第十五話 龍、目覚める
そおっと...そおっとよ...
私は平均台をするかのようにゆっくりとニオイ草のところまで向かった。そして、私が戻ってこないことに気が付いたお姉ちゃんは急いでこっちに来る。
「ちょっと祷!危ないわよ!早く戻ってきなさい!」
お姉ちゃんは声を出そうにも、出せなかったので小声で叫んだ。運よく、龍は眠っていてる。このままゆっくり忍足すればバレないはず…!
龍の顔...近くで見るとなんだか、ひげが生えててそれに、イビキと鼻風船をしていて可愛いかも...いや!そんなことはいいから集中!集中!
慎重に慎重に歩いているはずが、足元にある小枝に気が付かずにうっかり踏んでしまう。そして、このシーンとした空間にバキバキと音を鳴らしてしまう...
バキバキッ! バキバキッ!
ヒーーーーー!!ヤバイ絶対に終わった!!すると龍は、一瞬イビキをやめてしまった。頼むからそのまま眠ったままでいてくれ!別にあなたに何かしようっていうわけじゃないのよ!
そう祈ったのが通じたのか、龍は再びイビキを開始した。
フ~~~~~!たーすかったーー...龍は再び眠りの世界へ...
私は今度こそ足元に集中して歩き、いよいよお目当てのニオイ草の前にたどり着いた。目の前で嗅ぐとなんだか本当に癒される...龍もこの匂いにつられて、ここまで来たのかしら?
そんなことを思いながらも、私はその場にしゃがんでニオイ草に手をかけて、根っこから思いっきり引っ張った。が、しかし...私は一番大事なことを忘れてしまっていたのであった...!?
ググッ!
あっ...!なんと、ニオイ草を地面から引っこ抜く時に音が出ることを完全に考慮していなかったのであった。ヤバイ...めっちゃ音出た!!
バンッ!
鼻風船が弾けて、龍は瞼を開けた。マズイ...完全に目が覚めてしまった。
すると龍は大きな口を開けてあくびをした。牙が全部肉食の猛獣のそれなんだよなー...特に犬歯なんてもうあれ完全にソードだよ!
しかし私は、龍が口を閉じる瞬間に口の奥の方に何か銀色に光るものを発見した。
なんか今口の奥に突き刺さってたような...
すると、まるで大蛇のような首を上げて、私の方に近づけてくる。そして、蛇のような細長い舌を出し入れし、私の首や顔をペロペロと舐めたのであった。
ガクガクガク......
私は何もできずに突っ立っていた。一応舐められた感想としては、猫の舌に近い。あの特有の、熱いみそ汁を飲んで火傷した後の舌の感触...ザラザラしているヤスリのような...
だけどこの龍の舌は猫のよりも何十倍も鋭い。今少しペロペロされただけでも、皮膚が裂けて血が滲みだしてきた。
ジンワ~~~!
だが龍はどうやら食欲がないみたいであり、私をそれ以上どうしようとかっていうのはなかった。すると、その隙を見た立樹お姉ちゃんは急いで私の元まで来て、私を抱きかかえてその場から離れた。
「ちょっと待ってお姉ちゃん!」
「ちょっとも少しも待ちませんよ!急いでここから逃げるわよ!」
なんかさっき、龍の口の中にあった銀色に輝くものは一体...
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