければ天国に行けるか行かないか…そんなものだと思っていた…がしかし、閻魔様が下した決断とは...
「ゴッホンッ!雪菜とか言ったな?お前の名前は...まあそう案ずることはない。悪霊となってしまってからの罪はこちらでは数えないことにしているからな」
私はてっきり重い罰を食らうのかと思っていたが、全然そうではなかった。
「まあそれに、今の態度を見ている限りかなり反省している様だから天国行きにしてやるよ。今まで大変だったようだな。すまないよ」
「いえいえ、私なんかに謝らなくてもいいんですよ!ありがとうございます!閻魔様!!」
私は思ってもみなかった天国行きになって本当に幸せであった。そして、天国へつながる道を駆け抜けて扉を開いたのであった。
ギギギギギィィィーーー!!
「こ、ここが天国...!!」
私の目の前にはすごい幻想的な世界が広がっていた。色とりどりの景色に神様も人間も猫も鳥もみんなが楽しそうに遊んでいるのであった。
しかし、その景色も一瞬にして遮られてしまうのであった。
「だーれだ!?」
「ヒェ!ちょっと!見えないんだけど!」
誰かが後ろから私の目を隠してきたのであった。そして私しはその手を解いて後ろを振り返って顔を確認してみた。なんだかどこかで聞いたことがあるような声であったのだ...
そして振り返って顔を確認してみると、私は思わず顔を手で隠して言葉を失ってしまうのであった。
「うそ......!!」
「やっほーー!!久しぶりだね!!雪菜!!」
私はあまりにも早すぎる再開に驚きを隠せずに、号泣したまま抱きしめあった。
「ごめん...!!ごめん...!!」
「俺こそごめんな!!すげぇ長い一年にしちまってよ!!」
「でもこれからはずっと一緒だよ!」
「私...!!私...!!あなたに会いたくて...!!ずっと暗闇の中で寂しかったし、怖かったよ!!」
祷...浅田祷...私と旦那はあなたの名前を一生忘れないでしょう。なぜならあなたは私たちの魂の恩人なんだから...
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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もうストーリーは組んであるので、頑張って今年中に完結できるように頑張ります!
色々なアニメや漫画の影響を受けているので既視感があるかもしれませんが、そこも含めて楽しんでみてください!
※この話の要約




