第十六話 傷を負った龍
ガサッ!
お姉ちゃんが私の腕を掴んで、一目散にここから駆け抜けようとするのであった。
「ちょっと待ってお姉ちゃん!あの龍何かおかしかったよ」
「いいのよいいのよ!今生きてることだってほとんど奇跡なんだからそれより早くここを去りましょう!」
そう言ってきかないお姉ちゃんの手を振りほどいて、私は再び龍の元へと向かう。お腹がいっぱいなんじゃない...さっき口を大きく開けた時に、喉の奥に何か見えた。
「やっぱり私、放って行けないよ!」
「あっ、ちょっと祷待ちなさい!」
グルルルウ~~~!
私が再び龍の近くに行くと、機嫌が悪いのか威嚇してきた。確かこういうときって、ゆっくり瞬きをすればいいんだっけ?
そんな豆知識的な事を思い出して、私は実践してみるが、特に変化はなくむしろ目を瞑っている時に隙を突かれて龍に飲み込まれそうになってしまった。
ガブッ!!
顔が龍の口の中に入った私は、むしろナイスだと思いそこで目を開いて口の奥をよく確認する。すると、さっき違和感に感じた物の正体が何かわかった。
あっ!あった!これだこれ!私は龍の喉奥に突き刺さっている何かを握りしめて引っこ抜こうとする。しかし、その時突然、痛みからか龍が暴れだしてしまった。
首をあちこちに叩きつけて私を引き離そうとしているみたいだ。
ブーーン! ブーーン!
「祷、危ない!」
そう言ってお姉ちゃんは私の体を引っ張る。すると、無理くりではあるが私は龍の口から抜け出すことができ、さらに龍の喉に刺さっていた何かも引っこ抜くことができた。
ガランガラーン......
それは地面に落ちると鋭い音を立てた。
「何これ?龍の口から出てきたけど...短剣!?」
そう、龍の喉に刺さっていた何か鋭い物体は何とも本物の刃の付いた短い剣であった。
「さっき、口を大きく開けた時、喉の奥に何かあると思ってもしかしたら変な物でも食べちゃったけど、まさかこんな物があっただなんて...」
私は何とも痛々しい現象であったためまるで自分のことのように胸を痛めた。魚を食べて小骨が喉に刺さったとかいうそういう次元ではない。
すると、喉の厄介なものが取れた龍は途端に大人しくなった。私は、龍の頭を撫でて痛いの痛いの飛んで行け~と唱えた。
すると、龍は喉をグルグルと鳴らして嬉しがっている様だ。
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